うん、爆発しろ。
…というと本当に爆発するような代物を扱っているからアレ。うん。
解明される謎
「眠らない錬金術師」クースラとその一行は、各地で伝説を残している「白き者」たちの足跡を追って旧アッバスの町跡に。かつて町一つ吹き飛んだという伝説のある場所で、そこで「白き者」たちの足跡も途切れている場所。
劇中の時代からすると魔法のような技術を持った白き者たちのそれを追いかける旅路ですが、ここでもまた楽しそうに錬金術の実験開始。
錬金術師というとイメージ的には鉄を金に変えるとか、なんか変な実験してるとかたるを数えてうにを投げるとかそういうものですが(偏見)、このシリーズの「錬金術師」は、今で言うところの化学者や科学者にあたるもののような感じです。技術に紳士で実験馬鹿。
そんな錬金術師であるクースラとウェランド、その沼に浸かりつつあるフェネシスが試行錯誤の末に謎を解き魔法と思われていた現象を再現していく楽しみは今巻も十二分に。(フェネシスはそもそも「白き者」たちの一族で素質は充分、ある意味時間の問題だったともいえよう)
現代技術では化学反応としてもう既知のものなんですが、やはりあの「マジかよそういうそれか…」という瞬間は見ていて楽しいです。化学の知識があったらもっと楽しめるのか、ネタが読めてつまらないのか…どっちだろうか。
というか最後のそれは「あっまだそういう時代か!」というのとか「あっあっ」っていうのとかいろいろ思ってこれは抗争が始まるで…というそれ。
錬金術師はやはり神をも恐れぬ挑戦者やで…(震え声
大人になる、ということ
そういう技術馬鹿的な側面とは別に、どこまでも自由でいたいという気持ち、追い求めていたもの、それらがどう「許されていた」のかというのが、騎士団を束ねるアイルゼンとの話で見えてきて。
なんていうかこのへんはある意味つらい。個人的に技術者よりなので。人は一人ではいきていけないという話なんだけど。
けれどこの話を通じて、クースラが追い求めていた「マグダラ」、たどり着きたい場所がはっきりしたところはある気がします。
青い鳥的な話でもありますかね。
そして旅路の果てに
爆発しろ!