悪役令嬢として生を終えたはずのラシェルが、気がついたら3年前の自分だった。そこまではよくあるリプレイかと思いきや、ラシェルを悪役令嬢たらしめていた魔力が失くなっていて日常生活も満足に送れないように。悪役令嬢改心ものですけれど、だいぶ気の毒なスタートです。
ただ、そこまで条件が変わったからか、一度師を経験して戻ってきたからか、ラシェルの人生はむしろ良い方向に回り始めてます。悪役だった頃のラシェルは影も形もなくて、周りの人は大病から憑き物が落ちたかのように感じてるだろうなあと思うくらい。ルイ王太子との関係もむしろリプレイ前よりいいくらいですし。「無欲の勝利」って感じは少ししますね。ラシェルはラシェルでなにか特別なものがありそうですから、ここから先で明かされてはいくんだと思います。ちょっとだけ出てきたヒロインちゃん(?)のセリフも気になりますね。(といっても…予想はつきそうなものだけど。ただ前世ではハッピーエンドにたどり着いてるんだろうから、もしかしたら前世と今世でそこも分岐してたりするのかなあ)
しかしそういう背景の話はおいといて、病弱状態だったラシェル令嬢が周りの助けを借りながらすこしづつ元気になっていくのは救いある方向です。自業自得分は前世に置いていって幸せになって欲しいとは思うのだけど、やっぱりまだ引っかかってるところもあるよなあと1巻最後まで読むと思います。ここは王太子の頑張りどころかもしれない。