怒濤の詰ん読解消日記

つんどくダイアリー

わりと好き勝手書いてるからネタバレてたらごめんね。旧「怒濤の詰ん読解消日記」。積まれてしまったマンガ、ラノベなどを読んで感想を書いています。結果として面白い本の紹介だったりまとめだったりになってる。/端末の表示によると、あと740冊

「昭和オトメ御伽話」全5巻【マンガ感想】

昭和オトメ御伽話 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 舞台は昭和3年の神戸にて、黒咲家の常世お嬢様とその幼馴染、志摩仁太郎の恋物語。「大正処女御伽話」の続きでもある。けどメインはちゃんとこの二人。こちらも全5巻と巻数は短いけど、子供時代から大人まで結構な年月が詰まっています。

 ほんわかした絵柄はそのままなのだけど今作は最初からずっと甘くて黒い死のにおいがつきまとっているよう。また仁太郎の名字で察するように、志摩の一族も深く関わってきます。むしろ本領発揮。珠代さんの。本当にな。また3巻がひどいことに…どうしてこうなってしまうのか…成していることは完全に狂人のそれなのだけれど、どこか最後はもの哀しい。たぶんどれほどのことをしても「仁太郎のため」であることに彼女の中で違いはなかったから、だから仁太郎も恨まず向き合えたのかとすら思う。

 思えば前作も試練の連続だったけれど、今作も3〜5巻がやはり苦難。平穏になりそうでならない…昔の日本といえば…みたいな病気が出てきたときはほんといろいろ覚悟します。ただもっとまずいの、もうちょっと昭和を進めると世界規模のイベントが始まってしまうところだよ…今度はそっちか…

 巻数から察せられるように、後半は時間の流れが速くて。世界規模のイベントあたりはほんと駆け足。でも常世の周りの人たちがどんどん変化したり収まるところに収まったりしていくのをダイジェストで書かれているような進行が逆に、周りから置いてきぼりにされていることを強く感じさせるようになっていたのかもしれない。

 この作品、たびたび主人公たちは死のうとする。正直「死んだほうが楽」って場面もないわけではない…と思うし、もし何かが噛み合ってしまったら手放してたろうにと思わなくもない。「生きててほしい」と諭した相手が先にいなくなって、諭した言葉が全部自分に返ってきたりもして。けど最後まで読めてよかったと思います。本当に最後は綺麗に終わったと思う。

 今はここまでみたいだけど、連作みたいな感じで続いていくのかなあ。だったら嬉しい。

 あと、「大正処女御伽話」の後日譚としても、見知った名前がいっぱい出てきて楽しめました。こういうの好きです。ただ珠彦だけは存在が匂わされてる程度なんだよね…夕月はがっつり出てきてるのに。白鳥兄はあれか、珠子がいるからか。

 今作は成長した珠子も主要キャラとして動いているからとても良い。でも正直大きくなったなあ…って感じの近所のおじさん目線になるところに老いを感じる…子どもの成長早すぎんか…

 それからそういう時代だからかもしれないけど、大正時代より「やりたいこと」をみつけていくことにフォーカスが当たってるように思います。常世もめぐり合わせがあったけど子どもの頃から夢だったパーラーをやろうとするし、リゼも洋裁に目覚めるし。珠子ちゃんは昔からお医者さんだしね。皆がやりたいことを見つけていくようなところがとても素敵ですよ。珠代さんは超例外かもしれないけど、落ち目とはいえ昭和の時代に20代で財閥当主って相当じゃない…思えばあの人が一番、やりたいことに躊躇なかったのかもな…

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