つんどくダイアリー

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わりと好き勝手書いてるからネタバレてたらごめんね。旧「怒濤の詰ん読解消日記」。積まれてしまったマンガ、ラノベなどを読んで感想を書いています。結果として面白い本の紹介だったりまとめだったりになってる。/端末の表示によると、あと740冊/※本サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。ページ内のリンクがアフィリエイトリンクの場合があります。

正しき秩序の決着と、逆襲と敗北その意味は「虚構推理」16巻【#漫画感想】

虚構推理(16) (月刊少年マガジンR)

 岩永琴子の逆襲と敗北。山奥でキリンの亡霊に襲われた4人(+六花さん)の事件もここに完結です。字面だけみるとトンチキな事件ですが実際キリン強いわ…

 このシリーズは推理ものではあるけれど幽霊とか化け物とか平気で出てくる上に殺人犯を幽霊に聞いたり証言を吹き込んでもらって誘導したりとやりたい放題なところが一風変わってます。だから方法より動機、そして関わっているものたちが納得する結末をどうつけるかが妖怪たちの「知恵の神」である岩永琴子の立ち回りになります。事件の真相はまたひとつひねりがあって面白いと思いましたが

 ただ今回の事件は、いつにもまして後味の悪い結末だったかもしれません…そして秩序を維持する「知恵の神」としての琴子の立ち回りから、、九郎や六花との関係が簡単ではないことがひとつ浮き彫りにされた格好かもしれません。

 ただ六花さん、丘町の結末には普通に怒りを覚えているからその後のやり取りがあったんじゃないかなとはすこし思います。琴子が下した結末を見極めて、「知恵の神」を詰めるロジックの一つにした…ことを優先したのは間違いないけど。自分が助けた丘町をそう導いたのは琴子だと、責めてはいないが断じてはいるの、他の結末を望んでいたんじゃないかなとは思うんですよ。助けたときにも「やり直す道はある」と告げていたし。何かを期待していて、それが叶わなかった結果、あの問答でもあるのかなと。

 逆に、ロジックだけでその裁定を下し、なおかつ丘町と利害が一致したとさえ考えていた琴子は、六花さんとの問答がなければむしろ危険だったようにも思います。彼女自身に非情である自覚がなかった点がまた。

 そして九郎先輩、推理パートではだいたい蚊帳の外感があったんですが、最後に全部もっていきましたね…琴子、普段あんなにアピってるのにそこは流すのか。そこの先輩めっちゃデレてるぞ。死ぬまで一緒にいるつもりだが死ぬ気がないからつまりずっと一緒にいるつもりだぞ。(だがちょっと保護者目線かもしれんとは思った)

 事件としては綺麗に終わった今巻ですが、次巻17巻にエピローグの1話がはいって物語としては完結らしいです。逆襲と敗北、結果だけ見れば新しい指針と仲間ができたターニングポイント。どう続いていくのか楽しみですね。

 (実はこの時点で17巻もう出ていて、次の事件は江戸時代の秘剣と雪女にまつわる怪奇譚。雪女さんのDEBAN!)

amzn.to

拳で語らう新人戦決着! そして舞台はメイド喫茶へ…?「冰剣の魔術師が世界を統べる 世界最強の魔術師である少年は、魔術学院に入学する」8巻【#漫画感想】

冰剣の魔術師が世界を統べる 世界最強の魔術師である少年は、魔術学院に入学する(8) (マガジンポケットコミックス)

 アーノルド魔術学院に入学した戦闘力は最強、だが世間知らずで天然タラシな魔術師レイ=ホワイトが活躍するシリーズ第8巻。原作の挿絵と比べるとすごい少年漫画の絵柄でびっくりしたくらい。熱いバトルと友情のストーリーに合ってて漫画版もすごく良し。

 今巻ではその熱さ極まる魔術剣士競技大会新人戦決勝、アメリアとアリアーヌの頂上決戦クライマックス。拳で語り合う二人の淑女の友情が見開きで炸裂しており魔術学院とは…戦闘力が力こそパワー。正しく友情・努力・勝利でした。魔術… (相当高度な魔術を繰り出しての決戦だったので、魔術師対決としてもたぶん上位のものだと思います) エピソード通してレイとアメリアの中も接近するなど大団円といった終わり方でよかったです。最終回ではない。タイトル回収して新章へ。

 しかし新章では、楽しい文化祭と並行してレベッカ先輩に不穏な様子が。ただのマリッジブルー…なんてものではない、何かまずいことに巻き込まれているようで。この巻だけではほんとに話の入りだけだから全くわからないのだけど。

 暗い影を落としているレベッカ先輩の事情の解決も、妹マリアと一緒に関わっていくのかな。メイド喫茶で賑わう(予定)の文化祭でどう立ち回るのか、むしろそれまでに決着するのか…決着するといいなあ。

 余談ですがアメリアとエリサが試着したメイド姿で高速掌返しのクラスメイト、慧眼だと思います。でも実際にメイドが貴族の従者として身近な存在の世界だと、メイド喫茶もただかわいいってだけではない受け止められ方をして大変なんだなあ…とも思いました。(むしろどうして思いつけたアメリア…天才か…?)

因果応報まさにこのことなり(そんな気はした)「今日もわたしは元気ですぅ!!(キレ気味) ~転生悪役令嬢に逆ざまぁされた転生ヒロインは、祝福しか能がなかったので宝石祝福師に転身しました~」2巻【#漫画感想】

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今日もわたしは元気ですぅ!!(キレ気味) ~転生悪役令嬢に逆ざまぁされた転生ヒロインは、祝福しか能がなかったので宝石祝福師に転身しました~(2) (異世界ヒロインファンタジー)

 タイトル長いこの勢いが作品の勢いを表しているかのようなシリーズ第2巻である。転生したら乙女ゲームヒロイン・ルナリーゼだった主人公ちゃんは調子に乗って悪役令嬢ジャンル転生者ヒロインポジムーブをかまし無事追放。しかし続編の攻略対象、クロエリードに偶然拾われて続編ルートへ。知らない国で自分の能力が重宝され、またゲームシナリオの時間軸を抜けたこともあってかやらかしを改心してこの世界で前向きに生きていくルナリーゼの明日はどっちだ。…これも悪役令嬢ジャンルって呼んでいいんだろうか…? ざまぁされた正ヒロイン視点でその後に繋がる話は珍しいと思います。

 そういうわけでのルナリーゼですが、一周回って攻略対象たちから距離を置こうとする気持ちと普通に自分を認めて機会を与えてくれたクロエ様に惹かれる気持ちとでゆらゆらしているあたりは乙女ですね。ちんまい元気娘っぽさも好感触。国を移動してからの生活は結構うまくいってるように思います。やっぱ変に調子乗らなければいい娘なんだよな多分。

 ただ、とうとうこの続編の正ヒロインが出てくる時期になって、その生活も雲行きが怪しくなりかけてはいますが…その正ヒロイン、ローゼンリーゼとの出会いで過去の自分を見つめ直す羽目になるとは。因果は巡るってこういうこと…前の悪役令嬢アンリミリアとも和解し打ち解け、ゲーム世界だけど「そこに人が生きている」ことを自覚したルナリーゼは追放される前より一歩成長しているとは思います。

 しかし正ヒロインが出てくるのであれば当然、攻略対象との関係もどうなるか…特にルナリーゼからするとメイン攻略対象くらいの扱いになっているクロエ様とどうなるか、が気になるところですけれど。アンリミリアから聞いたゲームの裏ルートが突破口になるかもしれないですが、ローゼンリーゼも一筋縄ではいかないでしょうからまた次巻で一波乱かな…

迷宮探索にスロウとシャーロットの出会いの過去も「豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい」6巻【#漫画感想】

豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい 6 (MFコミックス アライブシリーズ)

 覇権アニメ「シューヤ・マリオネット」の世界へ敵役スロウ・デニングとして転生していた主人公が、従者シャーロットと幸せな未来を勝ち取るための物語。構図としては悪役令嬢ものになるのかな。その体型と振る舞いから「豚公爵」と呼ばれて厄介者扱いされているスロウですが、ポテンシャルとバックグラウンドは主人公級なんですよ。

 さて6巻は学園の迷宮で姫様たちと大トカゲ退治。シャーロットとスロウが出会った過去の回想も開示されます。たしかにこの頃のスロウからちょっと前のスロウを考えるとどうしてこうなってしまったのか…って気持ちになるのもわかる。(理由はあるのだけど) 今ではすっかり主人公で、アニメのシナリオみたいなことになる気配は全くないのだけどな…

 また従者としての無力感がちくりとしているシャーロットが印象的でもありました。デニングの従者には相応の強さが求められていることを、今までより強く感じる展開だったんじゃないかと。スロウが心を入れ替えて力をあまり隠さなくなり、より主人公然とした振る舞いをするようになったから、余計にその気持ちが強くなるのかも。スロウからするとシャーロットは庇護対象でしかないんだよなあ…

 その気持ちと血筋とたまたま手にしていたアイテムが組み合わさってただの願掛けのつもりがまた一荒れしそうな雰囲気で、さらに迷宮の方でも同時にトラブルが発生し…「次巻で一先ずの区切り」らしいのですけれど、どう落ち着くのかは楽しみです。シャーロットの気持ちが救われるといいなと。

導樹売買事件のクライマックスに「任侠転生-異世界のヤクザ姫-」8巻【#漫画感想】

任侠転生-異世界のヤクザ姫-(8) (サンデーGXコミックス)

 異世界の姫君リューに転生した極道がファンタジー世界を転々としながら(結果的に)世直しをしていく異世界任侠譚第8巻。このシリーズ舞台設定はファンタジーなんですけど原作者がその道にお詳しい方のようでどうみてもシノギだったりヤクだったりがしっかりした迫力で登場します。前巻から今巻は臓器売買がモチーフみたい。ファンタジー世界に合わせて、「導樹」の売買に落とし込まれているけれど。    リューに転生しているのは弱気を助け強気をくじく古いタイプの極道。だから今回も子供を犠牲に私服を肥やしている奴らに容赦はなく、そのトップの法王までいきおい殴り込んでいく。「落とし前の話をしてんだよ」って凄むあたりがヤクザだ…静かにブチ切れて殴り飛ばすタイプのヤクザだからリューは。

 しかし法王様は枢機卿らのやらかしを知らなかったふうだけどどうだったんだろうな…よほどうまく隠し通しせていたのか、法王様が全然興味なかったから知らなかったのか。食い物にされた子供、売買を止めようとして犠牲になった男とその家族、事情を知らなそうな元締め組織の親玉とフルコースで出てきてなんともいえない。

 ただ導樹の研究には魔王に対抗するための大義名分があるから、法王様ある程度は知ってて黙認してた気もするんだよな。少年へ問いかけた「世界と妹、どちからしか救えないとしたら」にも現れているような気はする。でも「どうしてその世界の方に、妹を含んでくれないのか」って少年の答えが、勝手に犠牲側へ振り分けられた人から見たすべてなんだろうとは思うよ。子供は素直に核心を突く。

 結局大事になって、今後は関係してた魔法大国の貴族たちも巻き込んだ騒動になるのかなと思うが…結構カジュアルに導樹売買されてたようだからなあ。そこは物語の中では語られないかもしれないとは思うけど。

自殺志願者の文豪、マジ切れさせる「異世界失格」6巻【#漫画感想】

異世界失格(6) (ビッグコミックス)

 タイトルだけで察しがついてしまうかの文豪センセーがファンタジー異世界に転生し旅をする異色のファンタジー。追い求めていた「さっちゃん」とついに邂逅するも振られてしまったセンセーの明日はどっちだ。

 シニカルでひねくれ者のイケメン作家センセーとアネット、タマ、ニアらのコミカルなやりとりが妙に馴染んでる本作、棺に乗って爆走する自殺志願者センセーを追いかけて始まる第6巻。新しい仲間として妖精ソルルも巻き込まれ新たな地へと到着。転移者を取り巻く事件を追うアネットたちとあくまでブレないセンセーとで別行動になるなど、今までと少し違う様相を見せもします。センセーほんとブレないよな…

 それにどこまでわかっててやってるのか…いくつか言葉を交わしただけで相手をブチ切れさせて本性を暴くほどになるところはなるほど文豪の言葉遣いなのかもしれないとすら思えてきます。間違いなくセンセーの台詞には力がある。

 ただセンセー、身体能力は普通の人間(むしろ弱ってる)だから、その面は心配になりますが。与えられているスキルも転移者特攻みたいなものでもあるから、今回の事件は活躍どころが少し見えなくてどうなるのか楽しみです。

おっさん普通にすげー強かった「片田舎のおっさん、剣聖になる~ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件~」1巻【#漫画感想】

片田舎のおっさん、剣聖になる~ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件~ 1 (ヤングチャンピオン・コミックス)

 片田舎の剣術道場で指導していたベリルが、かつての教え子アリューシアに請われて王都で騎士団の指南役に就任するところから始まる成り上がり物語第1巻…なのだけどこのおっさん普通にすげー強くて。むしろどうして埋もれていましたか。なんの参考にもならない(何のだ

 弟子たちが小さい時の思い出補正とかで、今は弟子のほうが強さは超えているーーなんてことはなく普通に強い。確かにびっくりするよ。そういう話です。

 しかしアリューシアが表舞台に引っ張り出したい気持ちもわかるくらい明らかにレベルが違うのだけど、当人の自己評価は全然なんですよね…ちょっとでも他と比べたらわかりそうなくらい違うのですけど。なにかの間違いで自己評価が低いのか、それとも片田舎では相対的にベリルが普通くらいの強さなのか。むしろそっちの理由のほうが気になってきます。(ただ鈍感なだけってオチな気もしますけど)