そして割と容赦なかった。
以前から気になっていたところに、どうも5月26日まではBOOK☆WALKERで1巻無料ということなので読んでみました。
Kindleでもそうみたい。
有能であり怠け者である士官候補生のイクタくん
(「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」1巻より)
実にプログラマ向きの性格である。
まあアレですね、ファンタジーとか現実とかで遭遇するとこれはどうかと思う奴ですね。
しかも舞台となっているカトヴァーナ帝国は隣国と戦争の真っ最中。戦時中の中世でこの発想は下手すると処分される。
でもこれが頭の回転が速く口も回る有能っぷり。そこに目を付けたヤトリシノが、高等士官の試験を手伝ってくれたら将来のコネを約束するという取引をもちかけそれを承諾。ここから数奇な運命とサバイバルが始まり、彼もますます働く羽目になります。主人公は働かざるをえないのだ…
精霊たちのいる世界、ではあるけど
この世界観的には中世ファンタジーなのですが、その中にいる「精霊」の存在が、「ちょっと便利な能力をもっている、自律している道具」のような立ち位置で、「実に人間に都合のよい」と言及されていたりもするほど。
劇中でも意思をもってイクタたちと会話しているふうではありますが、ファンタジー精霊tというより妖精さんとかこびとさんとかという感じかなあ。
そんな精霊達はバトルとかでメインを張って派手に暴れたりはしないようなので、やはり基本的には人と人の争いになります。
戦争状態の敵国にて
そういうわけで主人公補正により事故に巻き込まれるイクタくんたち。流れ着いたのは敵国の領土、しかも要人を抱えた状態でどうするのかこれ…という試練の時。
メンバーのうちヤトリシノやトルウェイ、マシューなんかは貴族の出であり、さらにのっぴきならない方も居たりして迂闊に捕虜にはなれない (そもそも士官候補生であることが割れたら簡単に帰らせてはもらえないだろう)。
また戦争状態であるから仕方ないといえば仕方ないところあるんだけど、わりかし思い切りがよすぎるというかキオカ共和国側が呑気であるというべきなのか、シビアに判断に困るところもありましたね…
これも状況的に良いのか悪いのか、また読み進めるウチに結果として返ってくるんだろうけど。
戦記ものらしくわりかし淡々と話が進むところもあって、この状況をどう切り抜けていくのか…というところに焦点が定まっている感じが強かったです。イクタくんこの時点でもうだいぶ活躍してんだけどな。この淡々としているところもまたプログラマ向きだ。たぶん。