真面目で要領悪く、とにかく繰り返し努力することしか知らないような高校生、高良信歩が手違いで入寮してしまったのは、将棋の奨励会員限定の「かやね荘」。
将棋はまったく指したことはないけれどもそこで将棋の楽しさに触れて、自分もプロを目指していくという話。
といってもいきなりプロ挑戦は無理で、地道に高校クラブからスタートするというあたりもまた地道な漫画だな…と思いますが、その地に足着いた展開が逆に安定感あるのと、いくら漫画とはいえ横紙破りでいけるような場所じゃないという奨励会の厳しさも垣間見えます。
やはり見所は最初の1話で、今までの要領の悪さが転じて超集中力と思考速度に結びついて才能になっているところで、「報われない努力などない」という言葉。
信歩の価値観がそれこそひっくり返って「成った」ような感じをうけて熱かった。
というかなんていうかどんだけ回りにおいてかれてきたんや…って感じでもあるけど、その前の様子とかを見るとそら仕方ないな…っていうくらいどんくさい(ように見える)のが一転するわけだからそりゃそうよなあ。
回りの、寮にいるメンバーもそういうところをなじらないでつきあっていけてるの、将棋が「相手を待つ」ものでもあるからなんだろうか。
信歩が楽しそうにしてるところにちょっとほっとしたりします。
という感じのいい話っぽいのはですね、みなとのパンツのタグにがっつりもってかれます
(「ものの歩」1巻より)
このこだわりの生活感!
トランクスがイチゴ柄だったりもするしなんだこの生活感。
途中のキャラクター紹介で細かい生活感大事にしてるだけのことはありますね。スリーサイズとかはよくある話ですがブラのチョイス判断まで書いてあるの初めてかもしれない。すごい。生活感すばらし。
みなとは寮では結構ラフな格好でいるのも生活感。生活感すごい大事。
地べたの対局中あたりにボトルや菓子が散乱していたりとか、歓迎会がコンビニ調達とかいきつけが回転寿司とかそういうところが安定していい感じになっているところ確かにあると思います。親近感がでるというか。
そんな中でこれからの信歩の成長ストーリーも楽しみなのですが、寮のメンバーも高校の部活メンバーも誰もが道半ばであって、全部ひっくるめてこの先が楽しみです。