プルシュカを巡り衝突するリコたちと黎明卿ボンドルド…今までよりバトル分が多めの巻でした。
VS黎明卿、死力を尽くした全力バトル
数多の危機をくぐり抜け、リコとレグが謎の大穴「アビス」の底に潜っていく物語である本作ですが、黎明卿の話は珍しく対人、それも「白笛」持ちの探窟家との戦いとなっています。
言動は正常だが狂ってるとしか思えないボンドルドと最大解放されたレグが衝突して、息つく暇もないスピーディな展開が繰り広げられる。
それに加えて前巻のあの嫌な予感しかしないラストからの、人の業があふれだす展開は一コマ一コマが印象的で、さらにすべてが流れて繋がっていて、最初から最後まで読みこんでしまうものです。
どうなっていくかはほんと、ほんとにね…
いつもの妙にグロカワグロい謎の生物とかはなりを潜めて、ボンドルドとプルシュカに話が絞られているから今までとちょっと雰囲気は違うかもしれないけど、やはり深く広がる闇とエグさはそのままっていうかむしろ増してくるのがまたつらい。
「カートリッジ」の秘密
業が深すぎるでしょ…
「呪い避け」のカートリッジ、なんていうかこれ、やばい…
だいぶどん引く代物であることに違いないけど、何よりやばいのは、道具として加工されてしまった後の「カートリッジ」は、もうただの道具にしか見えなくて、それがまた静かにおぞましさを醸し出しています。
メイニャの鳴き声が哀しい。
ボンドルドの業は深すぎるし思わず天を仰ぎたくなるような気分にさせられるけど、それでも読後には次に向かって進んでいく力強さも感じるのが、ただエグいだけじゃないこの作品の魅力かもしれないです。
「レグ」の謎がさらに
そしてこれまでも謎の存在ではあったレグくんが大活躍するとともに、その存在そのものについての謎が深まります。
ほんとにこの子は何者なのか。メイドインアビス的にはおそろしい未来が待っていそうで怖いところでもあるんですが、
(「メイドインアビス」5巻より)
レグ「度し難い…(震え声」
強く生きようレグくん。
でも巻末の(紙本だとカバー裏の)それを見てるとレグくん度し難いほどのケモナーなのでなんていうかまあ。平和。
アニメ化も発表されて(マジで放映できるのかが)大変気になる作品ですが監督の「描いてある事は全部やるよ」という最高の発言に期待したいと思っています。
そしてそれに対する原作者つくしあきひと先生の「険しきを冒すとはこのことか…」という反応が全てを物語る。
(2017/07/08追記)
アニメ配信始まってました…