人間をナイトメアと呼ばれる化け物に変異させる「胞子」が発生する世界で、それと戦う組織「GD」所属の少年イオトが、その変異解決の鍵になるかもしれない少女マイノラと出会い心を通わせていくボーイミーツガールストーリー。
ちょっと変身ヒーロー分も入ってる感じあります。
人が化け物になる世界と、ならなかったものたち
「胞子」に触れると人はナイトメアと呼ばれる化け物に段階を踏んで変異していき、最後には人を襲うようになる。そうなったら戻れない。しかし稀に、理性を持ったままナイトメアの力に適応する「アウトサイダー」と呼ばれるものが出てくる。
イオトや相棒のフェルなんかはこのアウトサイダーで、その力を使ってナイトメアを押さえ込んでいきます。アウトサイダーは迫害…とまではいかないけれども気味悪がられ避けられています。そういったところはマイノラの心理状態によく出ていてつらい。
全身を覆う変身とかイオトはだいぶヒーローっぽい感じのそれですね。もうちょっと何かありそうな感じも。
死にたがりの少年と病弱お嬢様
変身に加えて無限再生というチート級の能力(実際、作品内でも異常な能力っぽい)まであるイオトはだいぶ無茶で無茶が無茶を呼ぶような感じの無茶ですよ。そんな無茶を上に睨まれて謹慎、さらにマイノラお嬢様の護衛に回されるわけで、務まるのか務まらないのか。
一方マイノラはナイトメア治療の鍵となっているらしいけれども、当人はAHD(ナイトメアの胞子のそれ)に蝕まれてしまっているだけの女の子で、思うように動けなかったりもする。そのへんにもやっぱりいろいろあるんだけど、その二人がお互いにいろいろ抱えながら進んでいくのはやっぱり王道風味ありますね。すばらしい。
救いはあるのか
結構あれなんですよね、イオトは過去に縛られているようないじけているようなところがあり、マイノラはマイノラで人間不信気味であってみたいな。その二人が出会って、互いに影響を与え合って、変化してという、ストレートにこの二人の物語であるなあと思います。人が異形と化す世界で救いはあるのか。