時は1909年(明治42年)、探偵・碓氷玲人郎とイギリスから派遣された少女、元村アリサは「旋律」という能力の情報を探るためにフランス共和国内にある閉鎖都市バスティーユに潜入。
そこから内部のごたごたに巻き込まれつつも仇敵である外崎燈子を狙い撃つ感じです。
主人公の玲人郎は探偵業についているということだったので、閉鎖都市という名前と合わせてなんか事件解決の探偵ミステリを安直にも連想していたのですが目的のためにストーリーを動かしていく冒険ものなのかなという印象です。でも情報を足で集めているところとかは探偵っぽい。あとアリサの鹿撃ち帽も探偵っぽいかわいい。
そういうわけで明治探偵浪漫譚かと思いきや初手からフランスへ飛んでしまった本作、閉鎖都市内部で協力者に出会いつつも目的は一つ、外崎の首。
でも都市に潜入してしょっぱなからアレは正直詰んでだのではという感じなので大丈夫なの玲人郎…
アホの子かわいいアリサが居なかったら完全に詰んでたでしょう。というか常にアホの子扱いされてるけどもしかしたらだいぶ大物かもしれんよあの子。
でも普段はお菓子食べてるか寝てるだけの…妖怪食っちゃ寝…うっ頭が…
まあかわいいからいいんですけど。リリィ(この都市の権力者の一人)やエリー(この都市における権力者の一人)の挿絵もカラーですばらしいですね。挿絵カラーの威力高い。
しかしてこの都市の権力者というのが、その選定とかを聞くとなるべくしてなったというわけでもなくて大丈夫かこの都市と思ったりもしますけど、そのあたりは「旋律」があるから平気というスタンス。「旋律」は魔法みたいなものかなと漠然と受け止めていますが、やはり気に掛かるところも。
「旋律」については開示されている情報以上のことがこれから明かされていく(むしろその情報収集が一応の目的)のかなというところで、気に掛かることとかはむしろ伏線なのかもしれないなあと思っていたりします。
なんにせよまだ序盤、続刊を楽しみにしています。