疎まれ伯爵令嬢リネアが伯父からプレゼントされた聖花菓子(聖花を用いて作る特別な菓子)を口にしたところ、指定した他人の声が自分に届かなくなったり接触できなくなる現実のブロック能力が。何それ最強じゃん…さらに聖花菓子の縁で理解ある公爵と繋がり運命も前向きになっていく2巻。うざい話し声を無視するのも有用だけど、接近不可が最強の部類だと思うんですよね。人物だけじゃなく液体なども指定できるっぽいからたぶん認識すればなんでもいけるだろうし。範囲指定も細かくできそうだし。
ブロックスキルを「呪い」ってことにして実家と距離をおき、穏やかな生活を目指すすのですが、でもまだ道は遠そうですね…悪役令嬢エスケープものだと早々に婚約者とヒロイン(?)からはフェードアウトして悠々と能力発揮し始めることが多いのかなと思うのですが、本作はいろんな経緯がじっくり描かれてる感じがあります。またどこか知らないところでリスタートともせず、今の状況に向き合う姿勢があるのも、タイトルの印象とはちょっと違うかもしれないですね。そもそもリネアは性格も普通で、当人がなにか悪いことをしてるわけでもないからね…もしかしたら悪役令嬢に仕立て上げられる令嬢の逆転劇なのかもしれません。
聖花で得られた(?)予知夢もたぶん悪役令嬢の末路だなあ…って感じしかしないし、なにかの物語をなぞっているような雰囲気は漂わせているからやっぱり例のアレなのかもしれませんけれどまだはっきりとはしないし。もうちょっとだけ続く結末はタイトル通り穏やかなものだといいなあと思います。