エロゲー作るって、たいへんだなあ…
拾われる太陽
エリートサラリーマン街道をひた走っていた主人公の神田太陽は会社の汚職事件の濡れ衣を着せられてしまい、なんとか逃げ出したものの当てもなく行き倒れていた。それを拾ったのが株式会社エリコム社長の月島英理子。
その成り行きでエリコムを手伝うことになったが、その会社は太陽以外の全員が女の子。さらに作っていたのがガチのエロゲー。
……エロゲか!
ビックコミックスピリッツ連載とは思えないこの見知ったエロゲー感。
だがしかしそれできゃっきゃうふふとしたエロゲー開発ストーリーにはならなかった。しょっぱなからプロデューサー逃亡でばらばらのCGのみ残されているという有様をどう乗り切るか。
(「エロゲの太陽」1巻より)
太陽の放った起死回生の一手とは!
(「エロゲの太陽」1巻より)
※Google先生におこられそうなのでみせられません
その後も順調に、デバッグ地獄、ブラック企業、デスマーチと闇があふれ出していく。こわい…
(「エロゲの太陽」2巻より)
あふれる光と闇
それでも、エリコムの面々やクリエイターたちは夢のためにがんばっていって、あんまり報われない感じもありつつエロゲーを作っていく…人と人とのつながりが窮地を乗り切り、救われたり救われなかったりします。
英理子が目指した「楽しく仲間を大事にする会社」、何かを作って、それを仕事にしていく類の人であれば理想としてまぶしいのではないかと思います。
(「エロゲの太陽」1巻より)
現実である…
さらにこれが、後に行くと行くほどなあ…
実体験に基づくリアルストーリー?
実はこの作者の方々、元エロゲ会社の社長とスタッフとのことで、そのせいか途中途中の注釈がこれまた闇を…
ストーリーとしてはIT業界的にあるあるなところもあるし(それもどうかと思うがこの業界)、ソシャゲのあたりはうーん、って思うところもありますが。人によっては言いそうっちゃそうだし、システムパクって絵柄差し替えるような時代でもあったのかもしれないけど。
(「エロゲの太陽」4巻より)
ソシャゲ…と呼ばれるスマホのF2Pモデルのゲームの類も結局無料部分が面白く、アイデアが生きていなかったら生き残れなかったと思うし(それ自体が珍しかった時代は先行者利益だと思う)、F2Pも基本無料だから課金者が居なかったらそれこそ開発コスト=損失というすごいことになる場合もあったりしてなあって思うと。(パッケージは一応、モノは出ますから一定の回収は見込める)
この後に続いていく企画に関する展開はある意味正しい思想だと個人的には思うんですが、多分に作者の願望も入っていたのかなと思うと少し切なくなるところもある。
…いやソシャゲは別に本題じゃないんでいいんですけど。そういう闇がにじみでる…いやあんまり隠そうともしない楽しいエロゲー開発業界ものでした。
(「エロゲの太陽」4巻より)
あとがきにもいろいろあふれてる気がする。ほんとこれ…