表紙はでっかくルナス様。
今巻から第二部、帝国編の始まりであり、前巻ラストに続く冒頭の活躍などからルナス回といっても過言ではない。
国の行方
…というわけであのラストからの開始であり、流石に沈痛な開幕となっていますねこは。
終わりが終わりだっただけに、マヒロのこの態度もどこまでか策略じゃないのか、どこかでまた仮面を脱ぎ捨てるんじゃないのかという気持ちはありましたけどどうもほんとにへこんでる様子。
…そりゃそうだよなあ。ああいうの、後からじわじわくるものですしね。
降伏後のミスマルカの様子はあんまり描写されていないんですが、そういう必要もないくらいおとなしく統治されているという感じで。時代的にこのへんすんなり行き過ぎな気もしましたけど、帝国も略奪のために領土を広げているわけではないから妥当なところなのかもしれない。
人の行方
マヒロ以外は散り散りになっていった仲間達もそれぞれ時が過ぎていた。劇中では時間が過ぎているからというのもあるけど、結構みんなサバサバしてるなあという感じも。
パリエルなんかは国を二度、併呑されてるようなものなのにな。これもミスマルカそのものが無くなっているわけではないからかもしれないけど。
あとジェス君はちょっと意外な行方だった。レイナーはそうだろうという感じであったけど。また合流してくるんだろうか。
第二部になったことでキャラクターの立ち位置も変わって、また視点も変わっていく感じですね。
マヒロ復活編となるのか
…というかならないと話が先に進まないわけだけど。
馬鹿を装っていたものが真面目に仕事したら優秀だがつまらんというのもお約束ではあります。
ルナスがそのために四苦八苦してるのも見ようによっては萌えポイントなのかもしれないけど痛々しさのほうが強かった。
そしてこの、淡々と状況を描写していって物足りなさを感じさせつつラストにつなげていくやつ。
まるっと一巻使った帝国編プロローグですねこれは。
きっと次巻からが本当の始まりなんでしょう!
でも「敵だった強キャラが味方になる」みたいな展開は王道ではあるけど、「主人公が敵側についた結果、味方と敵の強キャラ配置が反転する」っていうのなかなかない気がする。
感情ベースの物語だったら絶対許されない展開でもあるけれど、そう思うとこれ、ちゃんと「戦記」だし、「外交としての戦争」してるなあ。