完全にペテンだ…
という看板に偽りの無い感想でスタート。
今月から新創刊されるレーベル「ノベルゼロ」創刊ラインナップの一冊です。
ド新人の弁護士、本多信繁がどうしょうもなくなって頼ってしまったのは「悪魔の弁護人」と呼ばれる阿武隈譲。
この二人が有罪率99%を誇る検察から、依頼人の無実を勝ち取るために奮闘する…というか阿武隈が呼び出された証人を詰めて証言を突き崩していくのがメイン。
これは…また検事や裁判官に嫌な顔をされるやつですね…
そも、弁護の勝利条件というのが「被告人の無罪を証明すること」ではなく、「被告人が犯罪を確実に行ったと立証できなくすること」なので、かならずしも真犯人を見つける必要が無い。
なので言ってることの揚げ足取って信憑性を無くしたり他の奴が犯人なんじゃねえのみたいな推論ふっかけたりという難癖つけ放題でこれどっちが悪者かわからんやつや。
この会話で互いに駒を進めていく感じは嫌いじゃ無いですけど。
さらに阿武隈のポリシーとして「警察と検事は信用ならん」みたいな怨み節もあるみたいでだいたい自重してなくて震えます。
新人弁護士の本多は本多でピュアハートすぎて勝負に燃える検事に純粋に煽りを入れていくし熱いコンビネーションですよほんとに。
本多くんはだいぶ素直ちゃんやなあ…阿武隈やりたい放題やで…
詰めるのがメインなので基本的には会話で物語はトントンと進み、「おっおっおっ」って読み進めていくうちに最後まで来るような勢いでした。
ストレートすぎて警察も検察も大丈夫かって思わなくもない勢い。マジかよ99%。
無法の弁護人 法廷のペテン師 (NOVEL0)
posted with ヨメレバ
師走 トオル KADOKAWA/メディアファクトリー 2016-02-15