ドラゴン皇女の覚悟が問われる雪山修行編。そして私服エーデルワイスさんのママ力の高さよ…
強敵に打ち勝つ雪山修行編!
≪傀儡王≫オル=ゴールの策謀と暗躍により窮地に立たされていたヴァーミリオン皇国ですが、ルナアイズの機転により「5 VS 5」の代表戦バトルへ戦争は持ち越し。(これが機転と呼べるものだったのかは、この先どうなるかによるかもしれないけれど)
無茶な被害を抑えることはできたものの…≪魔人≫に手も足も出なかったステラは完全に足手まとい扱い。
7日後に行われる、オル=ゴール率いるクレーデルラントとの戦いに戦力として参戦するために。決死の覚悟での修行が始まります。
挫折から前に進もうとするステラの意思と、それを支える覚悟を持ち、己もまたさらなる限界を超えようとする一輝。限界を超える修行と試練はやはり熱いものがあります。
とてもちょろくて大変よい炎使いの皇女様も大変良いんですが、今巻を読んでいるとやはりこのシリーズ、ダブル主人公かなって思えます。
といいますかどこまで強くなるのか。七星剣武祭のドラゴン状態ですでに反則級の能力なのにさらにその先があるのか…
シリーズとしても一つ上のステージに確実に上がっているところがありますよね強さのインフレ的に。炸裂するドラゴン娘のドラゴン力。強いというか死なないというか…人間の限界を超えたところからスタートするのがステラ皇女。なんですけど、それを軽く凌駕するのが≪魔人≫たち。
しかし自己を貫き通してきたものが≪魔人≫であるなら、そもそもステラも資質は十分な騎士ですから。ただこの修行編では、その彼女の自己とは何なのか、まで触れられており、それがまた熱い展開でもありました。
ここでエーデルワイスさんの話をしよう。
15年前、≪同盟≫ロシア帝国と≪連合≫の争いをたった一人で止めた≪比翼≫の剣士エーデルワイス。
以前には一輝とも剣を合わせ、その最強っぷりを遺憾なく見せつけていた彼女の元にステラたちは赴くわけですが。
出てきたエーデルワイスさんのなんだ…なんだこのママ力の高さは…
白いブラウスにロングスカート。その上からチェックのエプロンでアップルパイ。完璧…完璧…!
クールな最強美人剣士のプライベートレポートみたいになっており最早悶えるしかない。最早。
でも、独身で妙齢ってだけなので姉力でもよいはずなのですがなぜか最初に直感的に感じたのはママ…
先にルナアイズさんなるお姉ちゃんが出てきていたこと、明らかに自分に敵わないが向かってくるステラに対する慈しみ、そしてこの人には絶対勝てないオーラがそうさせるのか…
まあ15年前に戦争を止めてるほどの方なので推して知るべしってことですね。
やはり構図的にミトンでアップルパイはもう息子の同級生の男子に手作りお菓子振る舞っている美人ママとしか思えないから仕方ないよね。仕方ない。
それにしてもラノベの女子は…どうしてこうも嫁のもらい手がないのか…おかしいよな…などと読み進めていると彼女が現在最強の剣士であることを思い出したりもする。強く生きて…いや強いか…強さとは…
果たして修行の、そして皇国の行方は
そんな最強剣士≪比翼≫も巻き込んだ修行は果たして上手くいくのか。エーデルワイスに挑戦するため集まってきている強敵たちとの戦いもあり、ステラは何かを掴むことができるのか。
己を貫き通したものだけが到達する境地とは、自分のルーツを見つめることなのかもしれない。
ラストは結構、この手のパワーアップものの理由としては意外に感じました。同時に「らしい」とも思い、全編通してはオル=ゴールに蹂躙されていたヴァーミリオン編の嫌なものが吹き飛ぶかのような気持ちのすく修行編でもありました。
たださらにこの先として、オル=ゴールたちとのバトルが待っていること、ルナアイズの機転…が、本当に良い手だったのか、彼女は何を代償にしたのかなど、気に掛かることも多い。
寧音先生の強キャラっぷりが心強いですが、相手もまた一騎当千なんだよなあ…
さらにこの、ヴァーミリオン皇国とクレーデルラントを巡る争いを…正確にはオル=ゴールの暴走を引き金とした動きは、世界規模で影響を与えていきそうな雰囲気もあって。
ヴァーミリオン編はただの実家挨拶編で学園に帰ってくるものだと思っていたのですが…だいぶ大きな話になってきていて、どうなっていくのでしょうね。
エーデルワイスさんには無事に暮らしてほしい。なんか不穏な雰囲気から、そう思わずにはいられない。