介護業界を舞台に介護ヘルパー・最上優菜の仕事ぶりと施設で介護されているご老人の方々の日々の事件を描く人情物語第三巻。
ゲスト主人公のご老人方が毎回の主人公という感じでいろいろ闇もあるけど希望もあるようなところもありつつ、なんていうか変にロマンチックさとか演出していない、日常的なふうに物語が語られている感じがあるのが好きなシリーズです。
また優奈が前々作「コンシェルジュ」の主人公の娘だったりもして、前作、前々作のから続いて登場しているキャラクターがたまに登場するのも嬉しい感じです。はたしてチーフは結婚キャラになってしまうのか。
人に歴史あり、という話
認知症気味になると、むしろ昔の生活やら習慣やらに沿って行動して、結果として今にそぐわない行動になってしまうようなそれ。
ケーキ作りでごねたりとか若社長を旦那と勘違いしてデートに誘うとかはかわいいもんだと思いますけど。
その人の経歴を知って、それで求めているものを探していく、というのはコンシェルジュっぽい。
認知症の話を読むたびに、この「自分が認識しているだろうことと、結果として起こっている行動が違う」というのはどういうものなんだろうと思うんだけれども、想像すらつかないのですよね。
でも実際そうなったときにも、それを認識できないわけだからきっとどういうものなのかはわからないんだろうなと思う。
介護で生活が圧迫されて詰む話
きっつい。
生活保護の申請を刎ねられてるというところまできっつい。
ケアマネージャの野田が仕事に追われているのと平行して事件が進んでいくわけで、話としてはこのケアマネージャの大変さみたいなところが主だったんですが、これな、他人事やないよな。
状況も自分にだぶるところがあるからなおさらなところあり、マンガであるから最後それなりのところに落ち着いてるところはあるし、それは良いと思うんだけど現実だと詰む予感しかしなくてつらい。
未来を感じる介護用ロボットシステム
それはそれとして、介護用ロボットやシステムが現場運用されている形で出てきたりもします。
自動運転できるサポートAIのニックはオーバーテクノロジーすぎるかもしれないけど、見守り介助ロボットとかは近いうちに導入されていくと、現場仕事が助かっていくんでしょうか。
表情からの幸福度測定システムとかはどこかで研究とかされてそうよね。
実際これからロボットはどうなっていくんだろうな。ペッパーくんとかあの通りかかると話しかけてくるやつ。
そういうのが普通に動いていると近未来感を感じる。