社員旅行の事故で異世界に転生したアリヒトが、チート支援能力とリーダーシップとマネジメントを武器に迷宮に挑むファンタジー。

(「世界最強の後衛」より)
29歳のアリヒトがそのままスーツで転生して活躍していく感じで、少年少女主人公とはまた違った趣があります。

(「世界最強の後衛」より)
わかるー
「地球で死んだ人間が迷宮攻略のために集められて転生されている」世界で、転生者は珍しくなく、それぞれが職業について迷宮攻略のお仕事をしていく感じです。レベルなどで能力も可視化されていたり行動記録が全部記録されていたりと、ある意味ギルドの管理社会とも言えますが、ミッションではなく「貢献度」と呼ばれる数値で成果が測られてランクが決まったり成果に応じた報酬が得られたり、割とフェアな裁量があってむしろ良いかもしれない。

(「世界最強の後衛」より)
それはそれとして「後衛のつもりが謎の職業」になるお約束もあり、メンバーが集まるまでは前途多難な船出です。

(「世界最強の後衛」より)
同じタイミングで転生した五十嵐課長が最初からよりかわいくみえるのも漫画版の良さ。この後も亜人のテレジアをはじめ色々なメンバー(女子)がパーティにジョインしていくいつもの流れになりますがまだマンガではそこまで行ってない。だがむしろ1巻は五十嵐課長編ともいえます。登場からメンバーに誘うところまで味付けの演出が見事だと思いました。
こちらは原作も読んでみてその後の流れもそこそこ知っていますが、完全ハーレムパーティーで好感度マックスなのにアリヒトが鈍いいつもの流れ…いつもの流れなのですが接し方がリーダーとメンバーまたはビジネスパートナーみたいな感じで逆に手を出さないことに納得するところまである。
人数が増えて煩雑になる戦闘のコントロールをしていったり、パーティーメンバーのスキル獲得の相談に乗り成長方針をマネジメントしていったりと冒険ファンタジーより完全に仕事してるやんって思うところが「後衛」の醍醐味でもあって面白いですね。文字だから細かい数字とかも入っていてよりビジネスぽい感じがあるかもしれません。
しかしそうは言ってもハイクラスのスキルと機転を利かせてピンチを切り抜けていき、成果を上げて迷宮の秘密に迫っていくわくわく感はたまらないです。仕事だが冒険はしている。しかし毎度のように格上の強敵に当たるのは幸運なのか不運なのかわからぬ。
あと五十嵐課長がジョインするまで本当にただの鬼上司なんですがマンガ版ででは上手くフォローしてるなと思います。あとがきにて「五十嵐さん問題」と呼ばれるほどの非道っぷりが単行本ではマイルドに、マンガ版ではさらに丸められてツンデレにしか見えないのはきっとみんなが頑張った結果なんだと思いました。良い。

(「世界最強の後衛」より)