怒濤の詰ん読解消日記

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怒濤の詰ん読解消日記

積まれてしまったマンガ、ラノベなどを読んで感想を書いています。結果として面白い本の紹介だったりまとめだったりになってる。/端末の表示によると、あと788冊

「ぼくは愛を証明しようと思う。」1巻感想 この世には証明してはいけないものがあるのかもしれない

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ぼくは愛を証明しようと思う。(1) (アフタヌーンコミックス)

 平たくいうとナンパマニュアルで主人公が無双ヒャッハーする話のはずなのに全くそんな気がしない…だが気になる…

 

「非モテフレンドシップ」からの脱却

 この話の主人公、渡辺正樹はいわゆる普通の26歳男性。友人の結婚式で出会った女性と恋をして、付き合って、浮気されててフラれて、職場の女の子に優しくされて、優しくして、引っ越しの手伝いに呼ばれて行ったら彼氏が出てきてというクリティカルコンボを喰らった直後に激モテのナンパ師、永沢に出会う。

 そのまま永沢に弟子入りして、彼の提唱する「恋愛工学」というメソッドによってモテ道を走って行くーーという筋だけするとチャラい感じなんですが、

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(「僕は愛を証明しようと思う。」1巻より)

 なんでしょう、この全体にあふれる妙にイカした雰囲気は…

 

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(「僕は愛を証明しようと思う。」1巻より)

 もうこれ上手くいっているのは「恋愛工学」とか関係なくて永沢さんがイカしてるからじゃないかって気持ちになる。

 

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(「僕は愛を証明しようと思う。」1巻より)

 それに感化されてか覚悟を決める正樹。

 彼の戦いはここから始まる…!

「恋愛工学」という理論

 そもそもこのマンガの雰囲気が一種異様なのは、出てくるナンパメソッドが「恋愛工学」という名の理論に裏打ちされているところでしょうか。

 例えばこの正樹くん、永沢さんからすると典型的な「非モテコミット」「フレンドシップ戦略」によって現在の状況に陥っているといいます。

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(「僕は愛を証明しようと思う。」1巻より)

ア"……ア"……ア"……

 

 

 

 ……ええ、はい、そうですね。みんな薄々感づいていたことかもしれません。

これが特別な「気づき」かというと、そうではないでしょう。

 

 ですが違うのです。「恋愛工学」の偉大なところは、この現象に名前を付けたことだと思うのです。

 ふわっとした現象と結果を手順で結び名前を付ける。それによってその現象は固定され、理屈で扱えるようになる。

 

 この後も正樹くんは永沢さんの教えを受けて、様々な恋愛工学メソッドを実践していくわけで。それはまあナンパストーリーなんですが理論を実践して結果を証明していくプロセスにも見えてしまい…まあフィクションなのは分かっているんですがなんだこの妙な説得力…

 

 そも理論というのは、技術というのは手順と条件が揃えば再現可能ということでもあるのですよね。「恋愛工学」はナンパテクを理論と技術に落とし込んでおり、つまるところ間違えなければ誰でも同じ結果を出すことが出来ると言っているわけです。

 

 

 恐ろしい…恐ろしい本や…!

 

 

 (だけど、こうもほいほいメソッドが決まるのはフィクションだからでしょう、というのは申し添えておきます。だから真似してもこんな上手い話はないでしょうよ?)

 

「愛」を証明することはできるのか

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(「僕は愛を証明しようと思う。」1巻より)

 ある種のリアリストである永沢さん。けれどもしかしたら、恋愛に一番期待をしていないからなのかもしれない。恋愛を行動に対する反応として捉えるなら、結果は自明となるから。

 そんな彼の提唱する「恋愛工学」の世界に首をつっこんでしまった正樹くんが今後どのような道を辿っていくのか。理論と実践と証明、という要素が技術的な意味で興味を引いて他にどんな技が出てくるのか続きが気になって仕方ないのですが、この「普通の男」代表みたいな彼がどう変わっていってしまうのか…というのもまたテーマとして気になるところです。

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(「僕は愛を証明しようと思う。」1巻より)

 最初に提示されたこの疑問、ここに答えが戻ってくるように思えてならないです。

 

 冷静に考えると本当にゲスい話しかしてないんで、バッドエンドの予感しかしませんが。

 

 それからきっと女性の方には、恋愛工学に引っかからないメソッドとしてきっと役に立つのではないかと思います。

 おそらくこの理論が結果を出すための条件に、相手が「恋愛工学」を知らないということが含まれているでしょうから。

 

 

 

 

 

 

 あとね、曲がりなりにも結婚を考えるくらいの恋人がいた正樹くんを非モテに分類するのなんていうかすごく一言言いたい気持ちあるんですけど、まあ、その、なんだ、うん。

 

 

 そんなもろもろ含めて、恋愛工学に対する評価をさておいた純粋に正直な感想としては、

 

 

 

地獄の

 

業火に

 

焼かれろ。