引き続き都大会編。今回もな、当然だけどそれぞれが「負けたくない」という思いが強すぎて、それがぶつかって決着していく様に震える。
棋譜の美しさという美学
今巻で信歩の相手となるのは駒江高校三年生、岬真悟。
(「ものの歩」3巻より)
…まあだいたいこういう美しい系の人です。
だがこれが強い。そうでなければ美しいとかいってられないですしね。
対して信歩はスタイルとしては泥臭い殴り合い上等のガチ勢なので…この対局で翻弄し翻弄され、中盤、終盤に向かっていくにつれ変わっていく岬の心の変化、変わらぬ信歩の進み方。勝負の行方に引き込まれます。
もう開幕からの、居飛車から振り飛車か、そこの意図を含めて駒の動きでみんな察してるところからすごいアツいんですが。これが打ち筋で会話するというやつなのか…
そして終盤への壮絶な展開、岬先輩が選んだもの、選ぶことにしたもの、その葛藤と綺麗な終わり方にはうなずくことしかできないですね…
十歩くんふたたび
(「ものの歩」3巻より)
この大会で信歩と闘うためだけに転校してきたというマンガか! といわんばかりの行動力を示す十歩くん。主人公力ある。
それだけの意気込みできているから、少し目的を見失いがちなところにいってしまっているのが、見ていてだいぶ心配になります。
また将棋はそんなに甘いものじゃなかった、という相応の結果が出てしまうのが将棋ガチ勢のこのマンガのいいところなんですがつらいところでもある。
ゲーム実況ではマルチな器用さという天賦の才で無双できていたのが、思考力のみを問われる将棋というフィールドでは思うようにいかずぶち当たる壁。
最後の態度は褒められたものではなかったけど、そういうところも含めて、逆に真剣さが伝わってくるのがとても良いですね。
今巻のみなとおねえちゃん
(「ものの歩」3巻より)
さらっとクールなこの距離感。完全におねえちゃんである。
なんかもう完全に…信歩のことは弟をかまってるように見えて仕方ない…
信歩も信歩であいつ、全然そのへん無頓着だからおねえちゃんっぽさが余計際立つ。
いいぞ、いいぞ。
なんでしょうねこれ。露骨にどうこういうのがないだけに、むしろ目で追ってしまう感じがある。なんだかんだいってこの構いたがり加減最高かよ。
(「ものの歩」3巻より)
この顔と台詞が合ってないのもすごい好き。