終戦後の東京を舞台にして、元退魔機関だった美青年と戦場帰りの大男が紙芝居屋を仮の姿にして不思議事件を解決するというレトロでオカルトな感じがたまらないシリーズ。
今月から新創刊されるレーベル「ノベルゼロ」創刊ラインナップの一冊です。
また本書は伊藤ヒロ、峰守ひろかずの二人が著者となっている短編連作で、襟之井刀次エピソード(美青年のほう)は伊藤ヒロ氏が、茶楽呆吉郎エピソード(大男のほう)は峰守ひろかず氏が書かれています。一方のエピソードにもう一方の人物は普通に出てきます(というかコンビ組んでますから)が、視点が違うと雰囲気も違って見えて面白いですね。
このあたりはシェアードワールド的な広がりの可能性あります。題材も「昭和のオカルトと有名事件の隠れたエピソード」なのですごく可能性ある。
そう、この作品の特徴は、「解決したオカルト事件の記憶は人々から消されるが、あの作品/人物に影響があったかもしれない」みたいな無かったことにされる昭和偽史。熱い。
具体的に挙げてしまうとネタバレになってしまうので控えますけど、有名どころの事件/作品が「実はこうだった!」みたいなふうになっているのは大変面白いです。
「これはアレか? アレなのか??」みたいなふうに読み進めるようにもなる。
そういう面でのストライクゾーンは私よりもひとつふたつ上の世代、今40~50代くらいの方々になるかもしれない?
といっても有名なそればかりなのでなんとなく知っている、懐かしのテレビアニメ特番で見たくらいのそれではあります。
まあ最初のカラー絵見たら察するレベルではあるので、つまりそういうことだと思っていただければ。てきーにわたすなだいじなリモコン♪
そうするとほらアレなんだよね、片目が髪に隠れた妖怪退治をする男とか主人公そのものがもしやみたいな。依頼がポストに投函する方式だったら確定してた。
呆吉郎のほうも何かそういうモチーフあるんだろうかなあ。ちょっと不勉強で思いつかない。