温泉! カピバラ! ニューロリ! と美味しいところを盛ってくる連作短編風味の2巻!
前巻が2016年の11月なので1年越しですね…割と待ってた。
たわわな温泉「骨休 旅籠夜話」
ナユタとコヨミとクレーヴェルのVR温泉旅行。うん。
といってもそこまで際どいそれではないのでだいじょうぶ。あと猫。
AIが面白いバグり方するなあって思いました。人間で言うところの「勘違い」。結果としては微笑ましい雰囲気だけど、根本的なところを考えるとヤバさを感じるところでもありますね。
それからクレーヴェルが条例と事案に怯えてるのはネタフリかと思ってたんですが警察官時代にいろいろ目にした結果のトラウマみたいな割とガチなやつで一気に哀れみがでてきました。
カピバラさんに埋もれる「茶番劇 化鼠之宴」
人類はモフモフに抗えない。
100万匹のカピバラさん大行進の勢いなカピバライベント。いいなあVR。
現実では実現不可能なことがVRの醍醐味ってやつですね…はぁ…カピバラさんが現実のそれではなくぬいぐるみチックな作りになっているところもまた良い。つまりぬいぐるみカピバラさん(動く)に埋もれる大平原。はあ…
フルダイブ型VRの開発が待たれる。
あと地味に開発者の哀愁的な内情も見えたりするのだけどそっちはこうなんていうか…はぁ…つらい。
父を探すサスペンスミステリー「鬼姫双紙」
きな臭い出だしから始まるミステリー風味な上下編。
父親を探す人気子役のマヒロがクレーヴェルのところへ依頼に来ることから始まり、マヒロそっくりなイベント配布アイテム「鬼動傀儡・鬼姫」との関係や失踪したプログラマーの真意に迫る…探偵としての面目躍如ってところですね! (今までも割と謎解きしてた気はするけど温泉とカピバラさんには勝てない)
鬼姫はRPGによくある、バトルに加わるNPCみたいな感じのアイテムキャラですが、受け答えまでできるNPCが実装されている世界観ではこの自動人形っぽさが逆に新鮮かもしれない。
また読後の感想としては、全体に影響しているクラゲさんの生き様に思いを馳せるとこもありますね。なんていうか地味で表には出てこないんだけど重要。名脇役的な。
それはそれとしてなゆさん完全に押しかけ通い妻じゃねーかどういうことなのクレーヴェル。一体前世でどんな徳を積んだらたわわ美少女女子高生が勉強を教えてもらいに通ってきて制服エプロンとか夕飯作ってくれたりとかするイベントが発生するんですか? なんなの? 事案?
…しかしクレーヴェルが割とガチで事案に怯えてるから爆ぜろと思う前になんかこう生暖かい目線になるところがなんともいえない。結果的に微笑ましい距離感になっているのでにっこり(いいのか)
3巻も決まっているようなのでお待ちしております。