この表紙、ふわふわっとした冒険ファンタジーだと思うじゃん?
発見された巨大な縦穴
今から約1900年前。南海ベオルスカの孤島に発見された巨大な縦穴。
謎の力場と独自の生態系をもち、様々な遺跡も眠っているこの縦穴は「アビス」と呼ばれるようになった。
(「メイドインアビス」1巻より)
この縦穴の底には地球上の生態系から外れた生物たちが生息し、だいたい容赦なく探窟に入る人間達に襲いかかってきたりします。
謎の大穴、未知の世界、探窟に向かうものたち…わくわくしてきますよね。
主人公のリコはそのアビスの探窟に向かう「探窟家」、そのトップである「白笛」を目指していて、未だ深い階層には潜らせてもらえていなかったのだけど、今回の探窟で成果を出せたら次は考えてやる、と言われて張り切っていたところ
(「メイドインアビス」1巻より)
嫌な予感しかしない。
ちょ…こんなぬめっとした生物聞いてないですよ…?
…アビスの中の生物はだいたい結構なんというか…得体の知れなさが半端なくて…
個人的な感想としては、深海に似ているのかもしれない。
ここでいろいろあって、後に一緒に奈落の底を目指していくことになる、レグというロボットの少年と出会うことになります。
奈落の底を目指す少年と少女
レグは記憶を失っているけれど、どうやら「奈落の底」に関係があるよう。リコもお母さん(高名な探窟家で、アビス第七層から戻ってきていない)からの手紙を受け取り、一緒に奈落の底を目指す決意をし、勝手に降りていきます。
おおー冒険らしくなってきたなあ…と思って、浅い層のうちは(それでもエグいが)まだ平和な景色が見れて、アビスの冒険を楽しめていました。
…こう、何か不穏な空気は流れていても、まだ人間(意思の疎通ができるもの)が多くて救われていた…
オーゼンという、リコの母と一緒に潜っていた白笛とも出会い(これがまた得体の知れない奴なのだけれど。白笛ってみんなこうなのか…)死ぬほど脅される。
そして回想のライザさん(リコの母)のまぶしさが輝いていすぎる…これはオーゼンも惚れる。リコの出生の秘密とかもなかなか意味深な地雷な気はするし、いろいろ謎を残しつつもさらに下層に降りていきます。
アビスが本性を現していくのがここからでもある…
アビスの「呪い」
アビスには7つの層と「極点」と呼ばれる最下層があり、それぞれ上の階に行くときに「アビスの呪い」という上昇負荷が掛かります。
一層くらいだと軽いめまいと吐き気程度で済むが、六層までいくと「人間性の喪失、もしくは死」。
四層で出会ったナナチとミーティは、その「人間性の喪失」の呪いを受けた過去があり、
(「メイドインアビス」3巻より)
このケモ力高い姿に…
まだかわいらしい姿形のデザインなのであまり悲壮感なかったのですが、どうしてこうなったのか、という白笛ボンドルドの所行を聞くと、本当に救われなくてやばい。
3巻は主にこの二人の話なのですが…やっぱりボンドルドの邪悪さがにじみでてくるのがまたすごいやばいですね…
続く4巻でもその悪魔の所行。本当にここでは狂気じみた奴らしか生き残れないのか…
4巻のこの表紙もさ、プルシュカ(中央の娘。ボンドルドの娘)とナナチの仲よさそうで微笑ましい感じが、それぞれの境遇を知ってからだとなんともいえない感じになるんですよこれが…
プルシュカはプルシュカで、またなんというか…これ…
アビスもどんどんとその本領を発揮してきて、やばい生物がどんどん出てくる。
(「メイドインアビス」4巻より)
こういうのが原生してるのヤバすぎでしょう…
本来は六層の生物らしいのだけど…深く進むたびにそのヤバさが際立ってくる。
ただ、時折見せるアビスの景色が、ここに探窟に向かう理由、やまない魅力を伝えてくる気もする…
(「メイドインアビス」4巻より)
やっぱり未知に惹かれる冒険というのがすごく面白くて、かなり過酷な一面が容赦ないのですが、それゆえに綺麗なものがさらに綺麗に見えて、先を見たいという欲求を駆り立ててくる。
怖い物見たさというものもありますね…
ここから先はボンドルド卿のエピソードが続くのかというのもあり、あれほんとに救いがなさそうでつらそうな予感しかしないところあるんだけど…どうなるんだ…