ステラさんちでキャッキャウフフしてる間に隣国クレーデルラントを覆っている悪意、まさかこれほどまでとは…
クレーデルラントとの代表戦を控えて
ステラの故国、ヴァーミリオン皇国でついにステラパパとステラママ、ステラのお姉さんに挨拶した一輝くん。完全に婿入りの構えである。
ヒロインの親が出てきてなんかこう事実上くっつくんじゃないの応援してるみたいな雰囲気を醸し出しているラノベはありがちですが相手の親を呼ぶ呼称が自然体で「お義父さん」になっているのはそうそうあるものではない。というかない。
このさわやかイケメン力。
がんばれステラパパ。このイケメンに鉄槌を下せるのはパパしかいない!!
がんばれ…
戦争を模した試合、のはずが
まあパパのことはいいんです。
それよりクレーデルラントとの代表戦、利権を賭けた代理戦争のメンバーとしてエントリーされた一輝くん。
その試合前の顔合わせにと、向こうの代表でもあるヨハン王子からの招きに応じてクレーデルラントへやってきます。
そもそも利権だ代理戦争だいうても、その実体は親善試合のようなもので、長年いがみ合ってきた過去はあっても今はその関係を修復していこうという両国の気持ちもあり、実に平和的な催しのようです。
(余談ですがこの両国の壁をぶちこわしたのがステラパパもといシリウス王であり、さすがというかなんというか。完全に無理を通して道理を蹴っ飛ばす系のお人ですが、それが王の器でもある)
しかしこう、10巻のことを思い返すと…あれっ? って感じだったのがうわーっていうふうになってほんとこれ絶望しかないのでは。
学生レベルの外に踏み込んだ新章になるのか
そして傀儡王オル=ゴール一派とのバトルも、今までは七星剣武祭などで学生レベルを超えたバトルを繰り広げていたのがそれでも学生レベルだったか…というところまである。
バトルもの的にはインフレというやつでもありますけど、そもそもが学生大会の話だったわけで広い世界が見えたというのが正しいかもしれない。剣武祭はどれだけ白熱していても命のやりとりには発展していないし、ましてや人を命を弄ぶようなものたちはあの場にいなかった。
(剣武祭編とはバトルの質が違うのかもしれないですね。あれはあくまで大会であって、そもそも命のやりとりではなかったところはある)
そしてそんな、力量的にみても恐ろしい相手が、その悪意と歪みがまた全力でヤバい方向に振り切っているうえに完全に容赦なくえぐい。
この作品の特徴として、突き抜けてまっすぐなところがあって(主人公からして一輝くんにステラさんですから)、勿論それが魅力になっているのですがそれを悪い方に全振りするとこうなるっていうようにも感じました。ある意味、純真でまっすぐなんですよね。吐き気を催す邪悪とはこのことです。
物語として敵キャラとしては振り切れていた方が面白いところはあって、逆に今後の動向が気になるということろまであるので完全に思うつぼなところはありますけど、やはり最後のルナ姉さんのそれとかもあってどういう理由でどうなるのかっていうのが楽しみです。楽しみというより地獄の蓋を開ける気分でもありますけど。傀儡王、日本語は通じるけど話は通じない類だと思うんで絶対ロクなことにならないじゃんね。