このところ異世界転移転生ラッシュで普通の学生からいろんな職業の人から自衛隊まで飛ばされてまして最近居酒屋が飛んだマンガを読んでた気がするんだけど今度はコンビニが飛んだ。
異世界も大変だな…
デモン・イレブンへようこそ!
ある日突然、扉を開けたら異世界だったというお決まりの展開から始まったデモン・イレブン異世界店の苦難。やってくるのは勇者に魔王に王様に。ただのバイトなうえ最長年齢20歳の透たちは異世界でこの先生きのこることができるか!?
…というか勇者と魔王と王様なにやってんすか…平和だな…
タイトル見たときは異世界でコンビニをイチから開くという話かなとも思ったんですが、現代のコンビニの支店がなぜか異世界にというそれで、だいたい細かいことを気にしないドタバタギャグラノベです。
主人公達以外がチート
タイミング良く異世界に飛ばされたバイト店員リーダーの反馬透、わかりやすいツンデレアピールの九条麻衣、ムードメーカーの野宮勇気、ある種チートな天才少女白雪塔子、そして一日店長やってたときにたまたま異世界に飛ばされた不遇のアイドル声優真壁ケイタの5人は基本的には普通の人。一人チートっぽいのがいる気はしないでもないけど。普通普通。
むしろ客の方がチート。この国最高の英雄である勇者パーティ(立ち読みに文字通り命を懸ける)。人類最大の敵となる魔王その人(ひとり深夜に孤独のコンビニ飯)。兵を率いた王様同士のバトル(ホットドリンクの奪い合い)に宿命の剣士のぶつかり合い(納豆巻きとシーチキン巻きの奪い合い)。
…平和だなこの世界…
現代日本のコンビニエンスストアはやはりこの中世ファンタジー異世界では珍しい存在、どころかいろいろと常識を覆しているわけですからもともとの住人達からしたらヤックデカルチャーなわけですよ。
思えばコンビニってある意味、現代文明を便利にまとめてるとも言えなくもないかもしれない。弁当に飲み物、おやつに雑貨に文房具、雑誌やマンガもあるし。
このあたりは不思議展開でなぜか現代日本から補充されるらしいので、文化輸入し放題なわけで。
もしやコンビニという存在もチートなのかもしれない…
成るか目標達成Sランク
そんな資本をもとに、本部評価Eの店を半年で評価Sにするのが当面の目標。できなければ店舗終了。
でもこんだけえらい勢いで売れてれば余裕じゃないの? って思わなくもないけど、そう簡単にはいかなさそう。一度に並べる商品にも限度とかありますし、ピークタイムを過ぎたら意外と普通なのかも。
また飛ばされたメンツも一癖もふた癖もあるんですが、Sランクを目指すというのは共通しているのでまだなんとかなっている。というかアイドル声優ほんととばっちりでしかない。最年長だからなぜかそのまま店長代理となる運命。でもそのままおでん売ってるいい人でもあるわ…
普段ぜんぜん冷めてるけど何かのスイッチが入ったら大泣きする白雪の情緒不安定さをよしよしするしかない。そんなラノベです。
それはそれとして主にあとがきとかににじみ出る著者のコンビニバイトこぼれ話、なんていうか、強く生きてほしい。
(コンビニバイトは速攻ギブった私より)