振られていたSF設定を回収しつつ明かされる衝撃の展開!
バハイラム王国での大異変
「竜の巣」という重要施設があるバハイラム王国の第三王都が突如異変に見舞われ、そのただ中に取り残されるミュセルの母、ファルメル・フォグロン。
「先見」(所謂預言、予知能力)の力がある彼女の言で、カノウシンイチを連れてくるためにエルダント帝国に向かうアマテナとクラーラ。
そして「竜の巣」でシンイチたちが見たものはーーという、ストーリー成分多めでお届けされている感じの今巻です。
ラストに向けてということもあり、色々と謎だったものの理由が繋がったりもしますね。
シンイチ…
そしてずっと悩んでいるシンイチ…お前…
まあ…そりゃあそのファンタジーすぎる異世界美少女の誰が一番かなんて選べないというのは…否定できないが…
でも、これはラブコメ成分側の根幹に関わってきているところでもあるし、文体が基本的にシンイチの一人称だから余計そう感じるところあるのかもしれないけど、結局シンイチは誰のことが好きなのか、というのがよくわからないところもある感じがするのですよね。
それぞれに好意を持っているのはわかるんだけど、なんていうか選ばなきゃいけないと言われているから選ばなきゃってなっている感じが強いというか。
なんかこうなると誰を選んでも幸せになれないとか、消去法で選択肢が消えていくみたいな展開になったりとか(ペトラルカはある意味その筆頭ですね。恋愛までならともかく皇帝と縁談はハードル高いでしょという)、そういうちょっともにょもにょした感じにもなりそうで。
ただそもそも、「誰か一人を選ぶ」みたいなのはキリスト教的一夫一妻の理念的な話でもあるので、ここ異世界だから関係ねーやっていうのはファンタジー的には解答として正解なのかもしれないなあと思ったりもするところがあったり。
まあそれでも、「誰が一番か」は宣言しないといけないでしょうね。爆発しろ。
雲行きが怪しくなる日本国との関係、そして
またそれとは別に、日本国から知らせを持ってきた的場さんが何を伝えようとしていたのか、はとても気になりますね。
今回の「竜の巣」で明らかになった秘密とおそらく関係があることなんだろうかなとも思いつつ。
「秘密」というか、正確には別に秘匿されていたというわけではないのですが、結構ありがちなようでよく考えるとここまでダイレクトなのは見たことなかったかな…? という一ひねり。
おおーって思いつつも、冷静に考えるとこれはどういうパラドクスで結論づけるんだ…? みたいなふうに思えるところもありいろんな意味で次巻以降が楽しみです。
いやほんとにどうするんだろうこれ…