つい浮かれて劇場先行BDなど買ってしまっています。
個人的にはすごく懐かしい…でも一番新しいガンダムです!
※ここから先はあまりネタバレに配慮していないため、気になるからは映画を鑑賞してからご覧ください!
さてこの「閃光のハサウェイ」、原作小説の奥付を見ると平成元年(1989年)。32年前の小説です…そんなにか…
舞台は「逆襲のシャア」から12年後のU.C0105。ブライトの息子ハサウェイ・ノアが主人公の物語です。
富野監督が執筆されている逆シャアの正当な続編…とも言えますが、逆シャア自体が小説版とアニメ版で展開が異なっており、小説版ハサウェイは小説版逆シャアから続いているのでアニメとはまた違うややこしい状況になってます。(そのあたりは考え始めると気になるけど映画はあまり気にしなくても大丈夫!)
それでずっと小説だけの展開で、私個人としては外伝みたいな扱いだと思っていたのですが…2021年に劇場映画化されるとは、何がどうなるかわからんですね…
また執筆された当時では閃ハサが逆シャアから一番近い位置にある続編…実はガンダムUCより後の時代なんですよこれ。(NT-Dがすごすぎてあいつが最後のガンダムに見えて仕方ないがユニコーンは0096なんだ。そしてF91はもっと後だよ)
そんな古い時代の小説…もう私も、読んだことあるけどラストとネタバレとΞ(クスィー)ガンダムがすごいことしか覚えてないみたいなひどい状態の…最新映像での劇場公開、楽しみに見に行ったのですが最高にかっこよかったです!
最初の事件となるハイジャックで、ハードな世界観からケネスのちゃらいけど軍人として真面目で優秀そうなところとかギギの自由なのにカンが鋭く不思議じみたところとかハサウェイがクェスをひきずってるところとか全部表現されてて。がぼちゃ頭のテロリストも無慈悲な恐怖を撒いてて良い。
小説(読み返した)だと謎の青年風に描かれていたハサウェイですが映像化されると「あっあの短髪だ!」ってすぐわかりますね。
またギギ・アンダルシアが可愛い。美人と美少女の間みたいな様相に不思議ちゃんで自由奔放な言動、でもってカンが鋭く的を射る。宇宙世紀ガンダムのヒロインだ…市街戦までのひとときも彼女、ハサウェイを手玉に取ろうとしてるところが微笑ましいですよ。どうして転がらないんだハサウェイ。朴念仁すぎないか…いやでも、立場とか過去のこととか思うとまあそりゃって感じもするけど…
ギギとハサウェイはなんかつかず離れずみたいな感じでもあり、ギギのほうは積極的なんだけどハサウェイ側が意図してドライに接しているようなところもあってなかなか難しい距離感に思える。でも彼女の言動にクェスを重ねてみてるところは間違いないだろうし…市街戦が一段落した後、「大佐ぁ!」ってケネスに駆け寄る彼女を見るハサウェイの顔はたぶん本劇場版イチ忘れられない顔。ケネスの階級が大佐なのもいけない…クェスのことは絶対引きずるよね…(小説だとクェスの名前がちょいちょい出てくるからわかりやすいのだけど、モノローグとかなしでそれを感じさせるのすごいと思う)
もしかしたらシャアがララァをずっと引きずってたようにハサウェイもクェスから逃れられないから、思想として共感してしまったのかもしれんなあとすら。想い続けてるって感じじゃないし、なんだろうねあれ。つらいね。
そんなところもガンダムらしいが…ガンダムといえばMS戦。今作で見どころは大きく2つ、市街戦とΞガンダム出撃編。どちらも超格好いいです。最高です。
市街戦は視点がハサウェイたち(=被災している人間視点)で進むのがとても良い。自作自演なんだよなぁって思いながら見るのも良い。崩れ落ちる瓦礫とか飛び火する炎のかたまりとか、MS同士の戦闘よりも災害としてひどくおそろしい様子が描かれていました。普通のMS戦だとパイロットメインの視点が印象強いけど、一般人から見たら巨大平気が衝突してるのって怪獣大戦争みたいなものだなとか雑な感想持ったりもした。
Ξガンダム出撃もまた一波乱。もともとの受け取り方法も結構無茶だってのにペーネロペー来襲。Ξガンダムの巨大な機体を受け取るときの緊張感もガンダム起動シークエンスもすべてかっこいい。VSペーネロペーも重量級VS重量級ですよ。1/144のHGUCでこのお値段ですからね。ZZガンダムの3倍くらいはあるよ(プラモの値段でスケールを測るな) (実際ZZガンダムが全高21.11m、Ξガンダムが全高28.0mだから1.5倍いかないくらいかな。それでもでかい)
正直Ξガンダムがこんな大きいイメージとかなくて(基本ガンダム系は小柄ってイメージもあって)ペーネロペーと切り結んでるときに「あっこいつも同じくらいでかい」って気付けるアニメは偉大だなと思いました。スペック(Wikipedia)見てると「反重力推進装置ミノフスキー・クラフト(ミノフスキーエンジン)を搭載したことにより擬似反重力推進が可能」「サイコミュを利用した高度な脳波操縦システム」「大出力メガ粒子砲やファンネル・ミサイルなどの強力な火器を有する」もはやMAの域。単独で重力圏を飛行できるのはΞガンダムだけ! ペーネロペーもスペック(Wikipedia)負けてないですけれどね。ファンネルミサイルとメガ粒子砲標準装備。なんだこのMA。単独飛行はできないけどオデュッセウスガンダムwithフライトユニットって解釈すると個人的にこっちのほうが好みかもしれないところまであります。良いよね変形合体。絶対良い。
本作では原作小説で言うところのちょうど上巻まで、ガンダム出撃で終わってしまったのですがここまで丁寧に迫力ある映像化されててすごい面白かったです。はやく続きが見たい…でも上中下ある原作を無理に1作にまとめず時間取ったのは後から見ればきっとよかったんだよな…この記事書くために上巻を読み返してたりしているのですがこのまま中下巻まで見てしまうのか楽しみにとっておくのか迷っています。現代風にアレンジ加わってるけど基本は丁寧な映像化なので、続きを知ってしまう(思い出してしまう)のももったいないような、でも印象がぜんぜん違うとも言えるから気にしなくても平気ともいえるような。贅沢な悩みかもしれません。(余談なんですが原作小説だとフロッピーって単語出てきたりして時代をめちゃくちゃ感じる。あのサイズでやりとりしてるのかUC0105年って感じする。容量だけバカでかくなってたりするんかな。1.44MBじゃ無理だと思うし)
参考リンク
- 公式サイト
- 映画.com
- 冒頭15分53秒+オープニング公開
劇場版の冒頭15分程度、最初の事件が解決するまで。もしかしたら一番ショッキングなところかもしれない。
ここまででも映像のすごさは十分伝わると思うので、興味のある方はぜひ見てもらえれば。(でも初見は全部劇場で見たい方はそのまま劇場へ)
小説とコミカライズも出ていました。新装版は電子書籍無いみたいですね。
電子版は表紙が昔のものみたい。
なんかΞガンダムもペーネロペーも値段が合わないな…と思ったらすこしプレミア付いてるみたいですね。その点お気をつけを。(定価はバンダイのサイトを参考にしてもらえれば)
閃光のハサウェイからしたら前日譚ともいえる逆シャア。「シャアの反乱」と呼ばれている事件です。フラッシュバックしているものがここに。。
小説版ハサウェイは小説版逆シャアからの続きだから興味あれば小説のほうも見てみるといいのかも。パラレルワールド的解釈をしてもらえればいいのかな。「小説版のコミカライズ」も出ているのでよければこちらも。