マンガといえば荒唐無稽なファンタジーもいいのですが、現代の闇いろいろな職業を描いたものもそれ自体が知らない世界で大変面白いものです。
そういった、現代を舞台にした「業界」をテーマにしているっぽいものを集めてみました。
※作品はどれもフィクションなので、実際の業界の事情がこうだというつもりはないです。
はぐれアイドル地獄変
巨乳だけが取り柄の売れないアイドル南風原海空が無理矢理出演させられた先のAVはレイプ空手家100人組手で監督がガチさを追求したために負けたらレイプ、全員叩き伏せたらアイドルアピールタイム獲得という絶対負けられない闘いに突入する一話からかっ飛ばしているマンガ。
(「はぐれアイドル地獄変」1巻より)
※アダルトビデオの撮影です
最初からこれなのでこのまとめの方向性がおわかりいただけたことでしょう。
とにかくゲスくて下品で先が読めない闇のあふれる酷いマンガ。だが面白い。
1話はここで読めるようなので是非。
なれる! SE
IT業界残酷物語筆頭ライトノベルのコミックス版。超ブラックIT企業に入社してしまったド素人、桜坂工兵の明日はどっちだ。
原作者の経験がきっと生きてる地獄行。カモメさんだけが救いなんだね
(「なれる! SE」1巻より)
それはそれとしてラボルームで寝ていてガチで踏まれるヒロイン見たのはたぶんこれが最初で最後になります。
(「なれる! SE」1巻より)
みんなは寝るときは踏まれないようにちゃんと事務椅子3つ並べて寝ような!
上半身、腰、下半身と割り当てると動きやすくて安定します。
ギャングース
私はこのマンガを不良漫画ではなく貧困業界マンガだと思っています。犯罪者相手の窃盗、強盗(タタキ)を生きる手段としてる少年達の物語。
貧困ルポライターである鈴木大介氏の取材に基づいて作られているストーリーはだいぶ衝撃的で、一時期流行ったオレオレ詐欺などの老人詐欺の裏側や虐待されている子供達の事情が淡々と織り込まれている。
今は東日本大震災で暗躍する半グレの話になっていますから、描かれている時代背景は今から思うと数年以上前の話。時期的にそこに繋がるとは思ってなかったからちょっとびっくりしたところあるけど、より闇が深まる。
ボイス坂
チヤホヤされたい一心で声優を目指す藤林沙絵の山あり谷あり声優(志望)残酷物語。
あふれる地獄み。
そして豪快に打ち切られているという地獄み…1話と7話と8話(最終回)は公開されているから!
エロゲの太陽
エリート街道から転落した神田太陽とエロゲー会社「エリコム」社長、月島英理子が出会って始まるエロゲー業界残酷物語。
どこまでガチかはわからないけどなんだかんだ言って楽しそうなのはこの業界の真実なのかもわからんね。
王様達のヴァイキング
凄腕クラッカーの是枝一希とやり手のエンジェル投資家坂井大輔が手を組みITビジネスの世界に挑んでいく物語。
細かく出てくる用語や手口がいちいちリアリティがあり、一希が愛機のIBM ThinkPad X41を駆って事件を解決していくのがまたすごくアツい。
クライムサスペンスの側面が強いので業界モノというと違和感があるかもしれないですが、サイバー犯罪の現場という感じで入れてみました。
東京トイボックス
元大手ゲーム開発者、天川太陽のデスマーチ感あふれるゲーム開発物語。
東京トイボックスから大東京トイボックスに続いて完結しています。
なんというか、たぶんすごくイメージ通りの無茶なゲーム開発者物語。
アニウッド大通り
昭和の時代、アニメ監督の真駒和樹とその一家を描くドラマ。手書きの時代のアニメ製作の現場っぷりがにじみ出てきているのと、家族の前では和樹が「おとさん」になる家族ドラマが良い感じに混ざってノスタルジックに良い味だしています。
(「アニウッド大通り」6巻より)
現代では完全に事案ですが昭和の時代はおおらかなのです。(そういう話ではなく
そしてある意味、業界ものという意味では巻末に収録されている「巨匠と過ごす夏」のほうが…いや業界というより某監督ものだが…
これはKindelしかないのですよね。作者の方が自費出版されているもので。
星海社から出ているコミックスもあったのですがそちらは途中で止まっているから。
大同人物語
いいから早く続きをですね。
最高にカッコつけたクソオタクどもが同人業界という枠の中で覇権を争う。業界ものって言ったら怒られそう。だがそれがいい。
銭
この本が出たときの紹介で「大人の社会科見学マンガ」というフレーズがあったのですがまさにその通り。漫画雑誌のカネの話、アニメ製作のカネの話、コンビニのカネの話なんかを幽霊のチョキンとジェニーが追いかけていく。
1巻が出版されたのが2003年なので、出てくる業界の事情が今どうなっているかはわからないところですけれど。ひたすらお金の流れを追って計算をしていくのが、お金というものを通じて繋がっているものが見えてきてすごく興味を引かれていく。
そして「黒字にする」「利益を出す」ということに自信が持てるようになる本です。
作者の方はこれ以前にも「オールナイトラブ」や「おとなのしくみ」といったルポマンガを描かれていたので、それらにストーリー性を持たせた感じでもあります。
ゲーム専門学校の闇のルポ漫画がたぶん有名。見たことある人もいるでしょう。
ナナのリテラシー
普通の女子高生だった許斐七海がうさんくさいITコンサル山田仁五郎の元で「今の時代に合った」コンサルタントを進めていく。出版とかゲームとかがテーマ。
これまた作者の鈴木みそ先生、この前に自作のKindle化で一山当てておりその経験から書かれているだろうというところがあったりして面白い。
ブラック・ジャック創作秘話
秋田書店が贈る手塚治虫伝説の数々。だいたいブラック。でもめっさ楽しそう。
今となっては楽しい思い出というやつですよね…きっと…
だいたい手塚治虫の話なのですが、そこから当時の風景とかが伺い知れるところもあったりして、昔のマンガ業界マンガ的なところもあるのかなと思って選んでみました。
バクマン。
マンガが大ヒットしたらアニメにするからそのヒロイン声優と結婚するんだ! という夢を追いジャンプで成り上がっていくというストーリー。端的に纏めるとだいぶクソオタクっぽい感じがしてしまったんですが感想としては熱血青春ものになるのでジャンプ力すごいわ…(違う
(実際は因果が逆で、声優さんと結婚ではなく好きな人が声優を目指しているだけですしね)
業界というよりジャンプの内情マンガな気もするんですが、あの雑誌でずっとアンケート順位の話ばっかしててそれでいてアツい展開は毎週崩さず最後まで走り抜けたこの作品は本当すごいです。あふれでる若い力の光に浄化されそうな感じすらある。
業界モノは(特にその業界に詳しい人が書くと)業界残酷物語にしかならないのではって気持ちがありますが最後、光が見えて良かった。
実際の業界がこんなドラマチックなものかどうかというとフィクションなのでって感じはするのですがなれるSEのブラックさはガチ。
知らない業界の話などはそれだけで面白いところあるので、興味があれば是非読んでみて下さい。
IT関係来る奴は全員なれるSE読んどこう。ラノベのほうも読むんだ。登場人物は全員おっさんに変換しろ。そしてよく考えろ。
(でもあれも、流石に今の業界の真実とはいえなくなってきていますけどね。いいことですが。 …言えなくなってきてるよね?)