神魔<ディーヴァ>の力を得た世界での戦い
今から15年前、ヴァシレウス・ヴァシレオーンなる者が賢者の石を使い、異世界の住人である「神魔」と人々が繋がり魔法を操れるようになった世界。
神や悪魔と呼ばれていたものたち、神話や伝承の力をベースとして「魔法」を日常的に使えるようになっている世界で、主人公の林崎一樹が神話の王として覚醒…ハーレム王への道を歩むことになるラノベです。どんなだ。
一樹は王としての力を磨きつつ、また元々収めていた剣技も使い世界の命運を賭けた戦いに挑んでいくことになる、物語としては王道なストーリーでヒロインもたくさん。
王の力としてヒロインと仲良くなると強くなるなんて能力を持っているのでハーレム王を目指すことが世界の命運を決める戦いにもなります。
最初はストイックっぽかった一樹が最後はすっかりストイックなイケメンハーレム王に…主人公やキャラクターの成長は物語の見所の一つですが、一樹がだんだんと女子を手玉に取っていくようになっていく成長っぷりはなんかこう、ラノベの中でも屈指の成長っぷりではないでしょうか。
あとMF文庫はどこまでがセーフなのか。回を追うごとにひどくなっていくその描写、後半はもうレーティングが違うのではないかと言いたくなりそうになるくらいだったが具体的に合体しなければセーフという強い意志を感じる。小説だから許された。でもエピローグの小雪はなんていうかほんともう小雪…
…まあそういう、女子と絆を強めつつ、パワーアップして強敵に打ち勝つ感じのストーリーです。
神話に侵食された世界と7つの魔法大国
しかしバトルについては一樹無双となるわけではなく、特に後半、メンバーが増えていくにつれ敵味方入り乱れての団体戦になっていきます。
ユニットとして一番強いのは剣と魔法を使える一樹になりますが、魔法使いとして強力な美桜、小雪、輝夜たち、純粋な剣士として一樹の上を行く妹の鼎など他のメンバーも負けておらず、さらに魔法戦は純粋な攻撃力の殴り合いではなく駆け引きも要求されるため一筋縄ではいきません。
またこの世界は神魔によって魔法が使えるようになったことから、国家の形が「神話」をベースに再構築されていき、各国の交流も途絶えている世界となっています。
今は7つの魔法大国がそれぞれの信仰する神話を元に形成された宗教国家となり、各国が「王」を掲げ覇権を争う戦国時代。ベースになる神話は例えばドイツであれば北欧神話であるように、その地方で有名な神話、幻想が形を持って顕現しているような形になります。
日本は、力を貸してくれた「ソロモン72柱」の力を得て魔法大国の仲間入りをしており、一樹はその王として国同士の衝突に、ひいては世界の命運に挑むことになります。
(どうして日本なのにソロモンなのか、日本古来の神々はどうしたのか…についてはまた劇中で)
乱れ飛ぶ剣と魔法、信仰と神々の力のぶつかり合い
そして「召喚魔法」によって呼び出され、その力を引き出して行われるバトルはまさに神話の再現とも呼べるもの。
さらに近接戦闘を得意とする一樹や剣士たちがそこに加わり、より激しさを増していきます。
魔法全盛の世界で、物理攻撃を行う剣士は見下されていましたが、そういった常識も打ち破っていくのが主人公。剣と魔法に限界はない。
直接的な攻撃魔法のみならず補助魔法のブーストによる接近戦や搦め手の魔法戦までバトルも幅広く、神魔、信仰、信念のぶつかり合いでもあり熱い戦いが繰り広げられていきます。
(余談ですがこのバトル、厨二力高い呪文詠唱といい「神魔の力を借りて効果を現す」システムといい妙な懐かしさがあって良い)
だたこれだけ激しい戦いだと、学園ファンタジーで死人が出ないかってところが心配になったりもしますが…防御用の魔法がオートで働いていて、ダメージを受けて魔力が0になっても気絶で済むセーフティが備わっているから安心です。(ただそれがあるからこそ、割と容赦なく死んでいく後半の迫力も増します)
剣に魔法に学園ハーレムに大変ストレートで良いラノベで、そういった方面が好きな方は面白いと思います。さらに完結しているから安心です!
私はコミカライズのほうから入ったりしました。ちょっと気になる方は試しに是非。