覇権アニメ「シューヤ・マリオネット」の世界へ敵役スロウ・デニングとして転生していた主人公が、従者シャーロットと幸せな未来を勝ち取るための物語。構図としては悪役令嬢ものになるのかな。その体型と振る舞いから「豚公爵」と呼ばれて厄介者扱いされているスロウですが、ポテンシャルとバックグラウンドは主人公級なんですよ。
さて6巻は学園の迷宮で姫様たちと大トカゲ退治。シャーロットとスロウが出会った過去の回想も開示されます。たしかにこの頃のスロウからちょっと前のスロウを考えるとどうしてこうなってしまったのか…って気持ちになるのもわかる。(理由はあるのだけど) 今ではすっかり主人公で、アニメのシナリオみたいなことになる気配は全くないのだけどな…
また従者としての無力感がちくりとしているシャーロットが印象的でもありました。デニングの従者には相応の強さが求められていることを、今までより強く感じる展開だったんじゃないかと。スロウが心を入れ替えて力をあまり隠さなくなり、より主人公然とした振る舞いをするようになったから、余計にその気持ちが強くなるのかも。スロウからするとシャーロットは庇護対象でしかないんだよなあ…
その気持ちと血筋とたまたま手にしていたアイテムが組み合わさってただの願掛けのつもりがまた一荒れしそうな雰囲気で、さらに迷宮の方でも同時にトラブルが発生し…「次巻で一先ずの区切り」らしいのですけれど、どう落ち着くのかは楽しみです。シャーロットの気持ちが救われるといいなと。