読み終えた感想としては、終わった…という感じでした。
真犯人との決着
今巻で、一連の事件の真犯人との決着。
その行動を読んで、裏をかき、周到に準備していく、犯人もまたそれを読み別の手を打ってくる。結局どちらの思惑どおりになるのか…という緊迫した状況が続いて目が離せない。
それにしたってこの犯人、ずいぶんとサイコさんや…
殺人よりもそれを行った結果、追い詰められるスリルを楽しんでいるマジモン。
ほんとこれ厄介なやつでしたね…
「再上映」から始まった物語
もともとこの話は、「何かよくない事件が起こると、それを回避するまでそこに時間が巻き戻ってしまう」という特異体質の漫画家、藤沼悟が事件に巻き込まれて、なんと小学生時代にまで戻されてしまったところから始まっている。
そこで小学校時代に身近に発生していた連続誘拐事件、その魔の手から同級生を守るために真相に迫っていく…というところから紆余曲折を得て今に至っているんだけれども。
最初に1巻を読んだときに、その最後で「ええーっ!」ってほんとどうなるんこれって思い、その後もなんとか上手く事件を解決していこうとするそれをあざ笑うかのような展開。
まったく意外なところから飛んでくる真相においおいマジかよと思いながら読み進めていました。
最終的にこの決着、そしてその後の話はほんと「終わった…」って感じで、あきらめず立ち向かっていた悟のエピソードとして綺麗に決着ついたと思います。
僕だけがいない街
このタイトルの意味も、最後に明かされます。なんていうか、少しものかなしいところがある。
時間旅行的な作品には必然的につきまとう運命でもあり、この寂寥感が嫌いじゃないところがまたつらい。
一体「再上映」とは何だったのか…というところを考え始めると、だいぶ深みにはまってしまうので「そういうものだ」とそっとしておいているのですが、ラストがこうだと、「再上映」された後に続いていく世界があったのかどうなのか、というところどうしても考えてしまう。
結局のところは考えても仕方の無いことで、その時間を生きていくしかないんですけれども。
「タイムリープで未来を知って結末を変える」というサスペンスものでしたが、そのジャンプの幅と、未来を知るアドバンテージをもってしても出し抜かれる真犯人との対決と、読んでいてずっと続きの気になるシリーズでした。
そして綺麗に終わることができて本当よかったと思います。