(「ドリフターズ」5巻より)
ついに動き出す黒王様の軍
戦場で死に瀕したとき、謎の異世界に飛ばされた島津豊久。そこにいたのは織田信長に那須与一。「漂流者」と呼ばれ死の間際に流されてきた偉人達は、その世界で人間に虐げられていたエルフとドワーフを解放し、人間相手に国盗りを開始。
同じようにこの異世界に流されてきた「廃棄物」と呼ばれる偉人達は漂流者を敵とみなし、人間を滅ぼすために活動を開始している…という話の筋だけ追ってるとあっれ人間勢詰んでなくね? って感じの緊迫感なのですが所々に挟まれるこの緊張感のなさ。
まあそもそもノッブの手にかかれば人間勢もイチコロですわみたいな感じで内輪もめしているところに出陣する黒王様の軍勢。
黒王様、黒王様なー。パンと魚を無尽蔵に出してくる、両手の平に何かで打たれたっぽい傷のある救世主様なー。
あからさますぎてむしろ正体を疑うレベルである…しかし人間に絶望するのもわからなくもない。ないけれども893の大親分の貫禄みたいに見えるのは明らかに最近読んだ本の影響。
そんな黒王様の軍団も、なかなかまさかのという感じだし、ますます人間の居場所ないなこの話。
でもアレだよ、なんか久しぶりに第六天魔王織田信長見た気がする。美少女になってないほう。
歴史の偉人が実は美少女だった(もう最近でははじめから美少女だったような扱いになってる)みたいなTSしていない異世界転生偉人無双は貴重なのではないか。大丈夫かこの国。
現地人と漂流者たち
豊久たちのファーストコンタクトがエルフだったりして、そのままエルフの味方についてしまったりしたために現地の人間勢は完全に無双の雑魚。
そんでもって、それを指揮している…というかそもそも国を興したのがちょびひげの男だったりするわけでもうこれ完全にアレ。うん。アレ。
人間は人間でちゃんと文化を築いているし漂流者を取り込んでうまくやっている国もあったりするっぽいから影薄いわけじゃないんだけどもこの裏で糸引いてる漂流者率は如何ともしがたい。
でもそれでも黒王様攻めてくるし。滅ぼしてくるし。踏んだり蹴ったりなんやもしれん。
圧倒的勢いで変わっていく状況
黒王軍が本格的に動き出したことで、豊久たち漂流者の視点と廃棄物の視点と両方の動きがあるようになってきて結構めまぐるしい感じも出てきています。
ここまでは戦というよりカチコミとか出入りみたいな規模の抗争だった気がするけど否応なしに人数も増えていき衝突の規模も大きくなっていっている。
しかし黒王様はほんとにあの御方なんだろうか。完全に闇堕ちしてるやん。
あと、今巻にはDVD付き特装版もあって、そちらにはTVアニメの1話と2話が先行して収録されているよう。妖怪首おいてけ無双でした。