アンダーワールド大戦の「その後」になるムーン・クレイドル編。上下巻構成でして19巻の感想書いてなかったので20巻とまとめて書いていきます。
見習い騎士二人もう主役交代しそうな勢いでDEBANあるよね。良い。
※ここから先にはシリーズについてのネタバレがあります。続き物なのでご容赦下さい。
「大戦」後も続く世界の19巻
アンダーワールド大戦も決着を迎え、その後もなんかすごいごたごたがあったようですがそのあたりはさらっと省略されて一応は平和を取り戻している世界。
省略されっぷりがすごいと思いましたがこれ、全部書いてるとまた数冊以上掛かるボリュームなのでしょうね…
またシリーズ追ってきた方だと18巻のラストからが気になるところだと思いますが、ムーン・クレイドル編はむしろ最初のほうでした。
ただアリシゼーション編同様、いや外部からの手出しが全く出来ないから余計にですが、完全にシステムの中にある世界が舞台となっているのでもう、VRものより異世界ものに近い感じになっているところもあります。
この世界がゲームだと知っているのがキリトとアスナだけだものな…まあ二人とも、割と自由にやっているようでほほえましいですが。金属製ドラゴン飛ばしたりタワーをくいっと曲げてみたり。自由。
そんな平和に運営されている世界で発生する、謎の殺人事件。容疑者とされる山ゴブリン。相互の理解と交流を進めているダーク・テリトリーとの関係悪化を狙っているかのような事件で、さらにそもそも(禁忌目録があるため)殺されるはずがないのに殺されている、かなりキナくさい話。不可能な殺人事件の構図がちょっと圏内事件を思い出したりしますが、より厄介そうな感じです。
この事件の謎を追うためにダーク・テリトリーに向かう必要があるとのことで始まるキリトくんとロニエの二人旅。またこの…
ロニエもティーゼも大戦の戦果で整合騎士見習いに昇格はすれど、傍付きのころから変わらない気持ちには決着がついていなくて、「ムーン・クレイドル編」ではそのあたりもクローズアップされている感じがあります。しかしティーゼのほうに動きがあったことがちょっと意外でした。しかし人生が続いていくなら当然どこかで、ってことではありますよね。二人とも18巻ラストのそれに繋がる未来はあるのだけど。
事件の謎から思わぬ陰謀に、見習二人と幼竜二匹が活躍する20巻
より難解になった事件を解き明かす完結編。
わりと現地の人目線が多めだったからか、むしろVRゲーム設定に違和感を感じるようなところすらありました。その世界で生きているとやっぱり「そういうもの」ってむしろ自然に思うんでしょうね。
そういう意味ではキリトとアスナ(そして読者目線)のほうが異端でもあり、現代知識で異世界文化を変えていくみたいな要素も入りつつあるのかもしれない。
そして見習い二人と幼竜二匹のDEBANもある。うん。だいぶ話の中心といいますか、「冒険する」役回りになっているのかなって思います。
ポジション的にも実は主人公(見習い)って感じかなと思うのですよねロニエとティーゼ。キリトさんは今や人界トップだしアスナさんは神だし。この二人がすごい立場になって何かが大きく変わってるわけではないですが(むしろ自然にいちゃいちゃしている。アスナの嫁力の高さは変わらない。なんだこの…)、物語としてフォーカスが当てやすくなるのは見習い二人のほうになっていくのかなって思います。これまでも地味に活躍していますし。
今回もこの二人の活躍もあり、事件はだいぶ意外な結末を迎えてもしかしてこのままアンダーワールド新章なのかと…思ったら後書き。
いや後書きどおりなら何冊あっても足りないわみたいなことになるのは想像に難くないですが…しかしせめてティーゼもロニエも結局どうなるのかだけはどこかで…