「ラジオと恋愛の話を描きましょう」というきら☆ふわな感じで始まったらしいこのマンガ。北海道すすきのにある「パンとカレーの夢空間」をコンセプトにしたスープカレー屋「VOYAGER」でアルバイトしている鼓田ミナレは失恋したばかり。それをたまたま居合わせたラジオ局のディレクター麻籐兼嗣にこぼしてしまう。
その翌日。失恋の悲しみを映画「ゴースト」を見て癒やし、バイトに出たミナレ。スープカレー屋に流れるラジオから昨日こぼした話の内容が!? 慌てたミナレは名刺を頼りにラジオ局に駆け込むけれども放送を止めることはできないと言われて大ピンチ!
放送を止めるなら責任を取れ。しゃべってみせろ。そう言われてもやったことない! と躊躇うミナレ。でもそんなミナレの背中を麻籐が押します。
意を決して元カレへの言葉を、別れてしまった思いを公共の電波に乗せて、
最高にロックだこれ。どうしてこうなった…
「ラジオと恋愛の話を描きましょう」おおむね間違ってはいない。
舞台は北の北海道、すすきののスープカレー屋、失恋女子、ラジオのローカル局。おおむね間違ってはいない。
しかしその結果がこれだよ。
タイトルからしてエンカだしな…
鼓田ミナレ、その生き様
きら☆ふわな要素がこれっぽっちも存在してなくミナレがただただ流されてラジオの仕事にずるすると関わるようになってバイトをクビになったりならなかったりしてなんていうかよくわからん。よくわからんけど面白い。その生き様が面白い。
完全にダメンズに引っかかって振り回されるそれなんだがもうそういう星の下に生まれているとしか。
周りの人たちもなかなかクセがある感じでそれが終始ミナレに絡んでくるからまた楽しいんでしょう。ミナレをだまし討ちで収録ブースに放り込むような麻藤をはじめ、チャラいけど根は真面目そうな中原、夢空間コンセプトでゲイ疑惑の店長、薄幸そうな有能美人城華さん。南波さんは天使。
すらすらと気持ちいい会話のテンポ
出てくる人物たちとのやりとりもテンポのよい会話で流れるように状況が移り変わっていく感じで笑い転げているうちに読み終えているような。しかしよく見ると台詞だいぶ多い気がする。南波さんは天使。
ラジオの収録ブースに放り込まれたときもすらすらすらすらと立て板に流れる水のように出てくるその言葉はほんとすごいなと思いました。だいぶ頭の回転速い。なぜ光雄に引っかかってしまうのか。そしてふっきれないのか。恋は永遠の謎。
最後はまただいぶ「これは…」みたいな引きでそういえばこれラジオと恋愛だっけ? みたいなふうに思い出したりもしたけれどもよくよく思い返してみると話の真ん中にはちゃんとラジオと恋愛があるのでほんとすごいと思いましたし大好きです。
あとお前泣ける映画ゴーストってニューヨークの幻じゃなくてDeath Shipのほうじゃねーかそれ! おい!
そっちにデミ・ムーアいねぇよ!
ゴースト/血のシャワー HDリマスター版 [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2014/06/03
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログを見る