つんどくダイアリー

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わりと好き勝手書いてるからネタバレてたらごめんね。旧「怒濤の詰ん読解消日記」。積まれてしまったマンガ、ラノベなどを読んで感想を書いています。結果として面白い本の紹介だったりまとめだったりになってる。/端末の表示によると、あと740冊/※本サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。ページ内のリンクがアフィリエイトリンクの場合があります。

「超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!」4巻感想

超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!4 (GA文庫)

 また今後の展開を左右するような重大なことがあっさり出てきてる感。

ついに樹立された民主国家

 領土を拡大し民をまとめ上げ、なんとか「エルム共和国」の建国を果たした司たち。ゆくゆくは司たち、七人の超人高校生が現代日本に帰ってしまってもその国の維持をしていくため、民主主義国家を皆で目指し、司達が受け持っていたところも現地の人達でやっていくための国家です。

 今までは「超人高校生VS帝国」または超人高校生無双だったのが、今巻からはちょっと組織対組織という感じになってきているところが、話がひとつ進んだ感じもあります。

 もちろん知識、アイデア、頭脳面でも超人アドバンテージあるしそもそもつよいんですが、武器や兵器のような直接的物理的な文明の差と比べると、相手を蹂躙というわけにはいかないところもあり面白くなってきたところでもある。

 もしこれが七人だけの問題なら四の五の言わず武力行使になるかもしれないけど、国家を表に出した政治の話、になると武力はむしろ禁じ手(あるいは最終手段)となってしまうわけで、ある意味もっと困難な道でもあるんですよね。

帝国の策士ネウロ元帥

 それで帝国との交渉の席で、向こうから席についたのはネウロ元帥。

 帝国の利益のために…というふうでもなくどうにも話の様子がおかしい…というかもう、それ、話が終わってしまう…というような重要事項がぽろぽろと。

 ネウロ自身についてのこともそうだし、超人高校生達のこれからについてもだいぶ強烈に話が進んだなあ、というか。

 提案についてはまったく理にかなってるのですが、この男自体の目的についても裏に何かありそうですし、こういう疑わしいところのない提案に乗ると必ず後でヤバいことになるんだよなあとか思いながら見てました。

 その結果が出るのはだいぶ先の話でしょうけど。

他の勢力たちの存在も

 それから、国として動き出したことで帝国以外の勢力も絡んでくるようになりましたね。

 このあたりから政治ゲームの面白厄介なところでもあるのですが。今までは帝国打倒の反乱軍、でよかったのが途端にややこしくなる。

 世界が広がったことで、さらに鎬を削った勝負や展開が待っていることでしょうと思わせるところです。無敵無双を強調していても、やはり異世界は広い。

 その中での、七人に頼り切りの集団じゃない「組織」としての成長、また七人もどう進んでいくかという今後についても少しどうなっていくのかしらんというところがありました。

 アレだよな、司もだけもショーニンも、違うと思ったら容赦なく切ってくるタイプよな。情に流されないから逆に、どういう展開になっても「仕方ない」って顔をしそう。

 それはそれとしてジャンヌちゃんがしあわせかわいいのでよかった。よかったんだがなんだこのそこから広がる平和なストロベリった展開は。

 やはりあのイケメン政治家(二世)は爆発するべきなのかもしれない…

 しかし今回の話から進めて考えると、リルルとはいずれ別れるときが来る、というハードルも少し不透明な感じになっているのではという気もするから、それをどう使うにせよやっぱり展開わからないところありますね。がんばれ林檎ちゃん。

昭和19年、広島から呉にやってきた天…真爛漫お嫁さんの日常奮闘記! 「この世界の片隅に」感想

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

 広島は呉にお嫁にやってきたすずさんの生活を中心にして愉快に綴っていく漫画。だいたい嫁入り日常系。

 もうすぐ(11/12)劇場公開される映画「この世界の片隅に」の原作になる漫画。最近よく名前をみるようになったので、つい読み返してしまいまして。

呉にお嫁にやってきた、すずさんの日常

 第二次世界大戦中の昭和19年、広島市から呉市へとお嫁にやってきたすずさん。

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(「この世界の片隅に」より)

 めげない感じの天然さんである。

 戦時中の嫁入り話…と聞くと、印象としては悲観的な話だったり勇ましい話だったりを思ってしまうのですが、これは普通の女の子が普通に嫁入りして普通に暮らしていく話。

 生活は楽なものではないけれど、毎日をけなげに過ごしているすずさんやその家族、周りの人たちなどの様子はすごく自然体で、騒がしくも楽しい日常、という雰囲気がすごくいいです。

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(「この世界の片隅に」より)

 しかし嫁入り恒例、義姉との対立…  
 
 

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(「この世界の片隅に」より)

 天然には勝てない。

 平和だ…

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(「この世界の片隅に」より)

 ほんわかしすぎではある。

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(「この世界の片隅に」より)

すずさんの嫁入り物語

 そんなすずさんがどうしてお嫁にくることになったかというと話は簡単で、嫁に来て欲しいという申し出が北条の周作さんからあったから。

 子どもの頃に一度会ったことがある(すず本人は覚えてなかった)というところはあるにせよ、面識がなくても年頃になれば普通に生活の一環として嫁入りするようなこの感じ。

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(「この世界の片隅に」より)

 強制されているわけでは全然なく、そういうものみたいに受け入れているあたり時代を感じますな…

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(「この世界の片隅に」より)

 一方で、元気に怒鳴り合える昔なじみもいたりして、いろいろ目が離せないことに…なるまでもなくあっさり嫁入り。

 
 
 嫁入りしてからはまああの調子で過ごしていくすずさんですが、この幼なじみの哲との話や、遊郭で出会うリンさんとの関係なんかで心が大きく動いたりもします。

 すずさんの日常をゆっくりウォッチしていたこっちもそれにつられて動揺したり二度見したり、言葉の意味を考えたりしていったり、いろいろ察していったりするのがとてもひきこまれている。

 結構、日常がさらっと書かれていく感じだったり、心の機微はあえて解説されていなくて、行動などで表現されているようなところがあったりするので、いろいろと察するのはとても重要な気がするというか察してしまう

戦争という日常

 そしてさらっと書かれていくのが、戦時下の日本。

 戦争ドラマなんかではなく、普通の国民の毎日の話ではあるんだけど…だからこそ日常に戦争が溶け込んでいる感じがまた、ほわっとした絵柄と天然明るいすずさんの毎日からもにじみ出てきているのがじわりと薄ら寒くなる。

 また、妙な現実感を感じたのは遺骨を引き取ったりしたとき。戦争だから当然そういうことはあるのですが、こう、派手に悲しむわけでもなく、わりかし普通なんですよね。

 割とね。亡くなったときってそこまで大げさじゃないのが普通だよねってちょっと思ってから、その普通さがすごいと思った。

 
 
 
 でも作品としては昭和20年の8月、それに向けて進んでいくのですが。後半のほうはここまでの日常があったからこそ、大日本帝国の戦争が日常になじんでいたからこそ、というようなところがガンときてだいぶしばらく天を仰ぐ。

 そしてそれまでもそれからも、すずさんたちの日常は続いていくだろう、というこの感じがいい。

 ここから日本は戦後の復興、高度経済成長期に突入していくのでしょうけど、すずさんたちはどう暮らしていったのか。なんてことを最後に思ったりもしました。

 もうすぐ公開される映画の公式サイト。どんな感じになるのかなあ。

konosekai.jp

「ヒマワリ:unUtopialWorld」2巻感想 んにゅっふ

ヒマワリ:unUtopial World (2) (角川スニーカー文庫)

 向かうところ敵無しを体現しているのかこの女は。(ヨッパライにつける薬なしともいう(ヨッパラってなくてもやばい

ヒートアップしていくルール・オブ・ルーラー

 4年前のテロ事件から引きこもりだった日向葵(ヒマワリ)が巻き込まれるように参戦することになった第二回HDC、「ルール・オブ・ルーラー」。

 その大会は「なんでもあり」のお祭り騒ぎ…というのをいいことに、実際はカラーギャングの抗争祭り。

 そんな中で最大勢力である「パープルヘッズ」に対抗するために、そしてこの特区の「上」にいるマフィア連中とやりあうためにまたヒマワリが無茶をする。

 …林トモアキ作品の登場人物って、ブチ切れると覚悟キマってやばいみたいなところがあるのが常なのですが。この子シラフでキマっててやばいのでは。なんて思えるヒマワリちゃんがんにゅっふになっててますますやばい。でもシラフだったとしてもたぶん言ってることかわんないよなって思うところもある。やばい。

 アリスが完全にどん引きしてるのがかわいい。この子はこの子で内弁慶っぽいところあるよなあ。かわいい。

暗躍するぽわぽわお嬢様

 また今回、ゆるーくふわっと現れる水姫お嬢様の暗躍もなかなか目が離せなく。というかどこに転がそうとしているのか、きままに遊んでいるだけなのか。

 …というかこんなイカれた娘だったっけとレイセン最終巻を二度見してそのまま読み続ける。

 ここから4年と思うと…極限状態のそれが4年という平和な期間を経て醸成されてしまったのかといいますか…

 TMEの全権代行、ミサキ・カグヤの存在などここから引きずっているものはやはり多いなあ。

そして転がる物語

 物語もまた、見え隠れしている「4年前のテロ事件」に本格的に繋がっていくような雰囲気が出てきています。

 いろいろ唐突なところもあってまさかのみたいなところではありますが、いやでも一番謎なのはヒマワリのバックボーンだからなあみたいなところもあって。

 木島アリスも、あの「木島」の系譜なだけあって何か隠れていそうですし。一番普通なのが生徒会長か…普通だな…

 ここからどう続いていくのか実に楽しみですね。ええ。ルール・オブ・ルーラーの行方もヒマワリの命運もどうなってしまうのか。

もはや生き抜くとかそういうレベルではない 「超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!」3巻感想

超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです! 3 (GA文庫)

政治と医療と軍事力を掌握されつつある異世界が生かされている側ではないのだろうか…

それはそれとしてアロマ

 アロマである。

 温泉回、水着回などはよくあるがアロマ回というのはあっただろうか。いやない。

 (カラーページの桂音先生に向かって両手を合わせる)

 
 
 
 しかし暁、気づかれなかったの

 いや、うん、なんていうかそこまで行くと居心地悪すぎてそれどころじゃないっていうかもうなんかみたいなのは分かる気がする。

 でもそうか、気づかれなかったのか…

 なんていうか、がんばれ。

科学と魔法が真の意味で交差するとき

 順調に各地を勢力下に収めていく超人高校生達が今回直面したのは、悪政によって生み出された多くの病人たち。

 栄養失調による敗血症、加えて非協力的、ともすれば桂音たちを追い出そうとする薬師会との対立。

 ここで必要になってくるのは、医者としての個人技能より大量の物資をどう調達するか、そもそも薬剤をどう調合するのかという話になるのですよね。

 しかも高度な機器もないこの世界で。

 で、そこで登場するのが魔法。

 やはりこの、現代日本にはないオーバーテクノロジー「魔法」というやつは重要なポイントですね。

 この「魔法」に関する推測があって、使えるのではないかという桂音先生の洞察は流石というべきですけれど。

 しかし、その結果生まれようとしているあの技術が、内容として正しい生い立ちで生まれた故に名前に偽りありになってしまっているところもまた面白いところです。(金を錬成できますよーみたいなごまかしが要らなかったということでもあって)

 また桂音先生の意外な一面も見れたりして大変面白い展開でしたね。(他作品だけど)FGOナイチンゲールバーサーカーで現界した理由がよくわかる。ガチ医療関係者はやばい。なんというかやばい。マッディ。

林檎ちゃんのがんばりを見守る会

 そしてアレだ…前巻でエルフ娘に許したリードを取り戻すかのような林檎ちゃん…

 この内気な小動物ががんばる、素直か! というような素直さ、でもなかなかうまくいかないところを見守る会。

 この手のイベントはだいたい主人公に殺意といいますか、まあイケメンクール朴念仁敏腕政治家(二世)ってもう世界の敵レベルのはずなんですが林檎ちゃんのおかげで命拾いしている。

 ハーレム状態という感じがあんまりなくて、恋愛沙汰みたいなところは司、林檎、リルルに絞られているところもまあ、成り行きを見守ろうか…って気持ちに一役買ってるのかもしれませんが。

 
 
 
 そういったスイーツな方面以外でもちゃんと活躍する林檎ちゃん、といいますか、作ってしまったのか…というような活躍をする林檎ちゃん。

 いや、おま、それ…みたいな。

 あの子は現代日本基準でもオーバーテクノロジーだからなあ…

 機械的な部分についてはもう完全にファンタジーのファンタジーですね。自動運転できる自立AIの時点で完全に某検索の巨大企業ぶっちぎってるし。

 
 
 それらの力をもって、どのように進んでいくのか。

 魔法というものの底の知れなさもあり、ますます展開が楽しみです。

 しかしあの兵器といい相互確証破壊的な方針といい、どこかの国へのあてつけですか? って思わなくもないところありますが、そういう面も含めて、彼らがどのように進み、判断し、どのような結末を迎えることになるのかを楽しみにしているところもあります。

「あそびあそばせ」2巻感想 やばい

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(「あそびあそばせ」2巻より)

 「あっかわいい」と思ったそこの貴方。そうですかわいいんです。かわいいバラにあったのはトゲではなく狂気。

あそびあそばせ 2 (ヤングアニマルコミックス)

V.S. 将棋部

 2巻からますます登場人物も増えてきて、別の部活と遊び対決までするような広がりを見せる「あそ研」メンバーのわくわくスクールライル!

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(「あそびあそばせ」2巻より)

 のっけからピンチではある。

 無慈悲なる生徒会長からの通達に抗うべく、部室の使用権(申請忘れてました)を賭けた将棋部との大勝負。あそ研以上にあそびに本気な将棋部長との対決は手に汗握るものがあるかもしれないしないかもしれない。将棋部とは。

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(「あそびあそばせ」2巻より)

 将棋部も大変だな…

前多

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(「あそびあそばせ」2巻より)

 前多ぁ!

 突如現れ準レギュラー化しているふうでもある華子の家の使用人(らしきもの)前多。

 お尻に秘密を抱えた謎のおっさんである。

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(「あそびあそばせ」2巻より)

 前多ぁ!!

ひとりかくれんぼはやばい

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(「あそびあそばせ」2巻より)

 超学部の岡さん発案で気軽に始めてしまった「ひとりかくれんぼ」。やばい。

 あそ研部員たちはさまよえる「あれ」から逃れることができるのか…

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(「あそびあそばせ」2巻より)

 この絵面から伝わるやばさ。

 
 
 
 
 こうして繰り返されていく「お遊戯」、はたしてどこに向かっていってしまうのか…

 
 

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(「あそびあそばせ」2巻より)

 しかしオリヴィエのかわいさはやばい。

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(「あそびあそばせ」2巻より)

 やばい。

これからブログを始める人へのキホンのキ! 「ゼロから学べるブログ運営×集客×マネタイズ 人気ブロガー養成講座」感想

ゼロから学べるブログ運営×集客×マネタイズ 人気ブロガー養成講座

 日頃からお世話になっているツールの制作者の本だったのでふと手に取ってみたらば、具体的な指南がぎっしり詰まった良い本でした。

「ブログを運営する」ということの具体的な基本

 弊サイトでも使用している「カエレバ」「ヨメレバ」の作者でもある、かん吉氏の書籍。

 考え方みたいなところももちろんですが、「Wordpressと無料ブログどっちがいい?」「ブログ名を決めるには」「ドメイン名を決めるには」などスタートするときに地味にどうしようかなって思うところが拾われている感じがして、ブログ本というより初心者向け専門書という印象です。

 内容の信憑性についてはまさに当人がそのように成功されているノウハウであり、逆に言うと自分の成功した方法を分析しまとめたものでもあります。

 (私も数あるブログ本から本書を手に取った理由は、「あっヨメレバでお世話になってる人だ」でしたからね…それがいかに「計 画 通 り」だったのかは本書を読めばわかる)

 これは精神論ではなく方法論。なのでノウハウとして取り入れられるものを取り入れることはプラスになるでしょう。

細かくまとめられたノウハウの数々

 肝心のノウハウについて。ブログをだいたい1年続けてきた私の個人的な感想としては「そうそう、そうですよね」という感じです。

 でも、その「そうですよね」というところが具体的に言語化されて、知らない人が読んでも「そうなんだ」って思えるようになっています。

 書かれているノウハウはそれぞれの項目に区切られていて、だいたい2P、つまり見開いたページで完結していて読みやすい。

 また、必要になるツールについてもスクリーンショット入りで説明されていたりして、「実際これはどうすればいいの?」というところをフォローしてあるのも、実戦するためのハードルを下げています。そのあたりがシームレスに繋がっていて、「とりあえずこうすればいいのか…?」という挑戦に結びつく流れを作れています。

 たとえば「反論を恐れず意見を言え、万人に好かれるというのはそもそも無理」という話の後に、「では反論を少なくするにはどうすればいいのか?」「いい炎上と悪い炎上とは?」というフォローが入っていて、最後に「ハードルが高いと感じる場合は練習してみましょう」、というような流れになっています。

 他にも「タイトルの付け方」「最後まで読まれる記事の書き方」などがコンパクトにまとめられていて、というかこの書籍が実例みたいな感じでもあってノウハウについてはある意味この本がいい感じだと思ったらそういうことなのだと言えるのかもしれない。  
 
 
                                                                                                                                                                 
 
 書籍の全体的な方向性としては、「読者(ファン)を増やせば結果はついてくる」というもので、ともかく読者のために、という姿勢が前面に出されています。

 その方法としても検索エンジンの隙を突くブラックハットじみたものではなく、「読者が読みやすいようにサイトを好きになってもらえるように書く、するとまた多くの人に読んで貰える」という王道的なものです。王道が一番つよいということがよくわかる。

 人気ブログになれるかどうか、という話をしちゃうと(ブログに限らずこういうコンテンツ的なもの全般な話でもあるけど)実際面白ければウケるという身も蓋もない話に集約されてしまうのですが、著者の方も「高速道路」と言われているように、そこに行くためにあらかじめ知っておくと助けになること、を知ることができます。

これから始める人にも、始めてみているひとにも

 「ブログ飯」がとにかく打席に立て、立ってバットを振れという教えなら、本書はそのバッティングフォームを教えてくれる感じ。

 また、お客様ファーストな集客術については、ブログに限らず言えることかもしれないですね。

 これからブログを始めてみようかなと思う方、すでに始めているけど日が浅い方などは、まず一読してみてはいかがでしょうか。

 とくに、少しでも始めている方は、自分のやっていることと照らし合わせて見ることが出来るのでよりわかりやすいかもしれません。

かん吉氏のサイト「わかったブログ」

www.wakatta-blog.com

V.S.テロリスト、とドラゴン娘…? 「個人と国家 人魔調停局捜査File.02」感想

個人と国家 人魔調停局 捜査File.02<人魔調停局 捜査File> (NOVEL 0)

 最強テロリストとのガチ殴り合いにかまってやれないドラゴン娘のゴキゲンとりにと奔走するライルくんの…ハードなお父さん生活や…

暴走する不法移民と街に潜伏するテロリスト

 「ベイグランド」と呼ばれる外部魔物の不法移民たち。不法移民ということで厄介ごとの種ではあるのですが、さらにその彼らが突如暴れ出して手が付けられず、その場で警官に殺されるまで止まらないという不可思議な事件が相次いでしまう。

 いくら外部魔物(人魔社会に正式に加入したと認められていないもの)であっても、それは制度的な話であって理性がないわけではないため、これは流石に異常な事態。

 加えて、対立する国家からやってきたテロリストがロザント市内に潜伏しているという話の捜査が同時に持ち上がり、完全に火薬庫の予感である。

 暴れる巨人との激闘から始まり、味方のうさんくさい諜報員らからの厄介事、烏天狗の剣士カエデとともに事件を追う日々、そしてラストの決着まで怒濤のハリウッド展開から目が離せないです。

 はたしてライルくんはこの先生きのこることができるのか…!”なかなか死なない”ダイ・ハード的な意味で)

ドラゴン娘との同居生活

 …といってもラノベ的な甘いものではなかった。

 むしろ、なんだ、この、仕事で家に帰れないお父さんは…

 かなしい。

 前回いろいろあった「竜羽の里」の長の娘、クーベルネの外部魔物観察人(短期の養親みたいなもの)になったライルくん。別に惚れてるとかいう雰囲気じゃなかったので普通に家族として過ごせていればって感じなんですけど仕事がそれを許さない。

 これは労基署に訴えるレベル。公僕に(というかこの世界に)そういうものがあるかはしらないけど。

 でも、これがただの企業ならそういうそれで済むんだけどライルくんは魔物事件専門の警察みたいなものだから…お疲れ様ですとしかいえないところもある…

 クーベルネとの衝突も、彼女のことを大事に思っていないからなんてわけじゃないからまた、こう、やきもきっとするところでもあるけど、「竜羽の里」から来て騒動に巻き込まれていた彼女が平和に過ごせている様子でもあるからほほえましくもある感じでやはり正義。(慈しむ目

 まあしかし、その元気いっぱいなところもふくめて完全に保護者とお子さんですね(慈しむ目

国家というもの

 しかし、そういったほんわかした(ライルくんが悪態ついたり冷や汗かいたりする)日常もありつつ、事件は大きく深刻に進展していきます。

 だんだんとハードにスケールもでかくなる展開がライル・アングレー実働官とパートナーの烏天狗カエデに押し寄せてきます。

 そう、今回はこのカエデさんがパートナー。ユニコーンのアルミスも登場しますけどメインはこの方。イカした剣術使いのお姉さんです。つよい。

 そして対するテロリストもまた強力であり、当然激しい衝突になります。

 そういう彼らの葛藤やそれぞれの覚悟、事件の裏にいる存在からも目が離せないですが、テーマとしてタイトルにもある「国家」、集団に殉じることができるのか、それを越えた大きな判断ができるのか、してしまうのかといったところも感じました。

 茶番だったとしても国家のために闘うのか。個人の正義を通すために、全体としては正しくない道を選ぶことになるのか。

 最終的に何が正しかったのか、というのはわからないですが、選択をしていくしかないし、その結果をもって先に進むしかない。

 そういう覚悟が問われるところもまた、ハードな一面でした。

 しかし、完全にちょい役だと思ってたロイヤーが結構出番増えてるの面白い。いい性格してるし。