乙女ゲーのヒロインに転生したレイ=テイラーが悪役令嬢クレア様大好きでいろいろ破綻しているようなしてないような感じのラブコメ…? バトル系の乙女ゲーだったらしく割とガチ目の魔法勝負から始まる今巻。女性向けではあまり見ないなと思ったのだけど そもそも百合姫は女性向けではなかったな…乙女ゲーヒロインに転生したのも元女の子なんだけど百合姫だからそういう素養がある(むしろ自覚しているのを前巻でバラしてる)んだよね。クレア様はそうではなさそうだけどだんだんほだされてる感じはある。攻略対象の王子様たちはそのまま攻略対象のようだからおかしいのはヒロインのほうなんだよな。だがそれがいい
ただ物語のストーリーは通常運転で、今巻も学園騎士団(風紀委員みたいなもの?)への入団試験の魔法勝負や夜中の幽霊騒ぎ、創立祭での男女逆転喫茶などイベント盛りだくさんの…最後? もともとのゲームもおかしかった可能性あるな…今どきだとゲームとしてはよくあるのかもしれないけど…
さておきイベントも盛りだくさんで、クレア様のちょろかわいさがよく発揮されていてもうただのちょろかわ令嬢になっていますが、それもまた…むしろレイのほうが、、少しミステリアスな行動を取るようなことがあって何を抱えているか読めないところもありますね。妙な諦念を感じるときもあるし。この作品、完全にレイ(ヒロイン)視点でもなくて、意識的にはクレア様視点に近いかもって思うときもあったり。一番行動が読めないのがレイだったりします。
乙女ゲーのシナリオとして未来が見えているんだろうけど、「どこまで見えてて、そのために何をしよう」っところが結構伏せられている感じがします。乙女ゲー転生作品にある「このままだとこうなっちゃうから動きます!」って説明と宣言がなくて結果だけ見えてる、ある意味現地の人たち目線みたいな気分。そこもまた気を引くところなのですけどね。
最後、不穏な感じで終わったりあとがきにもそれが触れらてたりしてて、次巻が荒れそうなのかなとも思ったりしますが、レイにはどこまで見えてるんだろう。