これが二年目のやることかよぉ…
業界騒然の大勝負!
今巻は15巻からの続き、実質的に上下巻のようなものとなっています。
ただの提案勝負から業界全体にインパクトを与えるような大勝負にまで発展していき、それでも最後に待っているのは恩師である室見立華との決着である。
これなんのラノベでしたっけ…ってなるくらいのビジネス小説っぽさが出てきていました。技術より政治ゲーム要素のほうが多めだった感じでしょうか。SEって大変だな…ってか二年目…
いやむしろこのシリーズ振り返ってこの密度で仕事して2年経ってないことがおかしいと思うべきか…
工兵の進む道はどうなるのか?
桜坂工兵については実のところ割とマネジメント、経営者向きかなと思うところが多々あって、今巻の活躍も純粋なシステムエンジニア…よりプロジェクトマネージャ的なものだったと思うんですよね。
エンジニアは技術を振るうけど、工兵は人を動かして問題を解決しているから。それはマネジメントだろうかなと。
シリーズ中の彼の働きとしてもマネジメントの才覚を見せてたところがありましたから、前巻での誘いについても割と適切かなとも思ったりもしていました。
まあなので、最後に工兵が選んだ道は意外といえば意外でしたが。それはそれとしてその先もわりと想像できそうな感じもまた。絶対揉めるやつやなみたいな。
ただ、僕個人としてはその選択はよく分かるところはありますね。なんつーか、まあ、個人的なタイミング的な意味でも…
後書きが哀しみに満ちている
うん…
なんといえばいいのか。なんて哀しい後書きなんだ。
アマルダの社長のお言葉も沁み入るようでしたが(アレはアレでポジショントークでもある、からやっぱり上位層は怖いなって思うところでもある)、シリーズの最後でこの後書きかって思うと…実にこのシリーズらしいとしか言えない。
現実ではこのあたりのツケを支払ってる真っ最中みたいなところある気もするけど、一回滅びろみたいな感想になるのは同感なのでなんとも。
ただでも、全く職能の違うジョブに社内でチェンジさせるのは悪い面が目立つけど良い面もあるとは思っていて。
複数の専門知識を掛け合わせるような習得の仕方は、それはそれで大切です。(事務方がSEのこと何も知らなかったらそれはそれで文句言うでしょ)
まあ物語の最後としてはハッピーな感じだったからよかったのではと思いつつ…クロージングまで目が離せない残酷SE物語、お疲れ様でした!
そういえば中高生の将来の夢第一位が「ITエンジニア・プログラマー」って話ありましたけどまずこのシリーズ読んでから考え直そうな。
プログラムやシステムエンジニアとしての技術はとても楽しいもので、それ自体は体験して欲しいし、覚えておいて損はないと思いますが仕事にするとどういう目に遭うのか。このシリーズのファンタジー要素は2点。上司や同僚、仕事相手はだいたいおっさんであることと、こんなにうまく解決できないこと。無残。