育っちゃうと強く厳しくなる美沙夜でも、育っちゃわないうちはTYPE-MOONの厳しさに晒される側だった…
※ここから先にはネタバレがあります。Fateシリーズはその話の展開、構成すべてに驚きと仕掛けが込められているようなもので、どうあっても感想というとネタバレになってしまうところがあるかもしれません。(おいしいところはなるべく残しておきたいとは思っていますが) 未読の方、ネタバレが気になる方はここで引き返し、迷わず本作を手に取ることおすすめします。
玲瓏館家の聖杯戦争・1991
今回は魔術の名門、玲瓏館家サイドから見た聖杯戦争前日譚。後のマスターとなる玲瓏館美沙夜がまだ幼い頃に遭遇したものたち、彼女とすれ違ってったものたち、そして1999年の「今」。
1999年ではパーフェクトに凛とした佇まいに成長し、ランサーを犬扱いするほどに素晴らしいお嬢様なのですがその8年前はまだまだ幼い。
王者の風格と才能を認められつつも、キャスターにものを教わったり父親の手伝いをしようとしたりするところは大変ほほえましいですね。
これがどうやったらあのドSオーラを…いや、意外とそのまま育ったらそうなるのか…?
素直な幼子から見えていたもの
沙条サイドからでは恋する乙女力高すぎてなんかすごいいきおいで押し切られた感じありましたけど。
玲瓏館サイドは結構真面目に、魔術師の聖杯戦争だった感じがします。
しかし全体から感じてた雰囲気はほのぼのというか…パパのおてつだい感が…
召喚されたインテリ風イケメンキャスターもまた魔術師で、英霊となるだけの知識と功績に感動して。
夜の森ではブロンドの騎士に守られて。
もしかしたらこの時間は、夢のようなものだったのかもしれないです。やはり少女漫画か…
それが悪夢に裏返るとき
まあ型月がそんな夢みる感じで終わるわけないんですけどね。
というかキャスター、あのキャスター、おまえーーーっ! と言わざるをえない。
守ってくれた騎士も、敬愛する父も、偉大なる魔術師も、黒く塗りつぶされていくこの感じ…
1999年へ続く物語でもあるし、これは既定路線でもあるのですが。
美沙夜本人としては直接把握してはいないだろう、というのがまだ救いなのかもしれないですけど、それでも状況を見るとこれは…っていう。厳しい…
改めて思うのは、1991年は本当に、沙条愛歌に蹂躙されてたんだなこれ…
それにしても…あのキャスターから漂う真性っぽさ…きっとインテリイケメンじゃなければ赦されていない…