伏せられていた事実がどんどん明らかにされていきますね。たまげたなあ。
※ここから先にはネタバレがあります。Fateシリーズはその話の展開、構成すべてに驚きと仕掛けが込められていて、どうあっても感想はネタバレに繋がってしまいます。ネタバレが気になる方、これから読むつもりの方は、この記事より先に本作品を読むことをお勧めします。
ほぼ1年越しとなる待望の4巻!
Fate / strange Fakeの4巻目。アメリカの田舎町を舞台にした「偽りの」聖杯戦争を、真偽あわせて13柱のサーヴァントとそのマスターが戦い抜く苛烈なバトルロイヤルです。
確認してみると3巻が出たのが2016年5月。ほぼ1年前。FGO5章の話が当時の後書きに出ているくらいの頃。
そこから1年は…FGOの影響、明らかにFGOの影響…(本編と後書きを読めばよく分かります。
登場するマスターとサーヴァントのチームだけでも13、さらに聖堂教会や時計塔なんかも加わってしっちゃかめっちゃかな様子となっているFake時空はただでさえ話をコントロールするのが至難の業であることが予想されますのに…その上Fate集大成とすりあわせないといけないとは…
FGOからは完全に狙い撃たれてますからね。ひどい。こんなん笑うw
ペア数で言えばアポクリファも7騎vs7騎でしたが、まだ赤と黒のチームに分れているなど、まとまっていたので状況も読みやすかった。でもこっちはガチで全員バラバラですからね。むしろバラバラ。それでも、それぞれのチームが混乱せずに動いている。ほんと流石としか。
チーム時計塔の大活躍!
今巻で焦点が当たっているのは時計塔からの参戦者、フラットくん。
「ピーキーな天才」でトラブルメーカーな描写の強い彼でしたが、今巻での生い立ちや内面、エルメロイⅡ世との出会い編などを経てその印象が変わらないけど変わった。
「壊れ」には違いないんですけれどもね。まだ全然裏のスペックがありそうで。この時点で無敵のハッカーみたいになってるんですがまだいけるのか。ほんと壊れか。
彼のサーヴァントである偽バーサーカーも「一周回って正気」になってる「バーサーカーとしては壊れ」なのでナイスタッグなんですけれどね。良いよねこのコンビ。
その偽バーサーカーの宝具がついにーーこれもヤバイくらいにFGOで実装して欲しい…同じ英霊でも出典違いはいけるはずだ…!(ヴラド公の例もあるし
また、とうとう表紙にもなっているあの人、エルメロイⅡ世。フラットつながりで出てくるわけですが、電話一本で状況を動かすそれは流石ロードというべきか。
彼とフラットの出会い、彼と偽バーサーカーの短いやりとりなど、出番は少なくてもとても勘所を押さえていて、そこで人の心が動いたのだろうと思えます。偽バーサーカーが「彼と話しているとうっかり満足して成仏してしまいそうだ」と思えてくる気持ちもわかる。
過去の聖杯戦争は、本当に彼を強くしたのだな…
そういえばエルメロイⅡ世はもうご存じの通り、冬木の第四次聖杯戦争を生き残ってここに居るわけですが、Fake時空では第五次もそのまま発生し、同時に「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿」に記録された事件も起こっているようです。
それだけ元祖SNをなぞりながらも死徒なる異物が思いっきり混入している。二十七祖や埋葬機関、「ワラキアの夜」なんて単語まで出てきているわけで。
(Fateでは原則として、吸血鬼は居るがその力は弱く、二十七祖と呼ばれる存在もいないことになっています)
この小さいけれど大きな違いが、どう影響してる世界なのか…実に気になる…
真アーチャーの過去バナとか思えば貴重かもしれないよ
よくよく考えると…あの英雄、SNから出てきてるのに何も知らなかったのではないか俺達は。「■■■■■ーーーーー!!!!」とかしか言わなかったし。
船に乗ってるときの話とか、真ライダーとの因縁とか、ちゃんとしゃべって宝具発動とか見てるとなんか新鮮。いやなんだ新鮮って。
今回も弓兵/復讐者みたいな扱いでどっかのサイレントヒルに出てきそうな不遇さではあるんだけど。結構、話の中心になりそうな予感もしているので楽しみです。
逆にアヤカとセイバーの影が薄まっていく感じがすごいのはどうなのかってところもあるけど…まあ今回は、フラット/警察/フィリア/真アーチャー/真バーサーカーDEBAN巻、ということで。
真バーサーカーのハルリ嬢もがんばってほしい。是非がんばってほしい。真名が公開されてからが本番か。
どれを見てもGrand Orderの影響を感じてしまう
FGOもプレイしている僕としては大変おいしいのですが。アインツベルンのフィリアさん、七章シナリオ告げられたときにまた死んだんでしょうかね…著者…(震え
最近はFGOがFateシリーズ集大成すぎて、どれもこれも結びつけて考えてしまう。この勝手にクロスオーバー感が楽しい。楽しいんだけど!
真アーチャーの回想で演説ぶってえるあの人とか、テスラがライバルな四足歩行の真バーサーカーって…みたいな顔とか、いろいろと。
グランドオーダーがハブのような役割を果たして、様々な作品の結びつきを強くしている。大変よい。読み手としてはよいけど作者は死亡確認…
だけれど、サーヴァントが主役ともいえるグランドオーダーでは出来ない人間力。本作では、それをオーランド署長と警察隊に強く感じています。
偽キャスターの贋作により英雄達と渡り合う…つもりで戦っていても、所詮は人間。その言葉がぴったりな結果になっている警察隊。
でもだからこそ、「普通の人間」として一番前に出ている彼らが番狂わせの鍵になるのではないか、そんな期待もしてしまいたくなります。
劇中時間も二日を過ぎ、繰岡椿と偽ライダー巡りひとつの山場を迎えようとしています。
それぞれの思惑と信念が渦巻く「偽りの」聖杯戦争。両雄どころか、誰も彼もが主役級。激しく激突して消える運命だとしても…救われてほしい…(カルデラに呼びたいの意
それはそれとして。7日間の聖杯戦争。全5巻の予定。今4巻で2日目終了。うん、知ってた。
関連作品
作中ちらっと出てきた「ワラキアの夜」について、詳細が気になる方は是非こちらを。(大元は格闘ゲームで、そのコミック版です)
今読み返すと、「アトラス院が見た回避し得ぬ滅びの未来」なるものもなかなか意味深。
エルメロイⅡ世が大切なものを賭けた話は、「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿」シリーズこちらの事件。(購入できるところは複数ありますが、DMMが一番安定してると思うのでリンクはそれを。詳細は個別記事にてどうぞ)
ロード・エルメロイII世の事件簿2 case.双貌塔イゼルマ(上) (DMM.R18)
ロード・エルメロイII世の事件簿3 case.双貌塔イゼルマ(下) (DMM.R18)