怒濤の詰ん読解消日記

つんどくダイアリー

旧「怒濤の詰ん読解消日記」。積まれてしまったマンガ、ラノベなどを読んで感想を書いています。結果として面白い本の紹介だったりまとめだったりになってる。/端末の表示によると、あと771冊

「ようこそ実力至上主義の教室へ」1~6巻 知略謀略飛び交う学校でDクラスはこの先生きのこることができるか【ラノベ感想】

ようこそ実力至上主義の教室へ (MF文庫J)

 アニメから入った派です。

特殊な実力至上主義の学校で繰り広げられる知略と謀略のクラス間抗争!

 進学率・就職率が100%、希望した進路へ国を挙げてバックアップし必ず進めると言われる特殊な学校、「高度育成高等学校」。

 完全寮制で卒業まで外との接触を一切禁じる(が、ショッピングモールなど娯楽施設も含めて全て学校内にある)、クラスポイントに応じたポイントを配給(学校生活での通貨になる)、クラスの成績や態度がすべて査定されポイントとして評価され、各クラスはそのポイントにより序列づけられるなどかなり特異な教育方針を採っている学校です。

 その学校に入学した綾小路清隆とクラスの面々が、優等生のAクラス、優秀で結束力の高いBクラス、暴君が君臨するCクラスを相手取り、最下位のDクラスから仲間と協力して勝ち上がっていくーーみたいなストーリーで大筋は間違いはないとは思うのですがそんなさわやかな話じゃないうえに突出して綾小路がヤバイ

綾小路清隆なる人物の謎

 だいたい2巻くらいまでは(今から思うと)まだ平和だった。といいますか1巻当時のテンションがもはや別人すぎますね…

 おそらく主人公のこの男、入学するまでの過去にあったことが原因で頭脳も身体能力も特別優秀。ですがそれを隠して暮らしていきたい高校一年生。

 ヒロインがピンチになったら「やれやれ」と言って助けに入るような役回り。

 だが実力至上主義の抗争では周りの全てを手駒のように扱い先んじて制圧するようになる。敵にも味方にも容赦がない。

 むしろ誰も「敵」とも「味方」とも思っておらず、ただ淡々と状況を読み切って片付けていくような恐ろしさすらあります。普段に交流がある人たちとの仲は悪くなさそうに見えるのですがもし切り捨てる必要があったら静かに切り捨てそう。そして切り捨てられた人物はそのことに気がつかないまま消えていきそう。

 切れ者主人公ってよりガチで詰めにかかってるダークヒーローと評したほうがしっくりくるくらいの活躍っぷりです。ライバル位置にいる龍園 、こちらは頭脳と暴力でCクラスを支配する独裁者ですが、そちらのほうはカラッとわかりやすい悪者ですから綾小路の特異性が余計に際立つ。

 3巻ラストくらいからその本領を発揮していく感じで、ストーリー的にも1巻、2巻はジャブみたいなもんだってのが分かってきます。

 これが彼の本性だったのか、と問われるとまたそれも分からず。周りの厄介ごとに振り回されつつ高校生らしい煩悩にあふれる普段の彼のほうが素なのではないかとも思えます。でもそういう部分はだんだん減ってきてる気もするなあ…知ってか知らずか、視点がだいぶ上からになってきている(そして実力的にはそれが合っている)ところもあって。

 彼の過去についてはAクラスの坂柳が絡んできたりもしていて、これから明かされていくことの一つなのでしょう。

もう一人の主人公、堀北鈴音

 才色兼備で孤高の優等生である堀北さん。人を寄せ付けないクールなヒロインです。

 しかし試練の乗り越えて成長、変質していくものが物語の主人公であるなら、おそらく彼女が綾小路よりも主人公らしい主人公じゃないかと思います。

 原作は夏休みを経て二学期編に入ったところですが、ここまでですでに多くの試練に晒されてずいぶんと変わっていった。打ちのめされる美少女って良い。

 「Aクラスになる(クラスポイントトップのクラスがAクラスと呼ばれる)」ために少しずつ自分を成長させて、クラスの団結力を高めて他クラスに対抗し、宿敵と向き合い打ち合っていく姿はやはり主人公のそれですよ。ツンツンしてるのにわりとちょろい素直なのもプラス要素なのか。

 体育祭や二学期テストなどを経てますます成長し先に進んでいく堀北さんの強さはまさに王道。

落ちこぼれが集められたと言われる「Dクラス」の命運はいかに

 初期クラス分けでは、優秀な順にAクラスからDクラスまで配置されたと言われています。このクラス分けのまま3年間、クラス単位での昇格降格でどれか1つのクラスが最終的にAクラスとなる。

 でも個人的にこのクラス分け、振り分け基準としてAクラスは安定して優秀、Dに向かうほどピーキーな性能で平均するとそこまで大きく違わないのでは、って気もしています。

 事実、個人の能力として学年トップクラスの人材はDクラスにも居ますし。自由すぎるのもいるけど。

 そういったメンバーを使いこなしつつ試練をクリアしていく、一人無双が通じない集団戦が本作品の面白さですね。

 Dクラスメンバーのほうがワケあり率は高そうで(綾小路が筆頭ですが)闇抱えすぎってところはDなんだと思いますけど…

 対する他のクラスも当然一筋縄ではいかないものたちばかりで、表に裏に策略が飛び交い最終結果が出るまで先の読めない展開が大変熱い。

 ただの閑話、短編集だと思っていたらさらっと今後に繋がる物騒な会話が混ざっていたりして油断ならなかったりもする。

 ここまででまだ二学期も終わっていない…このまま1年、2年、3年過ぎたらどうなるのか。ほんとに先が楽しみです。

 7巻がもうすぐ出るらしい!

アニメは原作を元に再構成されている感じがする

 それで私は先にアニメを見てて、ほんとはアニメが終わってからにしようかと思ってたけど我慢ならずに原作小説読んでしまったクチですが、その流れからするとアニメにするうえで原作そのままじゃなくて再構成されているなと感じるところ多数でした。水着回は意地でも差し込む。その努力の跡がうかがえた。とくに綾小路の態度や性格は最近の原作からフィードバックされてるところがありますね。

 けれど小説のほうが文字だからかやはり情報量が多く、同じシーンでもアニメと原作ラノベで意味合いが全然違うじゃんってところもあります。つまりアニメが面白いと感じたらラノベのほうも読むべき。

 今は原作3巻の無人島編までをやっていますね。1クールの区切りとしては納得ですが櫛田のそれとか平田のあれとか投げっぱなしになるよなあ。2クール目まで行くんだろうか。でもそうすると多分、綾小路のそれとか櫛田と堀北のこれとかが投げっぱなしになってもう1クール必要。続けよう?

「ソードアート・オンライン」19巻&20巻 見習い騎士ティーゼとロニエも大活躍するムーン・クレイドル編!【ラノベ感想】

ソードアート・オンライン20 ムーン・クレイドル (電撃文庫)

 アンダーワールド大戦の「その後」になるムーン・クレイドル編。上下巻構成でして19巻の感想書いてなかったので20巻とまとめて書いていきます。

 見習い騎士二人もう主役交代しそうな勢いでDEBANあるよね。良い。

※ここから先にはシリーズについてのネタバレがあります。続き物なのでご容赦下さい。

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「劇場版 Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い」は原作Fate S/Nファンこそ見ると楽しめるかもしれない【映画感想】

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(C)2017 ひろやまひろし・TYPE-MOON/KADOKAWA/「劇場版プリズマ☆イリヤ」製作委員会

 士郎が強い! 熱い! プリヤの始まりでもある士郎編!

ここから先にはシリーズについてのネタバレがあります。あとFate S/Nについてもあります。S/Nのスピンオフ作品で劇場版なんでもうなんかいろいろとお察し下さい。いいから観よう。

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「Fate / kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!」9巻 ひとときの日常で破壊力の上がるアンジェリカさん【マンガ感想】

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!(9) (角川コミックス・エース)

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(「Fate / kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!」9巻より

 表紙のアンジェリカさんにコロされて購入したみんなー! 元気ー!?

 僕は元気です。

ここから先には前巻までのネタバレがあります。シリーズもののためご容赦下さい。またFateシリーズはその話の展開、構成すべてに驚きと仕掛けが込められているようなもので、どうあっても感想にネタバレが含まれてしまうことがあるかもしれません。ネタバレが気になる方はここで引き返し、迷わず本作を手に取ることおすすめします。

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姉と過ごすどこか情緒的で甘々な日本の夏。「姉なるもの」2巻【マンガ感想】

姉なるもの 2 (電撃コミックスNEXT)

 良い。

続く、家族二人の日本の夏。

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(「姉なるもの」2巻より)

 ふとしたことから「お姉ちゃんになってください」とお願いをして、千夜姉と暮らすことになった天涯孤独な少年・夕。

 二巻でも引き続き、姉弟二人の田舎暮らしが描かれていて最高です。距離感がさらに「姉弟(だが姉と血は繋がっていない」になっていく。うん。

 どの場面を切り取っても、千夜姉のたわわな魅力とにじみ出る情緒があり、それが舞台となっている田舎の日本家屋に見事にマッチ。

 日々緩やかに過ごしている二人暮らしの様子はとても良いものですが、でもその日常はものすごく不安定なところで成り立っていることを二人ともが察していて、それでいて自然に過ごしているところがすごく良い。

だが人としてダメになる

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(「姉なるもの」2巻より)

 ずっと千夜姉に甘えていたい人生だった。

ゆるやかに続くカミさまとのホームコメディ

 (2巻目だし割とプッシュされてるから大丈夫かな)千夜姉は本当の姉ではなく、夕くんが倉の地下室で出会った人ならざるもの、『千の子孕む母なる黒山羊シュブ=ニグラス』と呼ばれる〈旧支配者〉の一柱。

 神とも悪魔とも呼ばれてきた人外の力をもったものが人として暮らしていくことになるのですが、この作品ではその事がことさら隠そうとされていなくて、千夜姉も夕くんも自然体なんです。

 今のところ家にいるのは夕くんと千夜姉だけだし、その夕くんは割と自然にお姉ちゃんのことを受け入れているから隠す必要も何もないんですがそれが良い。人間の暮らしに千夜姉が合わせているところはありますけれど、それはそれで楽しんでいるみたいだし。

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(「姉なるもの」2巻より)

 「カミさまが、人として生きてみた」みたいなところかもしれません。

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(「姉なるもの」2巻より)

 夕くんのことになると2ターン目でキレるみたいな勢いでキレるところもあるけど割と平和です。ていうかなんかちょくちょくフォームチェンジしてる家事とかも髪伸ばした触手でしてるしだいたい自由。

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(「姉なるもの」2巻より)

 夕くんに「神様っているんですか?」ってストレートに聞かれたとき。いつもの調子でごく自然に答えてくれているんですが、それがなぜか印象深い。「自分たちは人より強い力を持っているが、神とか悪魔とかは人が勝手に呼んでいるだけ」ってスタンスがさらっと出てくる。この答えは逆に「神と呼ばれる概念のものはいない」と言ってるのかもしれない。この場面はまた、前の話とこの後のシーンと合わせてとても、なんとも言えないものかなしい雰囲気にもなったりします。

 千夜姉は夕くんに願われて今ここに居て、夕くんからすれば願いを叶えてくれた神様でもあるんだけど、千夜自身がこの暮らしを続けていきたいと願ったときには、それをどこに捧げるんだろうか。

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(「姉なるもの」2巻より)

 人と人ならざるものが歩む物語はどうしても悲劇的な終わりを想像してしまうけど、二人が幸せな結末を迎えて欲しいと思っています。

 
 
 それから同人誌ですが5.5は健全だから大丈夫! やったぜ!

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「なれる! SE」16巻 これが最終刊! 残酷SE物語の行き着く先は!?【ラノベ感想】

なれる!SE16 2年目でわかる?SE入門 (電撃文庫)

 これが二年目のやることかよぉ…

業界騒然の大勝負!

 今巻は15巻からの続き、実質的に上下巻のようなものとなっています。

 ただの提案勝負から業界全体にインパクトを与えるような大勝負にまで発展していき、それでも最後に待っているのは恩師である室見立華との決着である。

 これなんのラノベでしたっけ…ってなるくらいのビジネス小説っぽさが出てきていました。技術より政治ゲーム要素のほうが多めだった感じでしょうか。SEって大変だな…ってか二年目…

 いやむしろこのシリーズ振り返ってこの密度で仕事して2年経ってないことがおかしいと思うべきか…

工兵の進む道はどうなるのか?

 桜坂工兵については実のところ割とマネジメント、経営者向きかなと思うところが多々あって、今巻の活躍も純粋なシステムエンジニア…よりプロジェクトマネージャ的なものだったと思うんですよね。

 エンジニアは技術を振るうけど、工兵は人を動かして問題を解決しているから。それはマネジメントだろうかなと。

 シリーズ中の彼の働きとしてもマネジメントの才覚を見せてたところがありましたから、前巻での誘いについても割と適切かなとも思ったりもしていました。

 まあなので、最後に工兵が選んだ道は意外といえば意外でしたが。それはそれとしてその先もわりと想像できそうな感じもまた。絶対揉めるやつやなみたいな。

 ただ、僕個人としてはその選択はよく分かるところはありますね。なんつーか、まあ、個人的なタイミング的な意味でも…

後書きが哀しみに満ちている

 うん…

 なんといえばいいのか。なんて哀しい後書きなんだ。

 アマルダの社長のお言葉も沁み入るようでしたが(アレはアレでポジショントークでもある、からやっぱり上位層は怖いなって思うところでもある)、シリーズの最後でこの後書きかって思うと…実にこのシリーズらしいとしか言えない。

 現実ではこのあたりのツケを支払ってる真っ最中みたいなところある気もするけど、一回滅びろみたいな感想になるのは同感なのでなんとも。

 ただでも、全く職能の違うジョブに社内でチェンジさせるのは悪い面が目立つけど良い面もあるとは思っていて。

 複数の専門知識を掛け合わせるような習得の仕方は、それはそれで大切です。(事務方がSEのこと何も知らなかったらそれはそれで文句言うでしょ)

 まあ物語の最後としてはハッピーな感じだったからよかったのではと思いつつ…クロージングまで目が離せない残酷SE物語、お疲れ様でした!

 そういえば中高生の将来の夢第一位が「ITエンジニア・プログラマー」って話ありましたけどまずこのシリーズ読んでから考え直そうな。

 プログラムやシステムエンジニアとしての技術はとても楽しいもので、それ自体は体験して欲しいし、覚えておいて損はないと思いますが仕事にするとどういう目に遭うのか。このシリーズのファンタジー要素は2点。上司や同僚、仕事相手はだいたいおっさんであることと、こんなにうまく解決できないこと。無残。

「通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?」3巻 ママがギルマスになるんだよ…【ラノベ感想】

通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?3 (ファンタジア文庫)

 ママの自重しなささが加速していく3巻。

爆誕するお母さんギルド

 今度はギルド経営…といっても本格的にギルド活動するでもなく、パーティを組むための箱組みたいな程度の感じでしたけど。

 真々子さんが息子の出番全部奪っていってる感じがますます加速してて自重してないのが息子視点でつらい。あと今回はメイド服です。かわいいんだけどかわいいってなる前に待てーーー!!! 母上ーーー!!! って思うあたり、やはり僕は割と主人公視点に共感して物語を読むタイプだったのかもしれないと認識を改めていっているところです。このシリーズを読むごとにその気持ちが強くなる。

 バトルも通常戦闘だいたいママ無双になっちゃってて真人とかワイズとかメディとかが手持ち無沙汰だし、いつのまにかお母さんギルド爆誕してるし真人よ…

 (前々から分かってたことだけど)真々子さん割とパッションだから流されるままだと立ち向かえない。冒険モノの成長パターンである「父親超え」ならぬ「母親超え」を目指す物語なのかもしれない。

 お母さんギルドも文字通りお母さんギルドとなってしまって何を言ってるかわからねーと思うが真人くんには強く生きて欲しい。しかしあの世界のNPCどうなってるんだろう…カーチャンがカーチャンしてるAIとか…

割と謎の反抗組織が見えてきたリベーレ

 また今回から明確に「反抗組織リベーレ四天王」とかいう方が出てきました。わかりやすい馬鹿とかひどい言われようのアマンダさん(強い)だけど確かに分かりやすい。悲しみの強キャラでその願いも無茶苦茶ですけどしかし、お母さんの影響強すぎるこの話だと気持ち割とわかるって感じになるところはあるよなあっていうところはあります。

 ラノベのご都合主義とかいろいろでみんな気にしなくなってたからあんまり気にならなくなってたけど普通に考えたら混浴会議っておかしいよね。メンバーも結構慣れててもうそれ家族の距離感なのではみたいなところも。

大好親子がクリアできていない理由

 今回、新キャラは出てきたけれどもライトな敵側で、1巻や2巻と違ってそちらの事情にフィーチャーしてなかったところもあり、パーティーの日常的な雰囲気が多めだったからかもしれませんけど、読んでて「あれだけ仲よさそうな大好親子がゲームクリア判定されてない理由」がなんとなく分かるような感じを受けました。

 クリア条件は「親子が仲良くなること」で、親子仲は悪くないはずですが、「奔放な真々子に真人が合わせてる」感も否めなくて、多分そこをクリアすることになるのかなみたいな。

 状況だけはハーレムなんだ。真人くん頑張れ。

 またBWでは9/1までに購入すると、書き下ろしの特典ショートストーリーがついてきます。といっても割といつものママ無双で一掃して終わる。

【期間限定購入特典】通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか? 3 BOOK☆WALKER限定書き下ろしショートストーリー
(購入特典付与期限 2017/09/01 23:59まで)