この聖杯戦争が、素直に進行するはずもなかった…!
※ここから先にはネタバレがあります。Fateシリーズはその話の展開、構成すべてに驚きと仕掛けが込められているようなもので、どうあっても感想というとネタバレになってしまうところがあるかもしれません。(おいしいところはなるべく残しておきたいとは思っていますが) 未読の方、ネタバレが気になる方はここで引き返し、迷わず本作を手に取ることおすすめします。
聖杯戦争の、開幕?
この聖杯戦争に必要とされる六柱のサーヴァント。そして6人のマスター。それらが出そろい、開幕で砂漠に大穴を開けて火ぶたを切った「偽りの」聖杯戦争。
通常の、冬木の儀式であればこの召喚されたサーヴァント同士が殺し合い、それをもって全ての願いを叶えるという願望機、聖杯を顕現させようというもの。
アーチャー、バーサーカー、アサシン、キャスター、ライダー、ランサーの6つのクラスが顕現した今、その戦争もより苛烈さを増していくーー
サーヴァントが六柱だと言ったな。あれは嘘だ。
げぇぇーーっっっ!
…というのは、実は前巻最後で明らかにされていたことなので、まだ慌てる時間じゃない。
この程度のフェイクはないわけがない。セイバーさんいないと締まらないじゃないですかね。
セイバークラスが男。セイバー顔じゃない。
げぇぇーーっっっ!
ある意味まさかの展開ではありましたが、これも前巻で明らかにされていること。
セイバーさんといえばセイバー顔の美少女というタイプムーンの常識を覆す恐ろしい展開であります。今回は謎の剣士Xの出番無かったな…
まあこのあたりは「なにぃぃぃーーっ」っていう驚きは充分にあったのですが読み進めると、
この儀式そのものが「偽りだ」!
なにぃぃぃーーっっ…って、あれ、最初から明言されてますやん?
…って思うじゃん? これがまさかのほんとに偽り。本家のパクリの不完全な儀式だから偽り偽りいうてる程度に思っているとここで刺されることになる。
なぜサーヴァントを1柱足りなくしていたのか、それなのになぜセイバークラスが喚ばれたのか。そういう方法でそこに至ろうとするのかーーすげえなほんとにという気持ちでいっぱいです。
英霊そっちのけでバトり始める教会関係者
死徒は殺す。必ず殺す。
そんな勢いで主に背くものを駆逐する聖堂教会の武闘派集団「代行者」。悪鬼悪霊を殲滅するための実力派集団。
そもそも教会がなぜここに絡んでくるかというと、聖杯戦争の「監督役」として、中立の立場で監視する(あわよくば聖杯を奪取せんとする)ための人員を、教会から出すのが慣例となっているのですよね。
戦意喪失したマスターの保護、事件事故の隠蔽などの後始末、その他いろいろ的な。
その教会からの監督役として赴任したハンザ…どれほど強くても聖杯戦争には原則非介入、のはずがマスターが死徒とあっては話が別。全力で殴るに決まってる。
もともと警察に拘留されたセイバーとアヤカ・サジョウを急襲してきたアサシンを警官隊が宝具で迎え撃っているところ(この状況も大概おかしい)を呑気にお茶しながら眺めてたら死徒乱入。
こいつは俺の領分だと言わんばかりにバトり始める協会関係者。聖杯戦争監督役とは。
そもそもイレギュラーだらけのこの闘いで神父がまっとうってことはないですわね…というか本家でも神父はアレだったし。じゃあ代行者がどうかって月姫の先輩を思い出すとカレーだし。これ。
セイバーさん
その異端と偽りの儀式のど真ん中セイバーさん。逮捕された後にテレビの生中継で大演説そのまま連行という全サーヴァント未踏の領域をあっさりとやってのける。そこにしびれるあこがれる!
飄々としたライトな性格で、その能力もサーヴァントとしてまた異端っぽいところが期待値をさらに上げていきます。
奇しくもマスターとなってしまった(本人は認めてない)アヤカはどうなっていくのか…見え隠れするアインツベルンの影、ロリババァの陰謀、他のマスターたちはどう動いていくのかなど、まだ目が離せないです。
人の身をもって英霊を打ち倒す意気込むオーランド警察署長には是非、人類代表としてがんばってほしいところもある。キャスターとのペアで人間が前に出るのって結構王道なのかしらね…
そして加速するエルメロイ二世の心労。フラットくんとバーサーカー(紳士)も随分なダークホースに思える。腕は超一流みたいだから普通ならド本命なんだろうけど…何をやらかすかわからない感じがずっと楽しい。
もうあれだよ、どうするのこれ