最強テロリストとのガチ殴り合いにかまってやれないドラゴン娘のゴキゲンとりにと奔走するライルくんの…ハードなお父さん生活や…
暴走する不法移民と街に潜伏するテロリスト
「ベイグランド」と呼ばれる外部魔物の不法移民たち。不法移民ということで厄介ごとの種ではあるのですが、さらにその彼らが突如暴れ出して手が付けられず、その場で警官に殺されるまで止まらないという不可思議な事件が相次いでしまう。
いくら外部魔物(人魔社会に正式に加入したと認められていないもの)であっても、それは制度的な話であって理性がないわけではないため、これは流石に異常な事態。
加えて、対立する国家からやってきたテロリストがロザント市内に潜伏しているという話の捜査が同時に持ち上がり、完全に火薬庫の予感である。
暴れる巨人との激闘から始まり、味方のうさんくさい諜報員らからの厄介事、烏天狗の剣士カエデとともに事件を追う日々、そしてラストの決着まで怒濤のハリウッド展開から目が離せないです。
はたしてライルくんはこの先生きのこることができるのか…!(”なかなか死なない”的な意味で)
ドラゴン娘との同居生活
…といってもラノベ的な甘いものではなかった。
むしろ、なんだ、この、仕事で家に帰れないお父さんは…
かなしい。
前回いろいろあった「竜羽の里」の長の娘、クーベルネの外部魔物観察人(短期の養親みたいなもの)になったライルくん。別に惚れてるとかいう雰囲気じゃなかったので普通に家族として過ごせていればって感じなんですけど仕事がそれを許さない。
これは労基署に訴えるレベル。公僕に(というかこの世界に)そういうものがあるかはしらないけど。
でも、これがただの企業ならそういうそれで済むんだけどライルくんは魔物事件専門の警察みたいなものだから…お疲れ様ですとしかいえないところもある…
クーベルネとの衝突も、彼女のことを大事に思っていないからなんてわけじゃないからまた、こう、やきもきっとするところでもあるけど、「竜羽の里」から来て騒動に巻き込まれていた彼女が平和に過ごせている様子でもあるからほほえましくもある感じでやはり正義。(慈しむ目
まあしかし、その元気いっぱいなところもふくめて完全に保護者とお子さんですね(慈しむ目
国家というもの
しかし、そういったほんわかした(ライルくんが悪態ついたり冷や汗かいたりする)日常もありつつ、事件は大きく深刻に進展していきます。
だんだんとハードにスケールもでかくなる展開がライル・アングレー実働官とパートナーの烏天狗カエデに押し寄せてきます。
そう、今回はこのカエデさんがパートナー。ユニコーンのアルミスも登場しますけどメインはこの方。イカした剣術使いのお姉さんです。つよい。
そして対するテロリストもまた強力であり、当然激しい衝突になります。
そういう彼らの葛藤やそれぞれの覚悟、事件の裏にいる存在からも目が離せないですが、テーマとしてタイトルにもある「国家」、集団に殉じることができるのか、それを越えた大きな判断ができるのか、してしまうのかといったところも感じました。
茶番だったとしても国家のために闘うのか。個人の正義を通すために、全体としては正しくない道を選ぶことになるのか。
最終的に何が正しかったのか、というのはわからないですが、選択をしていくしかないし、その結果をもって先に進むしかない。
そういう覚悟が問われるところもまた、ハードな一面でした。
しかし、完全にちょい役だと思ってたロイヤーが結構出番増えてるの面白い。いい性格してるし。