つんどくダイアリー

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わりと好き勝手書いてるからネタバレてたらごめんね。旧「怒濤の詰ん読解消日記」。積まれてしまったマンガ、ラノベなどを読んで感想を書いています。結果として面白い本の紹介だったりまとめだったりになってる。/端末の表示によると、あと740冊/※本サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。ページ内のリンクがアフィリエイトリンクの場合があります。

突然の男女入れ替わりコメディ、そしてまっすぐ青春している星降る夜の不思議と奇跡の話。映画「君の名は。」感想 

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©2016「君の名は。」制作委員会

 気持ち的にはライトな青春コメディのつもりで見に行ってみたら後半思った以上にたたみ込まれてラストまで。いい話でした…

入れ替わっちゃってるのは夢なのか現実なのか

 田舎に住んでいる女の子、宮水三葉と東京に住んでいる男の子、立花瀧が、夢の中(だと思ってる)で入れ替わってしまってーーというライトな感じの始まりからスタート。入れ替わってるときの記憶は、瀧も三葉もはっきりとしていなくて夢だと思っていて、でも周りの様子からどうやらそうではなさそう…? みたいな感じで時間が進んでいきます。

 最初は「リアルな夢だよなあ」みたいな程度だったのが次第に現実に起こっていることに気がつき、やりとりを始めてヒートアップしたりむしろ中の人がスイッチしてるときのほうがモテ度高かったりといろいろコメっているところも面白かったです。やはり女子力が最強なのか…

 でもそうやってやいのやいのやってるうちにあれっ? 俺/私? みたいになるの王道パターンといえばそうですね。だがそれがいい。

流星の夜に

 キーとなっているのはあの星が降った夜、そこから全体の雰囲気が変わっていってラストへ繋げていくこの落差がまた良かった。

 ひとつひとつ話が紐解かれていき、瀧がその場所に到達するまで、そしてその後の行動がどうなっていくのか。

 また三葉が見ていた瀧、それがきっかけとなったこの現象、というパラドックス。こういうの弱いねん。

 最後まで見てから思い返すと、いろいろ疑問というかツッコミどころというか気づかない??? みたいに思うところはあるのですが、見ている最中はそのあたりを感じさせることなくさらっと。細かい細かい。

そして

 最後のほうはやはり印象的なシーンが多いですね…山頂のところとか、その後とか。

 特に最後はちゃんと終わった、というかここから始まる、というかそこまで引っ張った甲斐があったなあと思いました。

 結局のところは瀧と三葉の超遠距離恋愛のすべてだったような気もしますし運命の赤い糸というやつがアレか、紐だったのかみたいなところでもある。

 舞台は現代日本ででも肝心なところでは不思議な奇跡を差し込んでくる、それによって物語が左右されていく…というのはやっぱり好きな展開でしてそのぶんプラス評価になっているのは間違いないです。そういった展開が好きな人、あとは男の子と女の子が互いに追いかけあって手を伸ばし合ってという青春ストーリーが好きな人、パラドクス的な不思議な話が好きな人は是非、映画館に足を運んでみるとよいのではないかと思います。

 あと新海誠ファンはきっとマスト。 すれ違いつつも相手しか見ていないまっすぐさと美しい風景演出がガッツリ刺さること請け合いです。

公式サイト

www.kiminona.com

映画情報

eiga.com

原作、関連書籍など

こじらせ系恋愛強者たちのこじらせ恋愛ラブコメディ! 「政宗くんのリベンジ」7巻まで感想

政宗くんのリベンジ: 1 (REXコミックス)

 「子どもの頃にひどいフラれかたをした相手を俺に惚れさせてからフッてやる」というスタートからこじらせてるイケメン政宗くんがまずは相手に惚れさせるために頑張るという何かもう本末転倒してないかそれっていうラブコメディ。

どうみてもイケメンです

 チビデブのいじめられっ子だった真壁政宗くんは自分を手ひどくフッたお嬢様、安達垣愛姫をフり返してやるというリベンジをするために必死で修行してこのイケメン力を手に入れる。

どうみてもイケメンである…

 しかし彼が愛姫さまをフるにはまず自分に惚れさせなければならない。 この時点で何かもう破綻している気がするのだけれどもこのイケメン力ならあるいは…などと思っていたらば、そのお相手は

 ものっそい美人でツンで男嫌いで言い寄ってくる相手を片っ端から手ひどくフり続けており。ついたあだ名が「残虐姫」。

 こちらもこじれておったか…

政宗くんを取り巻く人間関係

 それでも果敢にデレを引き出していく政宗くん。

 しかしやっぱりそんなにちょろっとはいかず、「豚足」と呼ばれていたチビデブの過去を知る存在→なぜか愛姫さま攻略の協力者となる小岩井吉乃、

 突然現れ政宗くんに言い寄る謎の美少女藤ノ宮寧子、

 さらにどことなく昔の政宗くんを思い出させる系の雅宗兼次

+愛姫様親衛隊やら周りのみんなやらを巻き込んで巻き起こるコッテコテのラブコメディ。だがそれがいい

 表の言動だけだと完全に爆発コースなんですがこの裏のざんねん具合と合わせるとむしろ見ているこっちが転げ回りたくなるというか…がんばれ政宗くん…

すれ違ったり積み重なったりしていく恋愛模様

   そんな政宗くんが愛姫さまを攻略していくのが主なストーリーなわけで当初だいぶちょろい可能性を感じてもいたのですがそれは神が許さない。

 というか愛姫さまは間違いなくちょろいんですけどこれまたいいタイミングで邪魔が入るといいますか話そのものがこじれていくといいますか。神の見えざる手が健在。

 それで「ああーああー」とか思いながら…でも横から入ってきたような格好になるけど寧子とかも幸せになってほしい(むしろ小十郎がんばれ)とか兼次はアレかなあ…アレっぽいよなあ…とかいろいろ思いながらなんだかんだでひとつづつ思い出を積み重ねている感じの政宗くんと愛姫さまがほほえましかったりもします。

 このだいぶひねった感じの、でもだからこそ感じる勢いとまっすぐさが楽しいし、モテモテ主人公でありながら逆にハーレム展開を目指していない青春ラブコメなのが読んでいてドキドキはするけど爆発を祈りはしない気持ちになるのもしれないです。もしかして少女漫画かこれ…

 そして過去の思い出に言及されはじめていって、政宗くんの思い出と愛姫さまの思い出の違い、これによってこの物語の根本にある(半ば忘れてたかもしれない)リベンジがどうなるんだろう…みたいなところで続いていく。

 果たして真相はどうなのか…

 (本記事を書いた時点では) Kindle unlimited対象なので登録している方は是非。









 それはそれとして胸の高鳴り止まらないのはこの作画力に寄るところも大きい。

あ”あ”~

 この透明感のありつつしっかりした表現力…全編こんな感じで大変高まる…

 個人的には仕草や表情ももちろんだけど衣服の表現がすごく好みなのかなというところもあり、例えばこの普通に留めているんだけどそのボリュームによってすこし隙間が空いてしまっている隙間とかそういう細かい。細かいところが。神は細部に宿る。

政宗くんのリベンジ: 1 (REXコミックス)

政宗くんのリベンジ: 2 (REXコミックス)

政宗くんのリベンジ: 3 (REXコミックス)

政宗くんのリベンジ: 4 (REXコミックス)

政宗くんのリベンジ: 5 (REXコミックス)

政宗くんのリベンジ 6 (IDコミックス REXコミックス)

政宗くんのリベンジ: 7 (REXコミックス)

 表紙は軽くアートギャラリーですよ。あ”あ”~

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「ステージ・オブ・ザ・グラウンド」感想 くそったれなどん底の街にやってきた転校生! そして始まる青春野球ストーリー!

ステージ・オブ・ザ・グラウンド (電撃文庫)

 ちょっと作者の名前二度見しましたが、読み終わってみるとすごくまっすぐな青春野球物語、始動編という感じでした。ええ。

愛知の田舎でくすぶる日常から

 舞台は愛知県常滑市という寂れた感じの地方都市。飲み屋の息子でおっさん(酔っ払い)たちの草野球に毎回引っ張り出される楠田幸斗、そのお隣さんで幼なじみの筧川卓。

 昔は少年野球をしていて「もう野球はいい」といいながら草野球に律儀に参加する幸斗の未練っぷりとか、そんな幸斗の様子を眺めたりバッティングセンターで見事なバッティングを披露したりしつつも、やっぱり「もう野球はいい」と本格的には取り組まない卓。

 前半はこの二人の様子とか常滑のしょんぼりっぷりとかがクローズアップされていてなんていうかやり場のない気持ちになります。
(常滑は行ったこと無いんですけど作中の描写は幸斗の心証がだいぶ反映されてると思いますからきっといい地方都市だと思いますよ?)

 さらに幼なじみだった女の子、望月渚は女子力超高い女子高生になっちゃってるし…

やってくる転校生

 そんな二人の運命を変えるのが、この時期に転校してきた佐原剣。実はこの剣も小学生のころに一時的この街にいて、幸斗たちと野球チームを組んでいたことがあるという幼なじみでもありました。

 ポジションはピッチャー。その特殊な手の形から、投げるボールが自動的にスライダーになってしまうという特徴をもつ天才投手で天才によくある空気読まなさ。

 幸斗はその少年時代に捕手をやっていて、またバッテリーを組む、そのためだけに戻ってきたという剣。

 その空気読まなさが逆に、この鬱屈とした空気をぶちこわしていくところが、すごくまっすぐに青春ですわ…

 ここから幸斗たちの、完全に出遅れた高校野球ストーリーが始まるわけです。

まずは野球部に

 そういうわけで野球部に入ること、しかし転校生の剣はともかく幸斗や卓はそのやる気のなさが知れ渡っているようなもので、まずはそこからが試練になるという…ある種王道かもしれませんがそのまっすぐさがいい。

 話の筋としてはまっすぐなんだけどやり方は喧嘩上等みたいになってるのもさらにいい。この三人のカムバックにふさわしい無茶をする…

 幸斗のおじさんとか周りの大人もさらっとサポートに入ったりするところもまた結構好きです。監督(渚の父親でもある)もな、偏屈で頑固だけど親父だなあ…みたいなふうに思ったり。親子そろってちょろい。

 電撃文庫としては珍しい高校野球もので作者の名前二度見したりしましたけど、王道かつ少しひねったところから球が飛んできてやっぱりストライク、というスライダーのような一冊だったかもしれないです。

 僕は渚さん応援しています。ここには小学生いないから安心してがんばってほしい。まさか他の幼馴染みがライバルになることはないだろう…

「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 4 case. 魔眼蒐集列車(上)」感想 これはかつてない事件になるのではないか…

ロード・エルメロイII世の事件簿4 case.魔眼蒐集列車(上)【書籍】

 魔眼蒐集列車というその響きからしてやばいというのにあらすじから「奪われた誇り」ってアレ以外考えられないけどマジでアレなのかって感じだったらさらにその上行かれたりオルガマリーちゃんじゅういっさいだったりカウレスくん意外と才能あったり魔眼系女子だったり盛りだくさんでお届けされすぎており

※ここから先にはネタバレがあります。Fateシリーズはその話の展開、構成すべてに驚きと仕掛けが込められているようなもので、どうあっても感想というとネタバレになってしまうところがあるかもしれません。(おいしいところはなるべく残しておきたいとは思っていますが) 未読の方、ネタバレが気になる方はここで引き返し、迷わず本作を手に取ることおすすめします。

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「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 3 case. 双貌塔イゼルマ(下)」感想 橙子さんつよい

ロード・エルメロイII世の事件簿3 case.双貌塔イゼルマ(下)【書籍】

 襲撃者たち、解き明かされていく謎、魔術師の執念…バトル多めの後半戦でした。

※ここから先にはネタバレがあります。Fateシリーズはその話の展開、構成すべてに驚きと仕掛けが込められているようなもので、どうあっても感想というとネタバレになってしまうところがあるかもしれません。(おいしいところはなるべく残しておきたいとは思っていますが) 未読の方、ネタバレが気になる方はここで引き返し、迷わず本作を手に取ることおすすめします。

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COMITIA117「紙&電子同時発行」企画の本を勝手にピックアップ!

 今回のCOMITIA(一次創作同人誌オンリーの即売会)で発行された本を電子書籍で同時発行するという企画がありまして、その対象になっている本をいくつかまとめというかピックアップしてみました。

 完全に私の趣味というか目に付いたものをという感じなので、まずは気ままにリストを眺めてみるのも良いと思います。というかむしろそれがいいです。この世界はフィーリングが全て。

y-nakase.hatenablog.com

 BOOK☆WALKER、Kindle、Pubooで出ているようですのでお好みのストアで。

bookwalker.jp

amzn.to

p.booklog.jp

もぐもぐ酒

 梅酒から始まるお酒の話。ほどよく呑んでる感じがゆったりしてる。

 私もお酒弱いんであるあるみたいなところもありますけど記憶飛ぶまで呑んだことはないです。

銀廊絵画

bookwalker.jp

 歩けない少女と画家のお話。素直なハッピーエンドがいい。いい話や…

すずめノみくろ3

 田舎の巨大な女の子ゆるキャラ村おこし4コマ…? というゆるくてふわっとした日常。
クジラ捕ってるところが好き。

徒歩で5分の別世界

 ショート・ショートで近未来の日常風景的なサイレントマンガ。台詞なしですがそれがまたいい感じ。

 箱入り漫画家はある意味理想な気がする…

バトル・オブ・ブリテン物語総集編 12月の薔薇 改訂新版

 第二次大戦下のイギリスが舞台で、新米パイロットのトムとその上官レイトン大尉、彼らの知り合ったバラ園の少女アンジーが織りなすドラマです。

 総集編だけあって読み応えのあるボリュームと、1話1話があっさりした連作短編になっていて良い雰囲気。

 あとちょっとおネエ系なレイトン大尉がいい味出し過ぎてる。静かに染み入る愛を感じる。

水遊び

 淡々とした感じで、ゆるかったり、不思議だったりする感じのショートな詰め合わせ。内田さん…

 絵の線がしっかりしてて好み系ー

道標 vol.1

bookwalker.jp

 電子雑誌『澪標(みおつくし)』の表紙イラストや掲載イラストなどを纏めたイラスト集だそうです。

https://bookwalker.jp/series/46693/%E6%BE%AA%E6%A8%99/bookwalker.jp

 不思議な世界観のあるイラストがいい。

高田馬場のミカドちゃん

bookwalker.jp

 人はなぜ、ゲーセンでアイス早食い大会を始めてしまうのか…

 人はなぜ、ゲーセンでプロレスを始めてしまうのか…

 ゲーセン、とは…

魔都継橋2巻 たしかに咲いていた

 拡張現実(AR)が普及した未来の日常物語。日常になじんでる感じがいいですね。すすきさんかわいい。

 ちなみに現実のモノに合ってるように映像出すのはめっさ茨の道なんやで…(震え声

漫画の先生ep5.

 高校で漫画を教えつつ漫画家としても活動している漫画の先生、響美晴さん。

 選択肢があると逆に迷うというのはいろいろ分かる気がします。あとお隣さんが同業者なのはなんともいえない気持ちになるな…

リヤ/スイ

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 リヤとスイ、二人の高校生のある種「自分探し」のような感じのお話。自分が高校生だったころとかはここまで考えてなかったなあ…(今もか…



 そんな感じでピックアップしてみました。お値段もだいたい100円200円というところですし、気になった作品があれば試しにと読んでみるのもよいと思います。

 BOOK☆WALKERでは29日まで5%ポイント還元キャンペーンもやってるみたいでますますお買い得!

 電子書籍流行れー

「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 2 case. 双貌塔イゼルマ(上)」感想 ライネスちゃんやったー!

ロード・エルメロイII世の事件簿2 case.双貌塔イゼルマ(上)【書籍】

 みんな大好きロード・エルメロイⅡ世のさらに大好きな義妹ちゃんライネス・エルメロイ・アーチゾルテの出番! やったね!

 魔術師たちの織り成す、「フーダニット(誰がやったか)」と「ハウダニット(どうやってやったか)」が意味を成さない異色のミステリー第二巻。義妹力高めでお送りされます。

※ここから先にはネタバレがあります。Fateシリーズはその話の展開、構成すべてに驚きと仕掛けが込められているようなもので、どうあっても感想というとネタバレになってしまうところがあるかもしれません。(おいしいところはなるべく残しておきたいとは思っていますが) 未読の方、ネタバレが気になる方はここで引き返し、迷わず本作を手に取ることおすすめします。

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