元勇者で今はスケルトンのアルが各地を旅する第3巻、今回はスケルトンらしい登場を冒頭からかますも全く動じない心の広い森番のいる村での一幕。やんちゃなハルベルに振り回されつつしばらく過ごす日々。
平穏そうな村だけどそこに迫るアンデットの軍勢、村の秘密も明かされてアルとともに立ち向かうことに。ホラーといえばそうかもしれない展開でもあるけど…もの悲しさのほうが勝ちます。見た目も言動も完全に普通なところが特に。ギルド受付嬢さんの「あの子のためならもう一回くらいは死んでいい」は重い。それに自分では気づいていないであろうハルベルにアルが「ちょっとな 酷な話をしに来たのさ」っていつもの調子で村の現状を告げに行くところも、骨だから表情がまったく見えなくていつもの調子なんだよ。何を話すつもりか読んでいるこっちは薄々感づくのだけど、その話を切り出すアルの表情が骨で何も読み取れないっていうの、このシリーズならではだと思います。表情も何も骨だもんなあ。
しかしハルベルも無意識に行使するには大きすぎる力だと思うんだけど、なにかあるのかしらね…とても標準的な能力ではなさそうだけど。
また1巻での出来事もこの事件に絡んできていて、そう回収されたかって感じもします。ミクトラさんの鬼神のごとき一撃で巻が締められているの格好良いですね。絵柄に気迫がある。かわいいだけじゃないところがこのファンタジーだよ。