実在するゲームを扱ったゲーマーラノベ最終巻。
それぞれの進路を意識し始めたその先は…という内容でもあったんですが最終巻の感想がこれでいいかは分からなくなってくるほどに輝いている≪宵闇の魔術師≫。
卒業を控えるチームメンバたち
元女子校だった伊豆野宮学園に試験的に転入して、「現代遊戯部」というコンピュータゲームをやりこむ部に入った岸嶺くんのゲーム活動日記もこれで最終巻。
もともと3年生で転入して、メンバーもほぼ3年で変わらなかったから予定調和といえばそうなのですが…
ただあんまり深刻な感じじゃなくて、普通に卒業って感じなのが普通っぽくてこの作品らしい。
≪宵闇の魔術師≫さんの哀しみ
それはそれとして進路って話になってから闇があふれている社会人プロゲーマー(志望)の権田原≪宵闇の魔術師≫さん…
「ゲームに関わる仕事としてどういうものがあるのか」講座はある意味参考になるというか参考になりすぎるというか…プロゲーマーはともかくまとめサイトとアフィにまで言及してるラノベはなかなかないでしょ…
(個人的にはまとめサイトでアフィリエイトとか、今絶賛話題のキュレーションとかそのものは悪いとは思いませんけれど。クソみたいなやり方さえしなければ)
いや…うん…社会人、大変だよなあ…
社会人ゲーマーということでよく登場していた≪宵闇の魔術師≫さんですが今回は特にアツさがあってもう主人公かという勢い。いろんな意味でマジかよ…という気持ちですが、ある意味納得なところもあるしやはり強い…
しかし「鈴木みそのマンガが拡散しすぎてて専門学校のイメージ悪くなりすぎ問題」っていうのはまだ解消されないんでしょうかね…あのマンガ(オールナイトライブ)、もう十年以上は前の取材だろうに…業が深い…
ニューヨーク市民こわい
そしてメインのゲームの話。今回も実在するゲームのプレイ風景がアツく描かれています。
ゲームは3本あり「League of Legends」「ディビジョン」そしてもう一本はシークレット。
ゲーム自体はよく知らなくても、実況というか解説に近いノリもあってわかりやすく面白いです。ニューヨーク市民こわい…(「ディビジョン」は荒廃したニューヨークを舞台に秩序を取り戻すTPS)
こういう実況を見てると、ゲームというのはちゃんと競技になってるんだなという感じがします。またそれでいて特殊なところはルールに普通に修正が入るところで、あとがきに「今は修正が入ってるから有効な戦法がまた変わってる」みたいな注意書きが入るあたりが、将棋のようにずっと変わらないルールで鎬を削っているとはまた違う面白さがあるかもしれないですね。
内容も実在するゲームに沿っていて、特別なチートや裏技じみたことは出てこないので、ますます本当のゲームをやっている感じがする。
シリーズ全体を通してはFPSやTPS、洋ゲーが多めで、「対戦」「勝負」をテーマにしてるから自然とそうなるところはあったかもしれない。そのあたりは個人的には全然なじみなかったんですが、最初に読んだときに丁度Vitaで出てたアンチャーテッドに手を出してみたりして楽しんでいましたね。ついでCoDとかもやってみてだめだったけど…やはり女子高生がいないと駄目だ…駄目なんだ…
実際のゲームをふんだんに使ったラノベシリーズで、もう知らないゲームが多いくらいでしたがそれぞれのゲームへの愛と楽しさががっつり伝わってくるシリーズでした。
というか女子校の皮を被ったガチゲーマーの日常みたいな感じなのでゲームの大会や勝負が面白そうだと思ったらおすすめです。表紙絵に釣られてもおすすめです。
- 出版社/メーカー: ユービーアイソフト
- 発売日: 2016/03/10
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