平穏に前世を終えて大貴族の赤ん坊に転生、家族との関係も回復した矢先に攫われて結界の外に連れ出されてしまい…と1歳ちょっとで波乱万丈の人生になってしまったリアことリーリア。身体能力は幼児だけど中身は大人…傍から見たらよちよちしながらとんでもないことをする幼児って感じでしょうけれど、ほほえましいから許されている感じはあります。仕方ない…
前巻は残されたリアの家族の動向についての回も結構ありましたが、今巻はリアのトレントフォースでの暮らしぶりがメインになりますね。親切な冒険者パーティに拾われて、拠点としている街についてから、彼らの一員として日常を送る回。
ただここで「冒険に出ていないときの冒険者」を描いているのはちょっと珍しいかもしれないですね。「冒険者もいずれ引退する」ってことをちゃんと受け止めて、冒険の傍ら街で何らかの仕事をしていて、引退したらその職に就くみたいな人生設計。そうしなきゃいけないってわけでもなさそうだけど、大多数の人が歩む道としては納得感あるかなあって感じしました。こういうところがフォローされていると世界観としても好きですね。
そんな日常回で終わっていけばよかったんですが、ずっとちょいちょい出てきているレミントンの使いとか、トレントフォースが所属している国の王都側の動きとか、こういろいろまたきな臭くなってきて。中身が大人といっても切り抜けられるんだろうか…って思えるくらい。バートの冒険者パーティで数年くらい平和に暮らす感じになるのかなあとも思いましたけど、そういうことにもならなさそうですね…
しかし魔力の常識外の使い方にとっかかりを見つけたり、貴族の使者を疑って退けたり、中身が転生者とはいえこれでまだリアは1歳…いや、普通の1歳児ってどんなんだっけ…歩いてしゃべって意志を示すくらいはした…?