乙女ゲーの悪役王女に転生した元コンサルが国を救うため奔走する異世界転生物語第1巻。悪役令嬢もの…ですが立場が王族、王位継承争いに直接参加しているあたりが公爵以下の悪役令嬢ものとちょっと違うところかも。
いうて生まれたときからではなく、前世の記憶と性格が目覚めたタイミングはゲーム開始あたりの悪役王女ヴィオレッタなので、それまでの悪辣な振る舞いは全部引き継いでのスタート。最初から大きなハンデを背負っています…そこからでも殊勝に国の状況を向き合おうとする姿はたぶん、ちょっとづつ認められるといいなあ。
また前世の経営コンサル知識はゲームヒロインのアナリーと関わる中で活かされていきます。薬剤師+経営コンサルの組み合わせで治療院の立て直しを図っていくところの行く先も気になり面白いですね。またヒロインに懐かれる系の悪役令嬢なんだなあ…いいぞいいぞ。
大きく国政に関わってくるのか、それとも市井からボトムアップで改革していくのかまだ先はわからないですけど、ヴィオレッタ自身が選択できる道としてトップダウンも提示されているところをうまく活かせると良いですね。当人は継承権を破棄する心づもりでいますが、その選択肢はおそらく途中で必要なものになってくるんだろうと思います。