現世で不幸な人生を終えた主人公が異世界星間国家の伯爵領主リアムに転生し、そのまま領地を受け継ぎ発展させていく無双領地経営第1巻。本人は悪徳貴族を目指しているつもりだけど…「まず発展させんと話にならん!」と領地経営に力を入れたり、前世のトラウマから汚職役人を容赦できなかったり…剣術の修行とかみてても多分、根が真面目なんだよなリアム。(だから前世であんな終わり方をするともいえる…そう簡単に人は変わらんな)
ただスタートからいきなり領地を受け継いだりするのは何か異世界補正がかかっているのかと思ったら、両親がドクズなだけとか不幸の種はあちこちにありそうで、一筋縄でいかない無双領地経営になりそう。そもそも主人公をこの世界に転生された「案内人」が、人の不幸を糧にする(文字通りエネルギーに変えているよう)ため、希望を見せつつ幸福を搾取する詐欺師のようなものだから。リアムの状況は必然ではある。でも、それも無自覚無双で打ち破っていくような活躍で「案内人」の思ったとおりには進んでおらず、想定外の事態に「案内人」がどう出るのかが今後のポイントになるのかもしれないですね。「案内人」がどこまで世界に鑑賞できるかで今後が決まってくるかもしれない。人の意志を操るところまでできそうな描写があるから、かなり広範囲に影響を出せるのかもなと思うと強力ですね…
優秀なサポートAIロボット「天城」が何かの罠なのか…とも思ったけど普通に優秀なだけで、逆に頼り切りになったら最後人間いらんくなるわとすら思えるレベル。歴史上、AIに支配されていた過去があるのも納得できる。ロボットらしく最適解を出そうとしているから、下手するとこの領地で過去の戦争の再現になるか、またはAIを活用しすぎて勢力を広げ、帝国にとっての「悪」になる可能性まであるんじゃないかと思えてきます…「悪徳領主」ってもしやそういう意味か。と勝手に考えたりする続きが興味深い作品です。