民衆の革命により断頭台の露と消えた帝国王女ミーアが過去に戻って断頭台回避のためやりなおしをしていく第4巻。今巻はまるっと剣術大会。原作読者からするともう懐かしいエピソードになってしまっていますが、丁寧にコミカライズされていてすごく良いです。
ここでアベル王子は覚悟を顕にして、実兄にもシオンにも負けないとはっきり示していく、彼にとって大事なエピソードになるんだと思います。たぶん前時間軸の彼だったら馬鹿にしたような気持ちなんだろうなあとも。実兄とのやりとりのときはミーアも下手に小賢しいことをせず、すごいラブコメでしたよ…昼食でシオンと向き合うまでは…ミーア姫のちょっとしたしぐさ(の勘違い)がアベルをそうさせるのは(その仕草だけみていると)とてもよくわかるし初々しいカップルとしか言えないわけですが、読者、心の声ダダ漏れだからちょっとなんともいえない気持ちになる。だがこのウザかわいさは読者でしかわからないんだよね。劇中の人物には伝われないから。(多分)
しかしシオンはずっと前世の所業でミーアから目の敵にされててちょっとかわいそう。今世のシオンに罪はないのに…まあでも仕方ないか…あとキースウッドさんもミーア姫に一目置き始めてるしもうだめかもわからんな…
このシリーズ、ミーアの前時間軸は間違いなく悪役令嬢でいいと思うんだけど、「悪役令嬢」ってつけていいか迷うんですよね…今時間軸がただのポンコツかわいい令嬢なので…破滅ルート回避といえばそう…そうなんだけどそういうことか…? みたいな迷いがある。そういうちょっと割り切れないところも面白さであるように思います。