復活のZ。
とうとうこの巻に到達してしまった。
闇の帝都に降り立つ怪盗
度重なる戦争によって内部から疲弊し、格差が広がるグランマーセナル帝国。
そこに颯爽と登場した義賊、弱きを助け強きをくじくその正体とはーー
みたいな勧善懲悪ものの筋書きであるのになんだこの展開は。
帝国はなんていうかどうしてこう…病んでいるのか? 国が? 大丈夫なの?
小説だから、基本的に書かれた台詞を追っていくと、だいたいいいこと言ってるわけですよね。その覚悟。その意気や良し。今や帝都の犬と化してしまったマヒロ王子の抱える苦悩と、かつて憧れた自由の象徴。
グランマーセナル帝国皇帝ネオシスに突きつけられた目前の危機。その初心を思い出すための、過去皇帝がその身に纏い戦場を駆け抜けた黒獅子の兜。
ふとシーンを思い出すとゼンラーマンなわけですよ。ゼンラー・ペンデュラムが命の振り子なわけで。完全に事故。
ノリノリでやってくるマリーチ様
マリーチ様ほんと楽しそう。
最高に腹抱えて笑ってるだろうなこれ。
覚醒してからいい性格になりすぎである。よかったのか悪かったのかわからないが…
予言者として油を注ぎにきたのか退路を断ちに来たのかわからないところあるけど、マリーチ様はマリーチ様なりに東の一帯を統一しようと…いや、どうかな。導くとかそういう気はなさそうなのかな。でも今の皇帝が東部平定に乗り出したのはマリーチ様の予言がきっかけだしな。
なんかなるようになればみたいなところもある気がするけど。
マヒロの苦悩とさらなる飛翔
自由の象徴たる奴は死んだ。
このところ調子を取り戻していたかに見えたマヒロ王子だったけれども、本当の初期の頃のような危なっかしさ、奔放さはなく、むしろツッコミ役に回る始末。
初期のそれは勇気というより無謀、切り抜けられたのは運、といえばそれまでではるので、これが成長ということなのかもしれないけれども…
でもあのライン要塞での自由の騎士はきっと輝いていた。その輝きを忘れない勇者によって、マヒロもまた輝きを取り戻すのか。
完全なる無茶。完全なる無謀。どこまでが悪ふざけで済むのか。済ますつもりがあるのか。真の勇気とは。覚悟とは。皇帝にその言葉は届くのか。(台詞だけ追っていると)大いなる感動巨編である。映画化決定してもいいくらいである。大事故である。
それにしてもルナス様、懐広すぎ。
あとアークセラ先生はガチ。はっきりわかんだね。わかりたくなかった情報だ。