っはーーっ!
って感じで最後まで一気に読み切ってしまった感じの12巻。またしてもラストは怒濤の展開で広げた風呂敷を畳んで畳んで第二部ここに閉幕。
総力戦のラスト・バトル
いやーどこまで言って良いかって感じではあるんですが。完全に人を超えてる力を持ったものたちが相対していくさまは圧巻の一言。
そして迫る魔物の群れ。絶望的な状況でも怯まず突っ込んでいく益荒男たち。
登場人物が女性に偏っているから、というのはあるんですがここ一番での女性陣の強さ。シャルロッテ姫の度胸には震えるしかないしアンゼリカの軍神っぷり。ルナスの「体を張って守られるのは当然だが当然にそれは無駄にしない」といわんばかりのそれ。命懸けざるをえない。
またリーゼルも今までなんかあんまりいいところなかったけど、やっぱりSSランクは伊達じゃないわ。
そしていっとう活躍していたのはやはりパリエルですね。星の巡りもあるんでしょうが。これはマヒロとエーデルワイス、そしてパリエルの物語であった。
最後まで言葉で、最後のネタばらし、最後の選択
対してマヒロ王子はどこまでも言葉で全てを翻弄しコケにして惑わせて状況をひっくり返す。
本当に、口を開けば状況が変わる。まるでどれだけ黒が多くても、挟まれてひっくり返るリバーシのように。
よくあれだけ、まさかというところから刺していける…
という一番のまさかは最初から仕組まれていて、ていうか、それ、ここまで全部道化じゃねえかぁぁぁぁぁっっっ!!!
躍起になってた帝国も紋章集めも下手すると滅ぼされたミスマルカまで。おいこれちょっと。ちょっと。ちょっと待って。
これが最初から考えられていたのか…どこかで思いついてしまったのかはわからない…最高に後出しじゃんけん過ぎる…勝てない…
そしてあのエンディングであるから。真相をしる側からするとどうすんだこれって顔になるよねみんな。
というようにいつもどこまで計算しているか分からないようなマヒロだけれども、最後に予言者に突きつけられたあの選択。どちらを選ぶにしても慈悲のないもので彼がそれを選んだときに救われるエンディングが見えた。
エーデルワイスの物語でもあったもの
帝国から流れてミスマルカへ、マヒロの教育係で、母であり、姉であり、家族であったもの。
その正体について多くは語られなかったし、またもしかしたら別の物語で語られるのかもしれないけど、ここで彼女は救われたし、だから物語も終わりを迎えたんだろうかとも思った。
話の主人公、主軸はマヒロであってパリエルであって、これからもその物語は続いていくんだろうけれど。エーデルワイスの意思として進んできたこの話でもあって、この世界は続いていくけれどこのお話はここでお仕舞い、というのはひとつ納得のいく形だったと思います。
というかね、ほんと素晴らしいと思うんですけど、こういうちゃんと終わりの区切りをつけていけるのが。
長編戦記ものになると突然ぱったり刊行が止むとか世の常だから…!
そしてきっと話は続いていく。というか、ほら、あれだよ。西域に消えた我が勇者。
いやほんとどうなっちゃってるんですかね…?