つんどくダイアリー

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わりと好き勝手書いてるからネタバレてたらごめんね。旧「怒濤の詰ん読解消日記」。積まれてしまったマンガ、ラノベなどを読んで感想を書いています。結果として面白い本の紹介だったりまとめだったりになってる。/端末の表示によると、あと740冊/※本サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。ページ内のリンクがアフィリエイトリンクの場合があります。

「スティーブズ」4巻感想 成長中のベンチャーの歪みと祟り神ジョブズのリアルAppleストーリー

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スティーブズ 4 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

 表紙はゲイツくん。でも今巻出番があんまりないのが残念。

 

 ガチすぎてAppleにリジェクトを食らったリアルAppleストーリー第4巻。AppleⅡのヒットで急成長中のアップル社、ベンチャーから大企業への歪みが吹き出してきているところです。

 ガレージで和気藹々と(…とは言えない修羅場だった気もする)開発していた頃からすると、職場の状況が全然違い、また中途入社してくる人たちはIntelやHP(ヒューレット・パッカード)、フェアチャイルドから来る優秀なエリートたち。

 そりゃ衝突する…というより完全に見下されてる感じがつらい。ウォズはまだ技術力を認められているし、ジョブズはビビられてるけど。相変わらずジーパンに裸足だし。

 

 そしてさらにウォズとジョブズを仲違いさせてオリジナルメンバーの影響を弱めていこうとしていくアン・ファーガソン人的資源部長の思惑が完全に裏目ってジョブズが祟り神扱いに昇格するの面白すぎて震える。

 そりゃ唐突にプロジェクト会議に現れて最高権限でひっくり返しに来る(しかもそれが的を射ている)最高に厄介でしかない…やってること変わらないといえばそうなんだけど、今まではまずウォズに話していたようなことが直接現場に降りてっちゃっているとかそういう感じなんだろうなあ。

 でも厄介扱い仕方ないにしてもボイコットされるLisaプロジェクト会議の図とかほんとつらいよ。

 

 ウォズはウォズでAppleⅡを守っていくような行動を取ってジョブズから離れていくしほんとどうなるんだろうこれというところではあったけど、最後はやっぱりジョブズを待ってた、というのがね。

ジョブズの目を覚まさせるのも立ち直らせるのもウォズ。

 

 またこの巻ではAppleの次の革命、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース:マウスとウィンドウで操作する今時のパソコンのやつ)についても片鱗が見えてきます。

 もうWindowsからこっちの世代にはよくわからないかもしれないけど、キーボードの文字入力で操作するCUI(キャラクター・ユーザー・インターフェース。Cは他にもコマンドラインだったりコンソールだったりすることも)が昔は主流やったんやで。

 そこにマウスとウィンドウ。XEROXのPARC研究所で作られていたものを取り込んだという話は聞いたことあったけど、その流れが追っていけるのが本当に熱い。

 

 といっている私が実のところWindows3.1/95世代で、それがもうアラウンドしたらフォーティーに届く可能性秘めてるおっさんなので、もうCUIといわれてもって感じでしょうなあ…

イメージ的にはドラマとかで出てくるこう、キーボードカタカタやってダーッと文字が流れるパソコンなんだけど、こういう説明ももう古いのかもしれない…老いを感じる…

 

 それはそれとして研究所の人たちも「どうせ俺達の研究の真価は誰にもわかんねーよ」みたいな感じで理解されないから投げてる感じがあって、そこがまたつらいところがあるんですよね。

 故に、自分たちの思想に時代が追いついていないところにジョブズが本当の理解を示したときの涙はすごく震えるものがあります。

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(「スティーブズ」4巻より)

 アラン・ケイさん日本の特撮見てんですかww

 

 次巻からはついにLisaプロジェクトとMachintoshの開発に入っていくんでしょうか。

 今のAppleの代名詞はiPhone、一つ前はiPodにiMacとかだと思うけど、その一つ前、私たちの世代だとMachintoshなんですよね。

 Apple製品=グラフィッカー御用達というイメージもそう。Machintoshがでかい。

 一方の表紙になってるゲイツくん、出番はIBMでの会議だけだったけどこれが「IBM PC」、そして有名な「PC/AT互換機」「MS-DOS」に繋がっていくんですよね。

 IBMの侵攻にGUIの搭載と、まだまだ黎明期の山場盛りだくさんで盛り上がっていく予感がして次巻も楽しみです。

 

 4巻発売を記念して、2/25まで1巻がまるごと読めるみたい。

 気になったら是非。1巻が面白いと感じたら、全巻購入して間違いありません。

  1巻はガレージで開発しつつIntelからDRAMブン取るところから始まってAppleⅠの家内制手工業開発と販売、続々と集まる創業メンバー。

 のっけからかっ飛ばしているところがリアルAppleストーリー。